【RPG制作講座】序盤A 旅立ち

2013年03月09日

 オープニングによって物語が始まり、舞台の基本説明を終えたならば、いよいよ主人公が旅立つことになる。既に物語の開始時点で旅立っている作品もたまにあるが、ほとんどの作品では旅立つまでの流れを作ることになる。

 旅立たせる方法は大きく分けて2種類。

  1. 動機を与えて、自ら旅立たせる。
  2. 住む場所を追われるなどして、旅立たざるを得なくする。

 最初から主人公が明確に大きな目的を持っているならば、難しく考える必要はない。
 そうでない場合(特に2.)は、当面の旅立つきっかけを与えて、大きな目標を得るまでの繋ぎを行う必要がある。
 2.の場合も結局は1.に繋がるパターンが大半である。

 それでは主な旅立ちのパターンを挙げて行きたい。
 以下のパターンを1つないし、複数経由して旅が始まることが多い。

旅立ちのパターン


指示

 旅立つきっかけとなる指示を得る。
 王様・神様あるいは母ちゃんのような偉い人から指示を受けるという形状が最もシンプル。
 『指示』という言葉を使っているが、『頼み』なども構造はほぼ同じ。

ドラゴンクエスト1〜3

 「勇者よ。魔王を倒すのじゃ!」というように、いきなり最終目的に直結するような指示を受けるパターン。DQ3の場合は一応、父に関わる因縁が語られる。

ドラゴンクエスト5

 序盤は大きな目的もなく、父に付属する形で物語が進む。少年期の最後、父の死亡によって、ようやく目的を得る。
「お前の母さんは生きている。わしに代わって母さんを。ぬわーーっっ!!」
 という遺言によって、奴隷時代を経て母を探すことになる。このように劇的な場面で指示を与えると印象深い。

ファイナルファンタジー8

 「炎の洞窟で試験を受けろ」というような簡単なお使いイベントから開始。
 以降も、徐々に大きな課題を与えられていく中で「魔女を倒す」という大目的を得ることになる。
 こうやって、小さなイベントから徐々に話を広げていくのも定番。

決意

 主人公自身が旅立ちを決意する。「俺は勇者になって魔王を倒す!」ってな具合。
 どちらかと言うと喋る主人公向きだが、無口主人公でも他者や仲間のセリフを借りる形で可能。
 例えば、「お前、勇者を目指すんだって?」あるいは「俺達で世界を救うぞ!」と、主人公の目的を断定してしまうやり方がある。

 他のパターンを経由して、最終的に決意に至るというパターンが多い。自発的に旅をしているという時点で、大なり小なり決意しているのは当たり前だけど……。

ファイナルファンタジー4

 主人公セシルはオープニングの出来事で国王のやり方に疑問を持つ。そして、親友カインと共に最後の任務を終えて、国を出ることを決意する。
 所属組織からの離反というのも、旅立ちのきっかけとしては中々面白いと思う。

最初から目的を持っている

 物語が開始した時点で主人公は既に明確な目的を持って旅をしている。プレイヤーには後を追ってその説明を行う。

ドラゴンクエスト8

 主人公は王国の兵士。王と姫の呪いを解く事が旅の目的であり、物語開始時点で既に旅の途中である。
 呪いをかけられた経緯は序盤、回想の形で示される。

出会い

 出会った誰かが旅の動機をもたらす。
 偶然、助けた人物が逃亡中のお姫様で、それに協力する形になるだとか。
 ボーイミーツガールの定番。

ファイナルファンタジー5

 オープニングで出会った仲間の目的(クリスタルを守る)に主人公が乗っかる。
 その後、実は主人公自身もその目的に因縁があることが明かされる。

 FF6、7、9、10、12も他者に乗っかるのは同じである。

どこかに飛ばされて

 どこかに何らかの要因で飛ばされる。
 元の場所に戻るために奮闘する内に、世界の情勢を知り、何らかの目的を見つけるといった展開が多い。
 船や飛行機の事故でどこかにたどり着くというのが多い。
 タイムトラベルものや異世界ファンタジーは、大抵これが起点となる。

