【RPG制作講座】序盤A 旅立ち

2013年03月09日

 オープニングによって物語が始まり、舞台の基本説明を終えたならば、いよいよ主人公が旅立つことになる。既に物語の開始時点で旅立っている作品もたまにあるが、ほとんどの作品では旅立つまでの流れを作ることになる。

 旅立たせる方法は大きく分けて2種類。

  1. 動機を与えて、自ら旅立たせる。
  2. 住む場所を追われるなどして、旅立たざるを得なくする。

 最初から主人公が明確に大きな目的を持っているならば、難しく考える必要はない。
 そうでない場合(特に2.)は、当面の旅立つきっかけを与えて、大きな目標を得るまでの繋ぎを行う必要がある。
 2.の場合も結局は1.に繋がるパターンが大半である。

 それでは主な旅立ちのパターンを挙げて行きたい。
 以下のパターンを1つないし、複数経由して旅が始まることが多い。

旅立ちのパターン


指示

 旅立つきっかけとなる指示を得る。
 王様・神様あるいは母ちゃんのような偉い人から指示を受けるという形状が最もシンプル。
 『指示』という言葉を使っているが、『頼み』なども構造はほぼ同じ。

ドラゴンクエスト1〜3

 「勇者よ。魔王を倒すのじゃ!」というように、いきなり最終目的に直結するような指示を受けるパターン。DQ3の場合は一応、父に関わる因縁が語られる。

ドラゴンクエスト5

 序盤は大きな目的もなく、父に付属する形で物語が進む。少年期の最後、父の死亡によって、ようやく目的を得る。
「お前の母さんは生きている。わしに代わって母さんを。ぬわーーっっ!!」
 という遺言によって、奴隷時代を経て母を探すことになる。このように劇的な場面で指示を与えると印象深い。

ファイナルファンタジー8

 「炎の洞窟で試験を受けろ」というような簡単なお使いイベントから開始。
 以降も、徐々に大きな課題を与えられていく中で「魔女を倒す」という大目的を得ることになる。
 こうやって、小さなイベントから徐々に話を広げていくのも定番。

決意

 主人公自身が旅立ちを決意する。「俺は勇者になって魔王を倒す!」ってな具合。
 どちらかと言うと喋る主人公向きだが、無口主人公でも他者や仲間のセリフを借りる形で可能。
 例えば、「お前、勇者を目指すんだって?」あるいは「俺達で世界を救うぞ!」と、主人公の目的を断定してしまうやり方がある。

 他のパターンを経由して、最終的に決意に至るというパターンが多い。自発的に旅をしているという時点で、大なり小なり決意しているのは当たり前だけど……。

ファイナルファンタジー4

 主人公セシルはオープニングの出来事で国王のやり方に疑問を持つ。そして、親友カインと共に最後の任務を終えて、国を出ることを決意する。
 所属組織からの離反というのも、旅立ちのきっかけとしては中々面白いと思う。

最初から目的を持っている

 物語が開始した時点で主人公は既に明確な目的を持って旅をしている。プレイヤーには後を追ってその説明を行う。

ドラゴンクエスト8

 主人公は王国の兵士。王と姫の呪いを解く事が旅の目的であり、物語開始時点で既に旅の途中である。
 呪いをかけられた経緯は序盤、回想の形で示される。

出会い

 出会った誰かが旅の動機をもたらす。
 偶然、助けた人物が逃亡中のお姫様で、それに協力する形になるだとか。
 ボーイミーツガールの定番。

ファイナルファンタジー5

 オープニングで出会った仲間の目的(クリスタルを守る)に主人公が乗っかる。
 その後、実は主人公自身もその目的に因縁があることが明かされる。

 FF6、7、9、10、12も他者に乗っかるのは同じである。

どこかに飛ばされて

 どこかに何らかの要因で飛ばされる。
 元の場所に戻るために奮闘する内に、世界の情勢を知り、何らかの目的を見つけるといった展開が多い。
 船や飛行機の事故でどこかにたどり着くというのが多い。
 タイムトラベルものや異世界ファンタジーは、大抵これが起点となる。

