現代のツクールでツクール2000のドット絵を使おう!【RPGツクールMZ&MV】

2020年11月01日

 MZ・MVといった新しいRPGツクール上で、ツクール2000時代のドット絵を使えるようにするための手順書です。
 ツクール2000に限らず、SFC時代のようなドット絵を使いたいという人は必見です。



目次


初めに

変換

キャラクター

マップチップ

それ以外(モンスター、顔、背景など)

拡大&同期

素材サイト

画像の縮小


初めに


 ツクールXP以降、大幅にゲーム画面の解像度が高くなりました。
 イラストの利用など表現力の可能性が増した反面、ツクール2000時代のような低解像度向けのドット絵を使うのが困難となりました。
 MV&MZに至っては非常に素材の規格も大きくなり、かつてと比較して縦3倍×横3倍=9倍にも上るようになりました。

 同じような手順でドット絵を編集する場合、単純計算で作業量も9倍です。
 そのため、素材の自作が非常に困難となってしまいました。「デフォルト素材を使う」「デフォルト規格に合わせた外部素材を使う」「ツールに備えたキャラクター生成を使う」といった作者が大半でしょう。


 ※参考:左(MV)は実際のゲーム画面ではFC時代のようなチビキャラですが、実体はSFC水準のドット絵(右)よりもずっと巨大です。

「大は小を兼ねる」といった言葉がある通り、ツクール2000時代の画像素材を2〜3倍に拡大すれば使うことも可能です。
 ただし、その場合は画像の編集が問題となります。一度、縮小して編集し、また拡大をするというような手間をかける必要があるのです。とても気軽に使えるとは言えない状況でした。

 結局、ツクールXP以降、SFC風ドット絵を愛好するツクーラーの多くはツクール2000をそのまま使い続けるか、あるいはWOLFエディタなどの外部ツールに流れることになりました。

 しかしながら、それでは機能的な制約がどうしても発生します。
 ツクール2000では戦闘やメニュー画面をデフォルトから変更することも困難です。イベントコマンドによってシステムを自作することも可能ですが、相当なプログラミング技能と根気を求められます。

 ※元本職PG(現ニート)兼ツクーラーとしての私見を述べれば、自作戦闘の作成に必要な資質は一般IT企業のPGに求められる水準よりも上です。
 ※WOLFエディタのほうはよく知りませんが、あちらはあちらで高機能な分だけ敷居が高いです。なんせ僕でも難しいと感じるレベルなので。

 その点では、ツクールMV&MZは非常に優秀な機能を持った上に、それなりの使いやすさも兼ね備えたツールです。
 特にプラグインの仕組みは素晴らしく、大勢のプラグイン作家達の貢献もあってシステムの改変が簡単に行なえます。例えばSFC時代のRPGのようなシステムを実現したいと考えた場合、必要な労力はツクール2000時代とは比較にもなりません。

 そんなわけで、目指すはツクール2000の素材を、MVやMZで使用して開発できることです。一度変換するのは仕方ないにしても、以降は編集する度に拡大縮小などの手間をかけないことが理想です。
 また、新規でドット絵を描く際は余計な手間を一切増やしません。本来のサイズでドット絵を描けば、ツクールへと自動的に反映します。エディタ上の表示も崩しません。

 そんな方法があるのかと思われるかもしれませんが、がんばって用意しました。外部のソフトウェアと作者自身が作ったソフトウェアの組み合わせで行います。
 これを機に、ツクール2000派の方々も乗り換えを検討してはいかがでしょうか?

変換


 素材の種類によって最適な方法が異なります。
 前提として画像はいずれもpng形式とします。

キャラクター

 ツクール2000ではキャラクターの向きが上右下左の順で並んでいるのに対して、MVMZでは下左右上の順に並んでいます。変換をかけて合わせる必要があります。

 というわけで、変換プログラムを作りました。
 https://newrpg.up.seesaa.net/mv/NRP_ChangeChar2KMZ.zip
 使い方は中にある『ChangeChar2KMZ.exe』を起動し、ウィンドウにキャラチップをまとめて放り込むだけです。同じく中にあるconvertフォルダ以下に変換後のファイルが作られます。

 拡大率は1倍のままにしてください。拡大処理は別途用意するので、現段階では不要です。
 ※反映した素材は原則編集しないという方は3倍にしてしまっても結構です。その場合、今回の目玉である『拡大&同期』の手順を取る必要もなくなります。

マップチップ

 以下のプラグイン(はどはど様)で変換が可能です。手順はリンク先をご覧ください。プラグインパラメータから倍率を指定できますが、同じく1倍でお願いします。
 https://github.com/katai5plate/rpgmv-2000-like-plugins/blob/master/README.md

 MV用とありますが、MZでも動作することを確認しました。

 むしろ、MVの場合はコアスクリプトのバージョンを合わせないと動かない模様です。『コミュニティ版 community-1.3b』というデフォルトとは異なる環境下が推奨なのでご注意ください。
 あらかじめコミュニティ版 community-1.3bを適用した空のMV用プロジェクトを用意していますので、よければご活用ください。
 https://newrpg.up.seesaa.net/mv/ProjectMV_community-13b.zip


 説明に書かれている通り、使用にはファイル名の先頭に『2k_』をつける必要があります。数が多い場合は以下のような一括リネームソフトを使うと便利です。
 https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/filebababa/

 導入が難しい場合は、上記の元となったweb変換器が使えます。ただし、変換後の画像を一つずつダウンロードする必要があるので数が多いと大変です。なぜか、保存時のファイル名も再度手動でつける必要があります。
 https://krmbn0576.github.io/rpgmakermv/converter.html

 いずれの方法でも、変換した画像はフルカラー形式になってしまいます。
 これは元々、ツクール2000用の素材で使われている256色pngとは異なる形式です。余計な色情報を保有しているためドット絵用のペインターからは扱いづらく、また不要にサイズも大きいです。
 ドット絵の定番EDGEなど、フルカラー画像を開けないソフトもあります。

 そのため再変換を行い、256色pngに戻します。
 実は先程のキャラチップ変換ツールに同梱されている『optipng.exe』が使えます。
 これはpngの容量削減ソフトですが、自動で色数に合わせた形式に変換してくれます。
 exeにファイルをまとめてドロップするだけでOKです。

それ以外(モンスター、顔、背景など)

 処理不要。以下に従い、ただ拡大するだけです。

拡大&同期


 さて、ここからが本番です。
 自動拡大プログラムを導入して、ドット絵素材の編集がゲームプロジェクトに自動反映される仕組みを構築します。
 詳しい説明はリンク先を参照してください。

 編集した画像を自動的に拡大するプログラム
 http://newrpg.seesaa.net/article/478208986.html

素材サイト


 ツクール2000〜2003のRTPを改変したタイルセットなどを、MV〜MZで使える形式で配布しているサイトです。こちらを使えば、タイルセットの変換などの手間も不要になるのでオススメです!
 ※規約上、改変元のツクール作品が必要な場合がありますのでご注意ください。

 がらくた置き場2
 http://garakutamaker.blog.fc2.com

画像の縮小


「既に3倍にしてしまった素材」や上記のような「既に3倍になっている素材」を取り込みたい場合、画像を1/3に縮小する必要があります。
 その場合は以下のソフトで33.34%を指定すれば縮小できます。海外のソフトですが、日本語にも対応しています。

 XnResize
 https://www.gigafree.net/tool/resize/XnResize.html

 ……というか、うまく1/3に縮小できるソフトがかなり希少でこれぐらいしか見つかりませんでした。
 まず小数点%まで指定できるソフトでないと、計算誤差でドット絵が潰れてしまいます。また、画像に補間をかけたり、フルカラー形式に変換してしまうソフトも多く、その辺りの問題がないことも確認しています。

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posted by 砂川赳 at 19:03 | RPGツクールMZ&MV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする