何といっても、創作に専念するには、時間の確保が必須だからです。
毎日7時に起きて出社、帰宅するのは22時過ぎ――みたいな生活をしていては、時間を作るのは、困難でしょう。これは趣味が生きがいの社会人にとって死活問題でもあります。
酷くなれば、「生きるために働いている」のか「働くために生きている」のか、分からなくなってきます。こうなればまさに社畜の完成です。
そしてそこで「お金を稼ぐのが大変なのは当然だ」「人生なんてそんなものだ」と諦めるのは簡単です。
けれど、そこで終わっていては始まりません。真にやりたいことがあるのなら、工夫をして時間を作るところから勝負というわけです。
そんなわけで、僕も日々時間を確保するために戦っています。
具体的には週休三日で就職してみました。大の男がやることでないのは承知の上ですが、一度やってみたかったのです。
仕事内容はプログラマです。「週休三日となれば、安めのバイトしかないのかな?」と漠然と考えていましたが、派遣会社に駄目元で頼んでみたら、わりとあっさり見つけてきてくれました。
給与水準も特に問題なく、フルタイム時代と大差ありません。少なくとも、IT業界については柔軟な会社も多いようです。
「短時間労働でまともな給料を得られるのは欧米の話であって、日本では無理」
というのは、働く側の固定観念も大きいかもしれませんね。
ところで、「週休三日で生活できるのか?」と疑問に思われたかもしれませんが、わりと余裕です。
僕の場合、独身貴族の上に、PCとネットと僅かな費用があれば完結できる趣味がほとんど。浪費とは全くの無縁。普通にやっていれば、手取りの大半が貯金に回るレベルです。
さらには、その貯金を運用すれば、働かなくとも多少の収入を得ることもできるというわけです。不労所得バンザイ。
そうして、
・正社員
↓
・派遣社員(フルタイム)
↓
・派遣社員(週休三日) ←今ここ
↓
・早期リタイアしてニート ←最終目標
という感じで順調(?)にステップダウンしています。だんだん社会のレールから外れている気がしますが、これも自分で決めたこと。会社にずっと勤めねばならないなんて、強迫観念を捨てて楽になりました。今は適度に仕事を辞めて、失業保険でバカンスを取れるのが最高です。
というわけで念願の週休三日
――だったのですが、落とし穴がありました。
はい。実際に入った会社が少しばかりブラックな職場だったのです。
- 社内の雰囲気が暗く重苦しい。仕事中から昼休みまで一切の私語が皆無。
- 従業員のほとんどが小声。わずか2m離れた人の声が聞き取れない。もしかして、元気がない人を選んで採用しているのだろうかと疑うレベル。
- リーダーが恐ろしく無愛想・高圧的。この人も小声なので、何度も聞き返さないと会話が成り立たない。上2つは我慢できても、これだけは無理だった。
納得の時給がもらえて、週休三日。サービス残業はおろか、残業もほとんどありません。それだけ聞けば、どうみたってホワイトです。
しかしながら、そんな利点を全て吹き飛ばす程の居心地の悪さ。この会社、今まで勤めてきた職場とは次元が違う――と初日に直感できるレベルでした。
なんだかんだ言って、今までの職場はまともだったんだなあ――ということを嫌というほど思い知ったわけです。いくら時間があっても、精神力が削がれる職場では本末転倒。創作にはやはり精神的な余裕もないといけません。
もちろん、退職(契約終了)の旨をこちらから伝えました。今月末には脱出できる見込みです。
そんなわけで、僕の週休三日計画の船出はあえなく失敗しました。
とはいえ、これで諦めるつもりはありません。週休三日だろうが二日だろうが、ブラックな会社はブラックという当たり前のことを痛感しただけです。
幸い、週休三〜四日の案件は他にもあるそうなので、再度チャレンジしたいと思います。次はまともな会社であることを願いながら……。
今回はちょっと生々しいことを交えてみましたがどうでしょう? ある意味では時間の確保こそ創作における最大の壁なので、あえて身も蓋もなく書いてみました。
「社会人=懲役四十年」なんて酷い自虐もありますが、そうネガティブにならず、色々と考えてみれば抜け道はあるように思います。
というか創作とか関係なく、「生活より仕事を優先するような本末転倒な社会は、そろそろ終わったほうがいいんじゃね?」と、日本社会に対してわりと本気で憂えています。
まあ、現実にはやむを得ないことがあるのも重々承知。それでも、せめて自分だけでもあがいてみるつもりです。