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質量/物語
難易度ノーマルでプレイして、クリアまでたぶん80時間くらい。前作に負けず劣らずの長さ。
PS3と4の両方で同時発売。PS4でプレイしたけど、3でも大差ないはず。
高校生と怪盗――二つの仮面を持った主人公達が活躍する話。
ストーリー重視の作品で、序盤の5時間はオープニングイベントとチュートリアル。わずかに戦闘があるだけ。
それでいながら、ゲーム的にもどっしり重い。ペルソナ4と同じで、ダンジョンのクリアには1つ大体5時間ぐらいかかる。
ともかく、基本的にはストーリーとキャラクターを楽しむ作品なので、それが合わなければまず楽しめない。けれど、合えば神ゲー間違いなし。
ストーリーにミステリー的な要素が含まれているのは、前作と同じ。衝撃的なオープニングからどのように物語を導いていくのか、興味を惹かれる。
ブラック企業とか、社会問題をネタにしていて色々と笑える。某地方議員ネタまであったりと充実。時事ネタはすぐに古くなるのがあれですが……。
燃える終盤の展開。どこか半端な真エンディングがあったペルソナ4と比較すれば、終わり方もよいのではないだろうか。
欠点を挙げるとすれば、ダンジョンが長すぎたり、快適性に難があったりで、ストーリーテンポがよくないこと。若干、空気っぽい仲間キャラがいること。
それでも、気にならない程度には熱中できた。
ダンジョン探索の合間に、キャラクターと仲を深めていくコープ(前作のコミュに相当)も存在。おっさん連中が渋い。
今回も恋愛要素があるが、女性なら歳上含めほとんどの相手が恋愛対象に含まれている。担任の先生まで対象に含まれている事実に苦笑。
システム/バランス/快適性
基本的な作りは前作ペルソナ4とほぼ同じ。
戦闘面についての最も大きな変化は悪魔会話の復活。ペルソナ1〜2よりも単純だが、手間がかからないのは利点。
その他にも、銃の再登場、属性の増加などもあるが、全体として大きな変化・進歩はなし。
- 弱点を突いて総攻撃
- 全体攻撃で一掃
- ボス戦では補助魔法で強化しながら攻撃+全体回復
ペルソナ3時代からやることは代わり映えしない。今回は特に先手を取りやすいため、戦闘のパターン化が著しい。中盤以降、ザコ戦の多くが先制攻撃からの1ターンで瞬殺できるが、そのぶん単調に感じるところも。
もっとも、油断するとすぐにやられる緊張感あるバランスは健在。ペルソナ3、4と同じく主人公が戦闘不能になるとゲームオーバー。
今作では、狭い通路が多く敵シンボルの回避がやりづらい。回避できないことはないが、ノロノロと動く敵シンボルが通り過ぎるのを、ジッと待つ必要がある。うっかり敵に奇襲された時のリスクが大きいため、やはり戦いを避けるのは難しい。
このシリーズの例に漏れず序盤が難しい。ザコの魔法で全員が一気に瀕死となるなんてことも。
序盤については、敵の強さ、SPの不足によるダンジョンからの帰還……など、シビアなバランスできっちり調整されている。
中盤以降は技や装備が充実していって、難易度はやや低下。このシリーズは毎度ながら、全体回復魔法に頼り切りの戦闘になっていく印象がある。
前作ではコミュレベルを上げても、利点が乏しいことも多かった。そこは今作のコープで改善。政治家と仲良くなると、悪魔交渉がうまくなったりと、キャラクターの特徴を活かした技能が充実している。
気になったところでは、役に立たないアイテムや要素が大量にあること。例えば、アクセサリ類では比較的序盤から手に入るSP自動回復が圧倒的に有利。それ以外のものはほとんど使わなかった。
アクセサリは二つまで装備できるとか、何かしら工夫があってもよかったのではないかと。
ダンジョンが長いわりに成長要素・強化要素が乏しいので、どうしてもそこは退屈感がある。
今回は難易度調整ができるようになった。
このシリーズ、初代の時点からライトユーザに受けがよさそうなキャラゲーだが、ゲーム的にはヘビーユーザ向けだった。そういうミスマッチの解消のためにも、難易度調整はありがたいはず。
ダンジョン(パレス)は過去シリーズと比較すると、かなり作り込まれている。前作ではランダム生成型のダンジョンになっていたが、今作は凝ったギミックのある固定ダンジョンに。
その代わり、後半のダンジョンは何かと面倒に感じる部分も。
似たような謎解きを工夫なく連続で使うのも×。なんせ、1ダンジョンに5時間とか当たり前のようにかかるので……。
ランダム生成ダンジョンとして、今回は『メメントス』が存在する。しかしながら、わりと退屈な作り。メインストーリー用のダンジョンがあるので、こっちはもう少し短くしてもと思う。
快適性
快適性が向上した部分としては、以下の通り。
- コープの位置が地図上から一目瞭然になった。
- ムービーのスキップやイベントの早送り機能が搭載された。
演出に力を入れている分、快適性を損なっている部分も。大半は前作通りで、悪化した部分も。
- 画面切替の時間(特にベルベットルーム)
- 日数経過の演出時間
- 戦闘終了画面の表示に約10秒
- 総攻撃の演出時間
- くどいパラメータアップ演出
- それ以外にも全体的に色んなところでウェイトが
- リセットしたい状況でも、ソフトリセットなし。データロードできるタイミングまで待つ必要あり。
- 飛ばせないロゴがたくさんあって、ゲームの起動に一分近くかかる。
スキップできてもよいと思うものが多々あり。まさかPS4にそこまでのロード時間は必要ないはず。この辺の快適性は一昔前の水準に留まっている。
この辺を改善したら、プレイ時間をあと5〜10時間は減らせると思う。
美術
グラフィックはPS2に毛が生えたぐらいの水準。それでも、独特のセンスが至るところに発揮されている。戦闘終了画面の表示なんて、本当にオシャレ。……10秒もかかって、鬱陶しいけど。
ダンジョン探索時および戦闘時は、怪盗姿に変身して行う。ただし、個人的には怪盗姿がちょっと微妙なキャラも……。
今回から敵シャドウがペルソナ(悪魔)と同一になった。3〜4のようなキモい敵でなくなったのは、旧来のシリーズファンには嬉しいところ。
ボス戦もそれぞれ個性を発揮していて見栄えがいい。
音楽
相変わらず独特のセンスを発揮。
前作、前前作と比較したら通常戦闘の音楽が印象に残らなかったかも。でも、ボス戦曲はそれなりにお気に入り。
予告状出した後の決戦曲も怪盗団のテーマという感じでよい。
気になったのはメメントスの音楽が地味&陰鬱すぎること。ダンジョンの退屈さも相まって、これは気が滅入った。3のタルタロスも似たような感じだったけれど。
まとめ
プレイしてみての感覚はペルソナ4とほとんど変わらない。良いところも悪いところも大体そのまま。4が好きだった人にはオススメして問題なし。逆もまたしかりで、4が合わなかった人にはまず確実に刺さらない。
丁寧に作り込まれたゲームであることは間違いない。けれど、ゲームシステムとしての進化は小さい。それこそ10年前の水準といってもよいかも。
それでも、安心して遊べるゲームであることがありがたい。