クロノトリガー

 祭りの催しにあった装置がヒロインの持つペンダントと反応して、タイムワープを引き起こす。
 後を追った主人公は中世の時代にたどり着く。
 やがて、未来に待ち受ける世界崩壊を知った主人公達はそれを阻止する決心を固める。

テイルズオブジアビス

 主人公が暮らす屋敷に単身乗り込んでくるヒロイン。
 ……が、主人公とヒロインの力が共鳴(超振動)してワープ。主人公は屋敷に戻る過程で、様々な人物と出会う。箱入り息子であった主人公も世界の情勢を知っていくという流れ。

 でもこれ、結構強引な導入な気がしないでもない。都合の良い超振動といい、ここだけやたら無鉄砲なヒロインといい……。

危機

 主人公や家族、仲間、住む町が危機に見舞われるパターン。
 例えば、主人公の住む国が敵軍に襲われて……というのは定番。

 そこからの繋げ方としては……

  • 主人公は国を脱出。
  • 主人公は敵に捕らわれる。
  • 主人公が覚醒して危機を脱出するが、その力を周囲から白眼視される。
  • 主人公の家族や友人が命を落としたり、さらわれたり。

 という具合によりどりみどり。

 ごく普通の日常から急激な破綻を迎えるというパターンも多用される。
 特に平穏な日常と危機のギャップが大きいほど、インパクトが強くなる。
 そこから、失ったものを取り戻すため、あるいは復讐のために戦うというように、強い動機づけになる。

ドラゴンクエスト4(5章)

 平穏な日常が急激な破綻を迎えるパターンの代表。日常部分はかなり短め。
 住んでいた村が魔族に滅ぼされ、1人生き残った主人公は旅に出ざるを得なくなる。

追放

 住んでいた町や所属していた組織から追い出されて、やはり旅に出ざるを得なくなる。
 そこからいくつかのイベントを経て、旅の目的を得るというパターンが多い。

聖剣伝説2

 主人公が聖剣を抜いたことがきっかけとなって、辺りに魔物が現れる。周りに白眼視された主人公は村を追い出される。

脱出

 開始時点で既に牢獄など、囚われた状況にある場合。そこからの脱出や逃亡が最初のイベントとなり得る。
 脱出してから何を目的とするかは追って決めても良い。
 意外と例がないのだが、導入部としては見せ場もできるし悪くないと思う。

聖剣伝説1

 奴隷剣闘士として戦いの日々を送っていた主人公は、仲間の死をきっかけに闘技場からの脱出を決意。
 モンスターの出入口から脱出に成功する。その後は滝から落ちる→ヒロインと出会う→ヒロインさらわれる……というような展開。

旅立たない

 別に旅立たなくても良いじゃないかという発想。特定の場所を拠点に発生する事件を解決していく方法が主流となる。
 受け身のストーリー進行になりやすいが、そういう作品があっても悪くはないだろう。

 序盤に限り拠点を中心に行動するが、途中から外へ旅立つアークザラッド2のようなスタイルもある。

ペルソナ4

 自宅や学校など、町を中心に物語が進行する。
 ペルソナの力を手に入れた主人公達は、次々と発生する事件を解決するために尽力していく。

英雄伝説 零の奇跡

 警察の捜査官として、町に発生する事件を解決していく中で巨大な陰謀に気づいていく、という筋書き。

まとめ


 旅立つきっかけの作り方を思いつく限りで挙げてみた。前回と今回の記事を合わせて、序盤の展開に悩んでいるという方の参考になれば幸い。

 なお、『序盤』と書いたが、別に物語中盤に使用しても問題ない展開も多い。
 あくまで大雑把なパターン分けなので、細部では様々な手法がある。色々と工夫をしてみて欲しい。

