【王道長編RPG】厨臭くってもいいじゃない

2014年12月20日

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 こんな感じで船を手に入れた後は「行き先がいっぱいあるけど、どこに行こう?」というようにしたいですね。こうやって古き良き時代のRPGを目指しています。
 イベントは攻略順序によって、敵の強さに多少の変動が出るようになっています。その種の小細工はいらないかなと思っていたのですが、やってみたら後回しにしたイベントが楽すぎました。戦闘重視のRPGにしては物足りんなと思ったので、微調整してます。

 船を手に入れるまでは一本道気味なのが、ちと難点です。船入手までにも、DQ3のロマリア到達後みたいな自由度があっても、よかったかなとも思うのですが、そこは次回作以降の課題としておきます。
 DQ3はその辺、ひょうたん型の進行順序といいますか、「行動範囲が広がる→収束する」を繰り返すことで自由度を持たせながらも、バランスを崩さないようになっています。今更ながらよくできていますよね。

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 ボス戦前のイベントスキップ機能を入れてみました。イベントが始まるタイミングでシフトキーを押しっぱなしにすると、スキップを選択できます。イベントが始まるタイミングを知っていないと、使いづらいですが初回イベントをスキップされても意味不明になるので、ちょうどよいかなと。
 セリフは簡潔に書いたつもりなのですが、それでも長いイベントは長いです。中盤以降のボス戦はわりと殺しに来るので、何度も見せられるとやっぱりイライラしますよね。……というわけで実装しました。ほとんどのボス戦イベントでテストしたのでちょっと大変でしたが、なんとか一日で実装完了です。


 二周目のテストプレイが終わって三周目開始です。
 三周する理由は全キャラの使用感触を確かめたいということが大きいです。無理矢理二周で全員確認することもできなくはないですが、できれば標準的なパーティ構成でプレイしたいこともあって三周しています。いつもならこれで完成にしてたかもしれませんが、まだ我慢です。

 なんだか周回するごとに序盤の難易度を下げているような気がします。別にヌルゲーにしたいわけではないのですが、取る選択肢の少ない序盤を難しくしてもプレイスキルを問えませんから。徐々に難易度が上がるようにしています。

 テストプレイしていて何がキツいかというと、自分が書いたストーリーやセリフ回しです。真面目なセリフを書くと「厨二病臭くないかな?」、くだけたセリフを書くと「幼稚じゃないかな?」……ってな具合で何かと気恥ずかしくて仕方がありません。
 たぶんこれも、作品を完成させるには誰もが乗り越えねばならない壁の一つでしょう。僕も、今までの完成作ではストーリーを軽視することでごまかしていたのですが、今回ようやく向き合うことになった次第です。
 ストーリーは苦手ですし、時間もやたらとかかりました。はためには全く見えないでしょうが、システム制作なんかよりストーリーのほうが、全然苦労してます。それでも、自分で世界を作り、キャラクターを作り、ストーリーを作った、という喜びは他の何にも代えがたいものです。

 そういえば、昔2chにあったツクールスレでも、やたらと「あの作品は厨臭くて恥ずかしい」とか何とか、話題に上がった作品に対して批判する人が多かったのを思い出しました。今思えばあれは、それだけ自分の作品がどう見られるか、不安に思う人が多いという裏返しなのでしょうね。

 ただ思うのですが、そんな風に「あれは駄目」「これも駄目」と、人の作品を厳しく見るのは制作者としては、あまりやらないほうがいいんじゃないかなあと考えています。
 というのも、他者の作品を普段から厳しく見ている人は、自分の作品もどう見られるか気になってくるはず。創作のような自分をさらけ出す行為には、僕以上に抵抗を持ってしまうんじゃないでしょうか? 案外、そういうところからエターナルの悲劇は起こるのかなあと。
 なので「厨臭いのは真面目に作ってるからさ」「幼稚かもしれないけど楽しそうでいいじゃない」と人の作品には寛容でいたほうが、よいのかなと思っています。実際そういった特徴を欠点ではなく、個性として受け入れてくれる人もいますから。

 幸い、自分は他人の作品をやる際「あれもいいな」「これもいいな」と比較的楽しめるほうです。クソゲー扱いされていた作品を実際にやってみると「意外と悪くないな」となることがあります。
 粗探しは得意なのですが、別に腹を立てるわけではないです。つまんない作品にも、どこかいい部分があることも多いし、つまんないことが何かの参考になることもあります。もっとも、無闇に時間がかかる作品は勘弁なのですけどね。時間は大切なので、それは譲れません。
 そのため、自分の作品に対しても良いように考えてくれるんじゃないかなと、楽観できる部分もあります。臆病な性格のわりに投げ出さずにすんでいるのは、そういった性質で緩和できているお陰なのかなと。

 『自分や他人への厳しさ』が向上に繋がるって思想は根強いですが、そればかりではないと思います。長く努力を続けるためには『自分や他人への寛容さ』も重要なんじゃないかなあと。意外とこういう考え方って、盲点になってないでしょうか?

 時事ネタですが、ちょうど選挙がいい例えになりそうです。「あれは駄目」「これも駄目」と厳しく考えてばかりだと、結局どこにも投票できませんよね。投票したいなら、どこか少しでもマシなところを見出して判断するしかありません。
 考えてみれば、創作というのは判断の連続です。同じように「あれは駄目」「これも駄目」と選択肢を潰していては先に進めなくなります。かくいう僕もストーリー制作において「あれは駄目」「これも駄目」と悩みまくってました。投げ出しはしませんでしたが、えらい時間を喰った気がします。
 選挙だと選択を放棄しても他のみんなが決定してくれますが、創作はそうはいきません。判断を放棄したら、それはエターなったと同義です。

 視点を変えると、決断とは「これでいいや」と受け入れることだとも言えます。寛容さというのは意外と決断力に直結するわけです。
 そんなわけで人の作品をやる時は、良いところを探して褒めることを提唱します。欠点を指摘する時も穏やかに。ゆとり精神で行きましょう。そうなれば、みんなエターならない夢とヌクモリティにあふれる世界ができあがるような気がしないでもないです。


 というわけで、これで今年最後の更新です。たぶん……。
 年間作業1500時間ぐらいでしょうか。年間労働時間の3/4に匹敵するぐらいの時間はかけました。労働といえば、我ながら今年はホントに残業しなかったですね。
 仕事がほとんどストレスになっていないというだけで、まことに素晴らしい一年でした。心と体と時間に余裕があってこそ、制作は捗るのだということを実感します。実際に平日が忙しい時は、土日もグッタリすることが多かったですから。一番酷い時なんて平日は忙殺、土日も偏頭痛に悩まされる有り様でした。

 なお、1500時間といいましたが、実際はもっと短時間で集中しても同等以上のパフォーマンスを出せた気もしています。正直かなりダラダラやってた部分があるので、そこは真似しないほうがよいです。来年への反省点でもあります。

 例によって、年末年始は休みがたくさんあるので、一気に追い込みたいですね。
posted by 砂川赳 at 06:00 | 開発記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする