その中でも、前回扱った『行動順序システム』は構成要素の中で大きなウェイトを占める。これらは戦闘において、どのように味方や敵へ順序が回ってくるかをルール付ける『時間』のシステムとみなすことができる。
さて、時間とくれば次は『空間』といきたいところ。
昔のRPGでは戦闘システムにおける空間の要素は薄く、精々仲間の並び順といった程度のものだった。しかし、SFCの中後期ぐらいからか、RPGにもSRPGやARPGのような空間を動きまわる要素を取り入れる作品が徐々に増えてきた。
今となっては、空間は戦闘システムにおける重要要素となっている。
というわけで、仲間の配置や移動に関するシステムである『空間システム』に付いて市販RPGのものを分類してまとめた。固定された隊列で戦う初歩的なものから、空間を自由自在に移動するものまで多種様々。さらには、天候など、戦闘空間自体に変化を起こす要素も一緒に扱ってみた。
隊列型
戦闘前に並び順、前列後列などの隊列を指定し、そのまま固定した隊列で戦闘を行う。隊列は戦闘に多少の影響を与えるが、システムと大々的に銘打つ程の大きなものでは無いかもしれない。
ドラゴンクエスト2〜9
大体4人までの仲間の順番を指定する。前のキャラほど狙われやすく、後ろのキャラほど狙われにくい。ちなみに狙われる確率は先頭から順に「40%,30%,20%,10%」だそうな。呪文の範囲に『グループ』という分類があるのは何気に特徴的だ。
馬車の要素についても後述。
ファイナルファンタジー1〜9
前列、後列の切り替えが可能。後列に下げたキャラは近接攻撃のダメージを半減する代わりに、自分の近接攻撃のダメージも敵に半減される。弓や銃などの遠距離武器ならば、その影響を受けずに攻撃できる。ちなみにFF2のみ、後列では近接攻撃で一切、狙われないという尖った仕様になっている。
ロマンシングサガ1
キャラ毎に、前列・中列・後列の指定が可能。同じ列には3人(仲間6人制)までしか配置できない。武器や技毎に射程があり、中列・後列では射程が届くものでしか攻撃できない。戦闘中の前進・後退によって位置を移動できるのも特徴。
隊列配置型
平面上の空間(大抵は四角)に対して、仲間の配置位置を指定する。縦列・横列など技の攻撃範囲によって、ダメージを受ける人数が変わるといった要素が加わる。微妙に例が少ない。
ペルソナ1
ロマサガ1と違うのは、前後左右にキャラを並べる事ができる事。武器の射程が重要となるのは同じ。中途半端だったのか、次回作以降では、単なる↑の隊列型になった。
陣形型
あらかじめ決められたいくつかの陣形を元にキャラクターの配置を決める。技の攻撃範囲の要素は↑と同じ。
ロマンシングサガ2〜3
陣形毎に様々な恩恵を受ける事ができる。能力に変化をもたらすものや、毎ターンHPが回復するものまで様々。
ここまで劇的な影響はないけれど、ブレスオブファイア2にも似たようなものがある。
固定マップ移動型
定められた範囲のマップ上を動きながら戦うというSRPG的な要素を盛り込んだシステム。範囲をどうするかによって、戦闘システムは大きく変化する。その範囲は単なる四角とは限らない。特に下のワイルドアームズ4〜5などは特徴的だ。
下の『可変マップ移動型』もそうだが、『移動力』など、移動に関わる要素が非常に重要となる。これにより『攻撃力』『耐久力』『素早さ』に加えて、新しいキャラ性能の軸を作ることができるのは大きな魅力だ。
反面、移動による面倒臭さをどうするのかというのも大きな課題。
SRPGならともかく、何度も繰り返すRPGの戦闘において、最初の1ターンは移動に費やされて、誰も攻撃できないなんてのは辛い。また、できれば移動と攻撃を少ないボタン操作で実行できることが望ましい。
軌跡シリーズ
戦闘マップ上を移動しながら戦う。技毎に射程や範囲が異なる。通常攻撃や技の一部に限り、移動と攻撃を同時に行うことができる。このタイプの戦闘システムとしては比較的オーソドックス。
シリーズが進むにつれて、技の射程や範囲や拡大した結果、移動の要素が形骸化している気がしないでもない。
ライブアライブ
7×7のマス目形式。移動にはわずかにターンを消耗する。背後から攻撃されると大きくダメージを受けるといった要素も。
ワイルドアームズ4〜5
○○
○○○
○○
↑こういう感じで配置された7つのマス上を移動しながら戦う。
敵味方ともに初期配置はランダム。基本的に1ターンに1マスしか移動できない。味方同士、敵同士ならば、複数人で同じマスに留まることも可能。ただし、攻撃はマスに対して行うため、同じマスにいるキャラは同時にダメージを受ける。
個人的には移動と行動を同時にできるようにしたWA5は、システムの味をかなり殺してしまっているように思う。移動と行動を同時にできないWA4の方が戦術性は高かったのではないかと。
テイルズオブシリーズ
マップ上をリアルタイムで自由自在に動き回るアクション戦闘。マップは初代ファンタジアの横スクロールから、ジアビス以降の円形3D空間まで様々。
可変マップ移動型
↑と異なり戦闘毎にマップの形状が異なるのが特徴。
多くのSRPGやARPgがこれ。地形の要素が非常に大きく関わってくる。
ファイアーエムブレム
森や山といった地形は移動力を大きく消費するが、その上にいるキャラクターの回避や守備が上昇する。
城の上にいると、HPが毎ターン回復するといった要素も。移動力だけでなく移動タイプが非常に重要となるのも特徴。
例えば、空を飛べるキャラクターはどの地形も移動力を消費せずに、遠くまで移動できる。他多くのSRPGも類似の要素を備えている。
タクティクスオウガ
↑の要素に加えて、高低差を加えたもの。
高い所から弓を放つと遠くの敵に攻撃することができる、
アークザラッド2
大体はファイアーエムブレム等と同じだが、SRPG以外の一般RPGで採用している例。
町やダンジョンといったマップがそのまま戦闘フィールドとなる。
何気に少ないボタン操作で攻撃ができるという点で操作性が優れている。
他にも、ブレスオブファイア5などもこれに近いか。
ファイナルファンタジー12
移動と戦闘のはっきりした切替がなく、移動マップ上で抜刀しそのまま戦闘を行う。
あまり地形の要素は戦闘に関わってこないが、空間上で一度に多くの敵を相手にしないなどの戦略が求められる。
アクションRPGなどもこれに同じ。
以下は、空間システムに付属するオプション要素
入替システム
戦闘中に仲間の入替えが可能な要素。
戦闘に参加しないキャラは毎ターン回復するとか、支援効果を発揮するとか、味付けすることも可能。
ドラゴンクエスト4〜6
馬車を引き連れている状態に限るが、毎ターン、パーティを自由に入替可能。
何気にターンを消費せずに入替できるので強力なのだが、筆者は面倒臭くて一部のボス戦程度でしか、活用してなかったりする。
ファイナルファンタジー10
現在ターンが回っているキャラを控えキャラと交換することが可能。こちらもターンを消費しない。
同じようなものに、ブレスオブファイア4があるが、こちらは控えのキャラは徐々にMPが回復していくという特徴がある。
ポケットモンスター
1VS1の戦闘に入替の要素を組み込んでいる。戦闘システムの中核を成す非常に重要な要素となっている。
地形・天候
戦闘開始時から、地形効果が固定されているものもあれば、戦闘中に人為的に作り出すものもある。
効果範囲は局所的なマスである場合もあれば、戦闘フィールド全体であったりもする。色々と状況に変化が付けられるので、単調な戦闘を打破したいという場合にも有効かも。
ライブアライブ
一定範囲のマスに対して、水・炎・毒といった属性を付加する技が存在する。そのマス上にいると、一定時間毎にダメージを受けたり回復したりする。
新桃太郎伝説
普通のDQ型ターン制戦闘なのだが、天気の要素がある。例えば、雨が降っている時は特定の仲間・敵・術の強さに変動が起こる。
似たようなものだと、ポケモンシリーズに天候を左右する技がある。
ワイルドアームズ4〜5
戦闘開始時にランダムで属性付きのマスが登場する。その上で技を使用する事で効果が変化する。
テイルズオブジアビス
魔法を使った後に、局所的に魔法陣が残る。その魔法陣の上に乗って、技を使用すると、対応する属性によって技が強化されるという要素(FOE)がある。
フリゲだが、似たような要素だとセラフィックブルーが秀逸だと思う。こちらは戦闘フィールド全体に属性が付属する。
まとめ
時間と空間の2つの扱いを定めれば、戦闘システムの方向性はかなり固まる。僕的には、いずれ移動を伴うタイプの空間システムを構築してみたいが、技術的な難易度の高さが課題。
あと、やったことないけどコレなんかもいいんではないかなと。
7〜モールモースの騎兵隊〜(ローテーション・バトル)
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