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【RPG制作講座】序盤@ オープニング

2013年02月23日

 物語の構成『起承転結』において、序盤を司る『起』が重要である事は言うまでもない。
 この講座では『起』を『オープニング』と『主人公が旅立つまで』の2種類に分けて説明する。この記事ではあくまで冒頭(オープニング)の見せ方について書いているので、旅立ちについてはほとんど触れていない。

 RPGのオープニングですべきことは主に……

  1. 世界設定の説明。
  2. 主人公を始めとした登場人物の説明。
  3. ゲームシステムの説明。
  4. プレイヤーを作品に引き込ませる。

 といったものが挙げられる。
 これらを踏まえた上で魅力あるオープニングというものを考えていきたい。

 しかし、ただダラダラと世界設定や人物、ゲームシステムを説明したところで、プレイヤーの興味を引くのは難しい。
 つまり、説明すると同時に「プレイヤーを作品に引き込ませる」必要もある。面白くなるまでに時間がかかるようでは、それまでに飽きられてしまう可能性が高い。
 有名なところでは、DQ7が「最初の戦闘までに数時間かかる」だなんて非難を受けていた。やはり、物語の早い段階でストーリー的、ゲーム的な面白さをプレイヤーに体験させた方が好ましい。

 そんなわけで、既存RPGのオープニングを分類してまとめてみた。
 どんなオープニングを作れば良いのか迷う――という人はぜひとも参考にしてみて欲しい。例に挙げた作品は、必ずしも良い例とは限らないのだが、それもまた逆に参考になるかと思う。

代表的なオープニングのタイプ(場面編)


 どんな場面から始まるかで分類。

ストレートに始まる

 小細工なし。
 物語の冒頭から直球でプレイヤーに目的を伝える場面から開始する。容量などの都合で、余り長い会話を挟めなかった昔の作品に多い。
 とはいえ、現代の作品でもテンポやゲーム性を重視するなら、この型を取るのもありだろう。

ドラゴンクエスト1〜2

 冒頭から王様との会話によって、直球で「魔物の親玉を倒せ」という目的が示される。
 その後、城の兵士達との会話からゲームシステムや世界観に関する情報を得ていく。とても簡潔。とても無駄がない。

呼出を受ける

 「王様がお呼びだぞ」というような呼出を受けるところから開始。
 呼び出した相手から物語当初の目的を聞くことになるという流れ。会いに行くまでにある程度自由に行動できる場合も多い。その途中で町人から舞台設定に関わる情報を得たり、主要人物に出会ったりする。

 『ストレートに始まる』よりも、段階を置くことで情報を分散して伝えられる。伝えなければならない情報が多い場合は、こちらの方が有効。

ドラゴンクエスト3

 朝、母親に起こされる場面から開始するが、すぐに王様の元でDQ1〜2と同様の目的が与えられる。
 ちなみに、リメイク版だとタイトルデモが存在する。そこでは、主人公の父が旅立って消息を絶つという流れが描かれる。

放り出す

 目的すら明示せずに放置して、プレイヤーの操作に任せる。
 周りの人物に話しかけるなどしているうちに、目的が見えてくるというのが一般的。
 移動できる範囲を絞って、誘導してあげると上下のタイプに近くなる。テンポ重視。

ファイナルファンタジー1

 フィールド上に放置された状態でスタート。
 ……といってもすぐ側に町と城がある。
 城で王様の話を聞くことで、さらわれた姫を助けるという最初の目的を知る。
 一応、ゲーム起動時のテロップでは、主人公達が冒険の末に、そこへたどり着いたことが示されてはいる。

順当に説明

 テロップや会話、映像などで、順を追って現在の舞台や状況を説明する。
 その世界の中で主人公は「どんな立場なのか」が表現され、なすべきことが判明する。
 場面転換を駆使しながら、複数人物の動静を見せることも多い。
 SRPG的なやり方だと地図や年表が表示しながら、色々と情勢を解説すると雰囲気が出る。

 要するに最も普通のオープニングの見せ方。プロの小説にも多い手法で分かりやすい。
 ただし、あまり長々とやると嫌われやすいので注意。

ファイナルファンタジー5

 数々のシーンを切り替えながら、プレイヤーに状況説明を行う。

  1. 飛竜に乗ってタイクーン城から風の神殿へ旅立つ王。それを見送る娘のレナ。
  2. 船上にて、風の異変を感じる海賊ファリス。
  3. 同じく、どこかで風の異変を感じる謎の老人ガラフ。
  4. 場面が城に戻って、風の停止に気付くレナ。
  5. 風の神殿にたどり着いた王。しかし、神殿のクリスタルは砕け散る。
  6. 旅の途中の主人公。突如落下してきた隕石に驚き、様子を見に行く事に。

 ここまで4〜5分かかって、ようやく操作が可能に。
 セリフ自体は非常に簡潔なのだが、ゲーム性重視のFF5にしては、意外と長いオープニングである。

 ついでに、その後も……

  1. 隕石の側で、魔物に襲われているレナを助ける。
  2. これまた隕石の側に倒れているガラフを助ける。どうやら記憶喪失らしい。
  3. 2人は風の神殿に向かうらしい。主人公はそれを見送るが、結局後を追う。
  4. またも、魔物に襲われている2人を助ける。3人で風の神殿に向かう事に。

 という具合に中々忙しい。
 ご都合主義もあるとはいえ、これだけのイベントを10分程度で消化するFF5はある意味凄いと思う。

ヴァルキリープロファイル

 長いオープニングの筆頭。『世界観の説明』『主人公の過去と説明』『初期の仲間の説明』を一気にまとめてやってしまう。
 途中、イベント戦闘を挟みはするものの、まともに操作できるようになるまで1時間近くかかる。
 複雑な設定を説明するために、こうなってしまったのだと思うのだが……。

いきなり見せ場

 状況説明も程々に、いきなり見せ場に突入する。
 速攻で事件発生、または既に事件の真っ只中。
 特にダンジョンや戦闘が絡むことが多い。
 一連のイベントが終わった後に町に戻って落ち着いた後に、ようやく主人公がどのような暮らしをしているのかを説明したりする。

 「何をやるのか?」ではなく「何をやっているのか?」から逆算してストーリーを伝える。
 FFシリーズがよくやる手法でもある。
 プレイヤーが操作できるようにする場合と、操作はさせずに一方的にイベントを見せる場合の2種類に分かれる。

 基本的には操作できる場合の方が好まれる。
 プレイヤーの操作を交えながら、スピーディな状況説明が可能なので、ゲームという媒体を活かせる。
 ストーリー的には順を追っていないため、プレイヤーを置いてけぼりにしないようには注意。

ファイナルファンタジー2

 簡素なテロップで、主人公達が帝国の追手から逃げている途中であることが示される。名前入力画面の直後、何のシーンも挟まずに、いきなりの強制敗北戦闘。
 そして、反乱軍に救命された主人公達が帝国との戦いに立ち上がる――というのが一連の流れ。

ファイナルファンタジー3

 いきなり落とし穴から、謎の洞窟に落ちる主人公達4人。
 その洞窟を探検する中で、発見したクリスタルから世界を救うように言われる。

ファイナルファンタジー7

 2分程度のムービー(街の外観など)の後、列車から主人公が敵地に飛び降りるところから操作開始。
 テロップによる説明はない。
 魔晄炉爆破というミッションを通して、仲間との会話を挟みながら、その目的や世界設定が伝わるようになっている。
 FF6も似たようなタイプなのだが、いずれも秀逸な構成だと思う。

ファイナルファンタジー8

 冒頭のムービーで、主人公とライバルの決闘シーンが描かれる。ただし、こちらは操作できないパターン。
 決闘に敗北、運び込まれた学園の医務室から地味に操作開始。その後の流れは『呼出を受ける』に近く、広い学園内を自由に動き回れる。

日常から始まる

 ごく普通の日常から始まる。等身大の視点から、主人公の立場や世界設定について、徐々に説明をしていく。
 ちょっとした冒険から徐々に大きな目標に向かうパターンもあれば、急激な破綻を迎えるパターンもある。

クロノトリガー

 朝、母親に起こされて祭りに出かける、というように日常の延長から開始する。
 住民との会話から、世界設定が分かるようになっている。

ドラゴンクエスト7

 主人公と王子キーファが島の遺跡を探検するシーンから開始。
 長いフラグ立てと謎解きに、数時間かけた後で別世界にワープ。直後に最初の戦闘もある。
 前述した通り、前置きが長すぎて不評を浴びた例。
 個人的にはこういう流れもアリなのだが、それにしてもフラグ立てが多すぎたかなあと。

新天地からスタート

 新しい町や島、あるいは組織にやって来るところから物語が開始。
 主人公にとってもプレイヤーにとっても未知の場所なので、自然と説明をしやすいのが長所。
 まあ、「久し振りのXXXXだな」というパターンもあるけれど似たようなものかと。

ペルソナ3〜4

 学園モノらしく新しい学校に転校するところから開始する。
 教室で自己紹介、隣の席の人物に話しかけられるといった恒例の展開が続く。

代表的なオープニングのタイプ(時系列編)


 冒頭シーンの時系列で分類。

過去の出来事

 物語開始時点よりも、過去の出来事を冒頭に持ってくる。これも定番のパターン。
 なお、少し過去の出来事を持ってくるだけなら『順当に説明』と大差ない。

 例としては……

  • 何百年前の伝説の戦い
  • 主人公の両親など、数十年前の出来事
  • 主人公の出生にまつわるシーン
  • 主人公自身の過去

 オープニングが終わった後は現代の主人公に操作が移る。
 主人公に関わるシーンが扱われることが多いのは、ストーリーに連続性がある方が、プレイヤーに理解しやすいためだろう。

 これも分かりやすいが、やはりテンポが悪くなりやすいのが欠点か。
 そのためか、過去の出来事をあえて冒頭には持ってこず、少し後から伝えるDQ8のような作品もある。

ブレスオブファイア2

 主人公の幼少時代を操作しながら体験する。時間としては10分程度。
 住んでいた町の様子が一変、後の親友ボッシュと出会い、共に町を離れる経緯が描かれる。
 一気に年数が飛んで、現代の主人公に移る。
 ちなみに、幼少時代の伏線は相当終盤まで引っ張る。

エストポリス伝記

 主人公の祖先でもある100年前の英雄達の戦いから物語が始まる。
 プレイヤーが自分で操作して、ダンジョン探索と戦闘を行うため『いきなり見せ場』とも分類できる。
 ただし、ここで稼いだアイテムや経験値は、本編開始後には何の意味もなさないのが玉に瑕。

未来の出来事

 逆にゲーム開始時点よりも、未来の出来事をオープニングに持ってくる。
 時系列を逆転させるので、プレイヤーを混乱させないように注意。
 未来を見せるという事は作者自らネタバレをしてしまうということ。
 既に判明した結果に対して、意外性のない過程を持ってくるなんて構成ならやる意味はない。作中の見せ場や印象深いシーンを使った上で、「どうしてこうなった!?」というようにプレイヤーへ過程の興味を引くようにしたい。

ファイナルファンタジー10

 ネタバレにならない程度に物語の転換点より、少し前を見せている例。
 物語の目的地ザナルカンドの入口に到着した時点から開始。名曲『ザナルカンドにて』がとても印象深い。
 そこから、回想という形でゲーム開始時点までさかのぼって、ゲーム後半にようやく冒頭へ繋がる。

ファイナルファンタジータクティクス

 全4章構成の物語だが、オープニングとなるのは2章冒頭。
 操作できる戦闘(といっても、ほとんど自動)の後で、主人公の親友ディリータが王女を誘拐するシーンとなる。
 この時点ではチンプンカンプンなのだが、さかのぼって1章を経ることで、話が繋がるという構成。

まとめ


 やはり、RPGに限らずゲームのオープニングたるもの、「まずは操作をさせなくては始まらない」というのが僕の意見。
 すぐにダンジョン探索や戦闘を体験させられる『いきなり見せ場』はその点で優れている。

 『順当に説明』や『過去の出来事』などを長々とやるのは嫌われやすいのだが、ストーリー面でプレイヤーを引き込む自信があるならば、それも良いかもしれない。ともかく『長い』『つまらない』『意味不明』というのは避けたい。

 というところで『序盤を面白くするテクニック』を考えてみたので、これで締めくくりとしたい。

序盤を面白くするテクニック


開発終盤に手直ししよう

 物語を進行順序通りに作る制作者は多くいると思う。
 その際、制作に慣れない段階で作ったがために、中盤や後半に比較して序盤のクオリティが低いということがあり得る。

 アピールすべき序盤が相対的に手薄になるわけだが、これはかなりもったいない。
 できるならば、オープニングを始めとした序盤のイベントは、作り直せとは言わないまでも、開発終盤に手直しをしてクオリティアップを図りたい。ついでに後半の展開に対して、後付で伏線を張ったりするのも良い。

最初のダンジョンに凝ってみる

 最初のダンジョンと言われると、洞窟や森といった地味なものとなりやすい。
 しかし、強くアピールすべき最初のダンジョンが地味なのはもったいない。可能ならば、「曰くありげな遺跡や神殿」「禍々しい大ボスのアジト」「風光明媚な外のダンジョン」などを持ってきてみよう。

 構成上の都合、いきなり大ボスのアジトをぶつけたりするのは難しいかもしれない。それでも、少しでも良いダンジョンとなるように出来る範囲で力を入れてみよう。
 例えば、洞窟にしても水晶の洞窟にして神秘的な雰囲気を出してみるとか。
 同じく物語を進行通りに作っていた場合、最初のダンジョンはパッとしないものになりがち。最初のダンジョンは短めなのがほとんどだし、開発終盤に蓄積した技術力で強化しておこう。

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【RPG制作講座】戦闘システムB リソースシステム

2013年02月02日

リソース(資源)とはゲームをプレイする中で、得たり、消費したりする要素である。お金やHP,MPが特に代表的。これらのやり繰りはRPGのゲーム性において中核を担う部分の1つである。

HPやMPなど多くの場合で、リソースは空気のようにごく当たり前に存在している。しかし、このリソースの在り方を工夫すれば、ゲームシステムにも個性を出す事ができるので、一度焦点を当ててみたい。

耐久/生存に関するリソース


キャラクターが死んだり、戦闘不能になったりしないためのリソース。HPを単独で用いるのが主流だが、それ以外の要素が存在する場合も。

HP

大半のRPGにとっては最も重要なリソース。大抵の場合、敵の攻撃を受けると値が減って、0になるとキャラクターは戦闘不能となる。

どのRPGもほぼ同じルールだが、ここに独自性を打ち出す方法もある。例えば・・・

ファイアーエムブレムシリーズ

HPが0になると、キャラが消滅するという強烈なペナルティがある。緊張感が増す反面、気軽には遊び辛くなる諸刃の剣。素人にはお勧めできない。キャラの生存状況で会話パターンが変わったりするので制作者としては大変かも。SRPGには同様のシステムを持っている作品も多い。

スターオーシャン3

MPもHPと同じ役割を持つ。HP,MPどちらも0になると戦闘不能になる。

ブレスオブファイア4

HPが0になった場合、蘇生しても最大HPが減少する。宿に泊まると回復。

マザー2

ダメージを受けても、HPは即座に減らない。ドラムロール式カウンタによって、徐々に減っていくのが特徴。致命傷となる攻撃を喰らっても、HPが0になるまでに回復を行えば戦闘不能とならない。

他にも大ダメージを受けるとHPがマイナスになって、それを回復するまで戦闘不能から治らない、なんてシステムを筆者は思い付いた。思い付いただけで実装はしなかったが・・・。

LP

サガシリーズに登場。HPが0になると、LPが減少する。LPが0になると宿屋に泊まるまで蘇生ができなくなったり、キャラ消滅したりする。ちなみに初代GBサガの時代から同様の要素(ハート)が存在している。アクションやシューティングにおける残機のようなものと考える事もできる。

ロマサガ2以降のサガシリーズでは、敵の攻撃が非常に激しく簡単にHPが0になる。代わりに、HPが0になっても、回復術によって簡単に蘇生できる。このままだと戦闘不能→蘇生のイタチごっこになってしまうので、歯止めにLPを導入していると考えられる。これらの構造によって、他のRPGよりも高い緊張感を演出していると推察できる。

ロマンシングサガ2

LPが0になるとキャラクターは消滅する。LPは宿屋でも回復せず、回復手段は一部のアイテムなど非常に限られる。

サガフロンティア1

宿屋に泊まる事によって、LPは全回復する。LPを消費する事で貴重な全体回復技を使用できるキャラクターも存在する。

サガフロンティア2

戦闘中にLPを1消耗する事で、HPを全快する事ができる。ターン経過しないので強力だが、戦闘は長引く傾向あり。また、術や技に使用するJP,WPを切らしていた場合、このLPを消費する事で代わりとするなんて要素も存在する。

アンリミテッドサガ

HPが0になっても戦闘不能にならないが、HPが減っているとLPが減りやすくなる。LPが0になるとようやく戦闘不能に。全員のLPが0になるまで全滅しないため、強敵相手の戦闘は非常に長引く。

満腹度

風来のシレンなど、ローグ系ゲームなどで扱われる。人が生きるために当然の要素をシステムとして表現したものだが、プレイヤーにとっては面倒なだけの事も多いので、大半のゲームでは省略される。似たような物に疲労度などがある。

移動や戦闘などの行動によって、減少するのが大半。これが0になると、HPが減少し始めたり、能力が下がるといったペナルティが課せられることが多い。もちろん回復は食料によって行う。

行動に要するリソース


MPを初めとした魔法や特技を使用するためのリソース。

消費型(MPなど)

技を使用すると設定された値(例:消費MP)だけキャラクターの保持ポイントが減少するというのが定番。減ったポイントは宿屋などで回復できる。

ただし、「キャラクターがMPを保有する」という一般的な型にこだわる必要は無い。

ロマンシングサガ1

術属性毎に法力(MPに該当)を保有している。例えば、火の術法を使用しても、風の術法の法力は減少しない。下の回数制もそうだが、調整次第では色々な種類の技をプレイヤーに使用させる事ができる。

ロマンシングサガ2

術(JP)と技(WP)で別に消費ポイントが設定されている。このようにすると、武器技と魔法を明確に差別化できるのが利点。6以降のDQは呪文と特技の区別が曖昧なので、こういうのを導入してはどうかと個人的には思っていたりする。

グランディアX

魔法の使用にはマナエッグと呼ばれる物を装備する。MPは装備したマナエッグ毎に保有するので、キャラクターには依存しない。

蓄積型

MPにおける宿屋のような手軽な全快手段は無いが、代わりに戦いの中でポイントを蓄積する事で技を使用できるようになる。蓄積するための条件は時間の経過やダメージを受ける事など。

結局、技を使用するためにポイントを消費するという点では、上の消費型と明確な境界は無い。実際、MPが時間経過で徐々に回復していくRPGも存在する。あくまで、数が多いので便宜的に分けただけである。

ファイナルファンタジー7:リミット技

ダメージによってポイント(リミットゲージ)を蓄積し、ゲージを満タンにする事で発動できる。いかにも必殺技といった印象が強く、派手さ優先に思えるシステムなのだが、長所も中々多くて侮れない。

MP消費魔法のように連発はできないのだが、それだけに普通ならゲームバランスを崩しかねない強力な技も設定可能だ。(例:時間停止など)また、連発できないだけに長いアニメーションでもある程度我慢できるというのも大きな利点。ワンパターンに陥りがちな戦闘を崩す意味でも、アクセントとしての意義は大きい。
戦闘前に全員のゲージを溜めて、ボス戦で一気に発動する事も可能。ただしこれは、強力過ぎてバランス崩壊の恐れも。

ファイナルファンタジー13:TP

MPの概念が存在せず、代わりにパーティ全体で共有するTPが存在する。消費する事で召喚などのTPアビリティを使用できる。ポイントを回復する条件は戦闘で高いランクを出す事など。このようにパーティ全体で1つのポイントを共有するという方法もある。使用できる機会が少なすぎて正直微妙だったが・・・。

ロマンシングサガ ミンストレルソング(ミンサガ):BP

時間(ターン)が経過する毎に技を使用するためのポイントが増加する。次の戦闘に値を持ち越すことはできない。この種のシステムは、最初の数ターンで強力な技を使用し辛いため、雑魚戦が地味になる可能性もあるのだが、この作品では初期値を設定することで緩和している。

個数型

要するにアイテム。所持しているアイテムの個数を減らして使用する。もちろんこれもリソース。間接的にはお金を消費して、アイテムを購入する事が多い。パーティ全体で所有する場合と、キャラクターが個別に所有する場合の2通り。

基本的には攻撃よりも、回復のために使用する事が多いが、何らかの制約を課さないと戦闘が長引く原因となる。とりあえず、僕としては99個まで所有できるアイテムで延々と回復しながら戦うようなRPGはご遠慮願いたい。

アイテムは誰でも使える場合が多いが、これが便利過ぎるとキャラクターの個性は薄れやすい。FFの『投げる』など、特定のキャラクターしか使用できない設定にすれば多少の個性化も可能となる。あるいは特定のキャラクターのみ威力アップなども良い。

耐久度型

攻撃を行う度に使用した武器の耐久度が減少する。何かとお金が掛かるシステムで、ややヘビーユーザ向けだが、逆にお金や武器の有り難みが増すという利点も。耐久度の回復手段をどうするかも重要。もちろん、防具や他の物に耐久度があっても良い。

魔界塔士Sa・Ga

攻撃する度に使用した武器の耐久度が1ずつ減少する。減った耐久度の回復手段は無く、武器は使い捨てである。ただし、エスパーやモンスターの特殊能力は宿屋に泊まる事で全快する。

ロマンシングサガ ミンストレルソング

強力な技ほど多く耐久度が減少する。武器の丈夫さやキャラクターのスキルによって、減少値を抑えたり、0にする事も可能となっている、耐久度の回復は鍛冶屋で素材を用いて行う。

使用回数型

MPの様な共有の消費ポイントは存在せず、各技あるいはレベル毎に使用できる回数が設定されている。色んな技を使わせたい場合は特に有効だ。プログラム的には回数の管理が大変そう。

ファイナルファンタジー1,3

魔法が複数のレベルに分かれており、レベル毎に使用できる回数が異なる。例えば、レベル1の魔法を使いきっても、レベル2の魔法は使用する事ができる。

ポケットモンスターシリーズ

各技毎に使用回数を保持している。技は一体当たり4つまで保有できないので、回数の少ない技ばかりだと、すぐに燃料切れになる。

まとめ


「HPが0になると戦闘不能になる」「MPを消費して魔法を使う」といった当たり前のシステムにも、様々な工夫ができる事が分かったかと思う。

また、戦闘に勝つ事によって、プレイヤーは経験値やお金、アイテムといった新たなリソースを手に入れる事ができる。それらを活用してどうパーティを強化するかというのもRPGの大きな楽しみだ。(そちらに付いては『強化システム(成長システム)』で既に記述している。)

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