補助技の問題点まとめ
以下のような問題点が挙げられる。
有用性が分かり辛い。ザコ戦で無用
攻撃技・回復技と比較すると、直接的な効果がないため有用性が分かり辛い。特に効果が小さい場合や、重ねがけが前提で一度の効果が小さい場合は顕著。また、ザコ戦だと、補助を使うよりも、攻撃で敵をさっさと倒した方が効率良い場合が多い。最悪、プレイヤーに使って貰えず存在価値がない場合も。
難易度の変動
効果が強すぎると、補助技を習得したタイミングで一気に難易度が変動する。
メリハリが付くという利点もあるが、補助技の有用性というのは、上級者ほど気付きやすい。それに気付かない初心者との間に難易度格差が発生する。
例えば、筆者は前回記述したFF4においてブリンクの有用性に気付かずベヒーモスと戦った結果、「物理でも魔法でも反撃してきてイライラする。何て理不尽なゲームだ」と長年思っていた。
定例作業
使えば明らかに有利という程に強力な場合、補助技の使用が単なる定例作業と化す。
例えば、DQにおけるバイキルトやFF(特にCTBの10)におけるヘイストがそれ。ボス戦において、相手が打ち消す技を持たない場合は、何も考えずに戦闘開始と同時にかけておけばいい。重ねがけが可能な場合は、さらに作業量が増大する。
戦闘終盤が盛り上がらない
効果が強すぎると、ボス戦であっても「パーティの強化が終われば後は楽勝」となりやすい。戦闘の序盤は緊張感があっても、終盤になると気が抜けるという展開になりかねない。
当然、ピンチからの大逆転というようなドラマは生まれにくい。
イタチごっこ
かといって、凍てつく波動のように、打消し技を用意すると、補助技とのしつこいイタチごっこになる。テンポが悪化したり、効果の薄い補助技が使われなくなる。同様に、時間経過で補助が切れるようにした場合も、類似の問題点がある。
間接的な価値の低下
特定種類の攻撃を強化する補助技は、それ以外の攻撃技の価値を間接的に引き下げる。例えば、DQの場合、物理攻撃を強化するバイキルトの存在によって、強化手段の無い魔法攻撃の価値が低くなってしまう傾向がある。
意図しない補助役化
補助技の使用にターンを取られて、そのキャラクターの攻撃技を使う機会が減る。補助専門キャラなら良いが、そうでない場合はキャラの魅力を削ぐ事になる。例えば、DQシリーズの魔法使いは、時にバイキルトに追われて魔法攻撃をするヒマが無いことがある。
問題点に対する対策
様々な問題点に対して、対応策を考えてみた。
補助技の種類を厳選する
有効な補助技が多数存在する場合、「戦闘開始時に長々と補助技でパーティを強化する」ような定例作業に陥りやすい。そのため、作成する補助技の種類を厳選することが有効。
特に攻撃力アップ、CTBにおける素早さアップなど、常に便利すぎる補助技は意義をよく考えよう。
別種の補助技における重複禁止
物理半減と魔法半減など、別種の補助技の効果を重複できないようにして、同時に使用できる補助技を限定する。狙いは補助技の厳選と同じ。
重ねがけは禁止する
重ねがけが有効なタイプの補助技は「ザコ戦では一度の効果が低く使いづらい」「ボス戦では強化が終われば楽勝」というように両極端になりやすい。また、ボス戦のバランスを重ねがけ前提で調整すると、長引いてテンポ悪化の原因にもなる。
基本的には重ねがけは禁止して、一度の効果を高くした方が万人受けかと思う。
デメリットを付ける
補助技にデメリットを付けることにより、使用するタイミングを考えさせる。
例えば「攻撃魔法を反射するが、回復魔法まで反射してしまう」「攻撃魔法を半減するが、回復魔法まで半減してしまう」「物理攻撃を回避するが、魔法攻撃に弱くなってしまう」「攻撃力が上昇するが、守備力が下がる」など。
ただし、上級プレイヤー向けの感は否めないかも。
打ち消し技は控えめに。有効時間は長めに
ボス戦にて、凍てつく波動を始めとした補助打ち消し技の使用頻度は控えめにしておく。これにより、過度なイタチごっこを防止する。
例えば、5ターンに一回など。
また、使うボスと、使わないボスを用意することでメリハリを付ける。同様に効果が持続する時間も「永続あるいはやや長め」に設定しておく。
補助技の習得者を考える
例えば、DQ9の魔法使いはバイキルト、マホカンタ、ピオリムといった補助技に加えて、守備を下げる異常技のルカニを覚える。
味方の物理攻撃役を支援するという意味では、バイキルトとルカニの相性は非常に良いのだが、そうなると、魔法使いが物理攻撃役の支援役になりがち。さらに、マホカンタやピオリムにまでターンを費やすと、攻撃魔法役としての華は薄くなってしまう。
こうならないようにするには、補助技を習得するキャラを分散することが有効だ。
DQ9の例で続けると、僧侶、旅芸人、盗賊などに分散させればよい。あるいは、詩人の様に、最初から補助に特化したイメージ通りのキャラを作ってしまうことで、魔法使いに華を戻そう。
対象者を自分に限定する
対象者を自分に限定する。
何度も使う意味がなくなるので、定例作業には陥りにくい。
例えば、自分の攻撃力を数ターン強化する技を作る。強化されている間に防御や回復などの行動を取ると、損をするという調整にしておき、使用するタイミングをプレイヤーに考えさせる。
使用条件を制限する
補助技の使用条件に制限をかけて、定例作業化を防ぐ。
例えば、FF6の召喚は「1戦闘に1度しか使えない」という制限がある。
また、FF7のリミット技(ダメージの蓄積が発動条件)のようにMP消費以外の使用条件を設けるのも良い。
他にも一度使用すると、一定ターン使用できないといった設定も有効だ。
ロマサガ2・3のクイックタイムのように、単純にMP消費を大きくする方法もあるが、やはり、クイックタイムの様に劇的な効果が無いと使われづらいかも。
ザコ戦の密度を高める
ザコ戦で補助技を活用させたい場合、エンカウント率を下げる代わりに、敵の強さと経験値を高めに設定すればよい。
これにより一戦毎に試行錯誤する必要性が出る。
また、DQ3の中盤のように自由度が高い作品なら、自分より格上のザコ敵と戦う機会が多くなるので、補助技の活用機会も増えるはず。
ボス戦は短期決戦を意識する
ボス戦が長期戦にならないようにすることで、長々と補助で強化するよりも、必要な補助だけに絞って、攻めた方が早いという状況を作る。
相手によって、必要となる補助技が異なるように、うまくバランスを取りたい。
ポケモンやFF、サガなどはボス戦でも短期決戦が多いのでこれが成り立つことが多い。
補助技の重要性を説明する
初心者にも、補助技の有効性を理解して欲しいならば、作中で説明を入れる事も検討しよう。チュートリアル的に教えるのも、住民に語らせるのも、方法は自由。
「南の洞窟には、攻撃力の高い魔物が多い。XXXXの魔法で、防御力を上げるといいぞ」というように、具体的な魔法名を挙げると、嫌でもそちらに意識が向く。
まとめ
補助技については、その扱いの難しさを日頃から感じていたが、まとめてみると驚く程、既存RPGにおける補助技の問題点が浮かび上がってきた。
しかし、それでもなお、補助技の存在は重要で欠かせないと言える。補助技を無くして、攻撃と回復だけの戦闘にしてしまっては、余りにも戦術性に乏しいからだ。むしろ、これらの問題点は高度な戦略性を求めた結果の弊害だとも言える。
これ以外にも「具体的にどのような補助技が存在するのか」「どのような補助技を作ればよいのか」もまとめてみたい。それについては次回記述する。
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