クロノトリガー

 祭りの催しにあった装置がヒロインの持つペンダントと反応して、タイムワープを引き起こす。
 後を追った主人公は中世の時代にたどり着く。
 やがて、未来に待ち受ける世界崩壊を知った主人公達はそれを阻止する決心を固める。

テイルズオブジアビス

 主人公が暮らす屋敷に単身乗り込んでくるヒロイン。
 ……が、主人公とヒロインの力が共鳴(超振動)してワープ。主人公は屋敷に戻る過程で、様々な人物と出会う。箱入り息子であった主人公も世界の情勢を知っていくという流れ。

 でもこれ、結構強引な導入な気がしないでもない。都合の良い超振動といい、ここだけやたら無鉄砲なヒロインといい……。

危機

 主人公や家族、仲間、住む町が危機に見舞われるパターン。
 例えば、主人公の住む国が敵軍に襲われて……というのは定番。

 そこからの繋げ方としては……

  • 主人公は国を脱出。
  • 主人公は敵に捕らわれる。
  • 主人公が覚醒して危機を脱出するが、その力を周囲から白眼視される。
  • 主人公の家族や友人が命を落としたり、さらわれたり。

 という具合によりどりみどり。

 ごく普通の日常から急激な破綻を迎えるというパターンも多用される。
 特に平穏な日常と危機のギャップが大きいほど、インパクトが強くなる。
 そこから、失ったものを取り戻すため、あるいは復讐のために戦うというように、強い動機づけになる。

ドラゴンクエスト4(5章)

 平穏な日常が急激な破綻を迎えるパターンの代表。日常部分はかなり短め。
 住んでいた村が魔族に滅ぼされ、1人生き残った主人公は旅に出ざるを得なくなる。

追放

 住んでいた町や所属していた組織から追い出されて、やはり旅に出ざるを得なくなる。
 そこからいくつかのイベントを経て、旅の目的を得るというパターンが多い。

聖剣伝説2

 主人公が聖剣を抜いたことがきっかけとなって、辺りに魔物が現れる。周りに白眼視された主人公は村を追い出される。

脱出

 開始時点で既に牢獄など、囚われた状況にある場合。そこからの脱出や逃亡が最初のイベントとなり得る。
 脱出してから何を目的とするかは追って決めても良い。
 意外と例がないのだが、導入部としては見せ場もできるし悪くないと思う。

聖剣伝説1

 奴隷剣闘士として戦いの日々を送っていた主人公は、仲間の死をきっかけに闘技場からの脱出を決意。
 モンスターの出入口から脱出に成功する。その後は滝から落ちる→ヒロインと出会う→ヒロインさらわれる……というような展開。

旅立たない

 別に旅立たなくても良いじゃないかという発想。特定の場所を拠点に発生する事件を解決していく方法が主流となる。
 受け身のストーリー進行になりやすいが、そういう作品があっても悪くはないだろう。

 序盤に限り拠点を中心に行動するが、途中から外へ旅立つアークザラッド2のようなスタイルもある。

ペルソナ4

 自宅や学校など、町を中心に物語が進行する。
 ペルソナの力を手に入れた主人公達は、次々と発生する事件を解決するために尽力していく。

英雄伝説 零の奇跡

 警察の捜査官として、町に発生する事件を解決していく中で巨大な陰謀に気づいていく、という筋書き。

まとめ


 旅立つきっかけの作り方を思いつく限りで挙げてみた。前回と今回の記事を合わせて、序盤の展開に悩んでいるという方の参考になれば幸い。

 なお、『序盤』と書いたが、別に物語中盤に使用しても問題ない展開も多い。
 あくまで大雑把なパターン分けなので、細部では様々な手法がある。色々と工夫をしてみて欲しい。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする