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女神転生の外伝的シリーズとして、SFC後期に発売された。1、2はゲームボーイの作品。
質量/物語
あらすじ
かつて、世界では30年にも渡る戦争が繰り広げられていた。その中で、シャドー・ウォーカーと呼ばれる部隊に所属していたアレク、グレンらは、大きな活躍を果たした。
そして、戦争が集結し15年――世界は平和になったように見えた。
がしかし、ラガの村で暮らしていたグレンの元に、戦友アレクが死んだとの訃報が入る。
色々あって、グレンの息子シエル、ルディらは大きな戦いに巻き込まれていく。
感想
本家メガテンシリーズと比較すると、ファンタジーよりの世界観。
一見すると、ほのぼのしていて子供向けな雰囲気があるが、メガテン譲りのダークさも併せ持つ。上述したあらすじの通り、この時代のファンタジーRPGとしては異質な設定で、アンバランスながらも、それが魅力的でもある。
後半のストーリー展開は、序盤の平穏な雰囲気からは想像もつかないような流れに。SFCのRPGでも、かなり大きな展開をする部類かと思う。
登場人物も個性的。
結構重い世界観なのに、会話のテンションが高いのが何だか独特なノリを作っている。敵側の人物も「不死身の科学者」「都市国家の元老院議員」など凝った設定がついている。
どうでもいいけど、ヒロインの名前が『モチョワ』というネーミングセンスは斬新。由来とかあるのだろうか……?
設定上、ヒロインは主人公と両想いらしいが、主人公が無口なので、その一途さが軽くヤンデレっぽく見えてくるのは気のせいか。ある意味、面白いけど。
システム/バランス/快適性
メガテンシリーズよりもライト寄りのシステム設計。
おなじみの3Dダンジョンではなく、普通の2D形式のRPGなので、ダンジョンで迷うことはさほどない。
悪魔合体によって、仲魔を作ることができるのだが、合体後に継承する魔法を自由に2つまで決められるのは便利。
(というか、後のメガテンシリーズ作品にあるランダム継承はどうかと思う。)
戦闘メンバーは6人まで。主人公のシエルとその弟ルディが多くの場面で固定。その他のキャラは展開に応じて頻繁に入れ替わる。
最終的には、その2人に加えて、複数いる人間キャラの中から仲間を1人選び、残りの3人は仲魔(悪魔の仲間)を呼ぶことになる。
個性的なキャラが多いので、できればもっと人間キャラを使いたかった。
問題点
- エンカウント率が高い。しかも、逃げにくい。
- 人間キャラの攻撃力が低くて、物理攻撃は使いものにならない。仲魔を憑依させる事で高い攻撃力を得る『ビーストソウル』という武器で主人公だけは何とかなる。しかし、他の仲間は……。
- 最大HPは4桁に達するのに、最大MPが255で打ち止め。
- にも関わらず、消費に見合わない弱い魔法の数々。
- 無意味に装備アイテムが多い。
などなど、気になる部分多数。
特にエンカウント率の高さは半端ない。
そして、難易度はメガテンシリーズのわりに低めなので、オート戦闘に頼る頻度が多くなる。こうなると、雑魚戦が作業でしかなくなり苦痛となってしまう。
システムを簡単にして、難易度を下げて、ライトユーザ向けを意識しているように見える。しかし、それでもエンカウント率が高いのは辛い。
ただ、戦闘はエストマの魔法や、悪魔との会話で避けることができる。一度、仲魔にした悪魔に話しかけると即戦闘終了できる仕様は便利だ。
なお、敵は弱めなのだが、ラスボスだけは非常に強い。
対策を立てれば、十分勝てる強さだが、今までのヌルさは何だったのかという程に落差がある。
美術
SFC後期の作品としては、やや劣る部類だが悪くはない。
特に戦闘エフェクトが派手(時々、長いものがあるが……)。
フロントビューだが、同時代のドラクエと異なり、敵側の魔法エフェクトもしっかり用意されている。
マップチップも綺麗なのだが、歩行キャラクターがちょっと微妙かも。
具体的には色使いがケバくて、頭身などのバランスが悪い。特に、肝心のメイン2人(シエル、ルディ)の出来が今1つなように思う。
また、レナやメルウといった何度も登場するキャラまで、一般人グラフィックの流用なのはさすがにどうかと。せめて、色ぐらいは変えてくれと……。
音楽
フィールド曲はどれもクオリティが高く、ストーリー進行によって変化する。
特に魔界のフィールド曲は美しい。戦闘曲も進行に応じて変化する。
まとめ
子供向けの皮を被ってはいるが、中々に濃いRPG。
内容はあるだけに、きちんと調整してリメイクすれば、非常に面白くなりそうな気はする。