| ||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||
質量/物語
「スクウェア+堀井雄二+鳥山明」の看板を掲げたSFC後期の傑作。実際は堀井氏はシナリオ原案&監修という程度とか……。
様々な時代を移動し、1999年の世界崩壊を阻止するという壮大なストーリー。当時、流行ったノストラダムスの予言ネタが、元になっている辺りに時代を感じる。
タイムパラドックスを物語上、都合良く解釈している箇所(最初の中世のイベント)が見られる。とはいえ、ドラえもんと同じで、この辺をあまり細かく突っ込むのは野暮かも。
物語は流れるようにテンポ良く進む。中世や古代の展開は『魔王』『聖剣』『古代文明』など王道で期待を裏切らない。小ネタが豊富で、後半はクリアに必須ではないサブイベントも多い。
町は少なめで、ダンジョンは短め。特にダンジョンは、普通にやって5〜15分程度でクリアできるものが多数存在する。筆者の初回プレイでは、サブイベントをほぼ完了した上でも20時間程度でクリア。SFCの有名RPGの中では、FF4と並んで短い部類。ただし、ラストダンジョンはかなり長く、20時間の内の3〜5時間程度は、これだったような記憶がある。
ゲーム中盤から、ラスボスにいつでも挑めるのだが、倒した時期によって、エンディングは複数のパターンに変化する。しっかりしたものから、一発ネタ的なものまで色々。『強くてニューゲーム』によって、2周目が可能なので、それを利用して各エンディングを見ることができる。
システム/バランス/快適性
戦闘
ダンジョンを移動する敵に近づくと、そのままスムーズに戦闘へ移行するのが特徴。シンボルエンカウントとは違って場所によっては、戦闘回避が不可能だが、頻度はそこまで高くない。難易度はやや低め。それほど手応えは無いが、安定している。
戦闘システムはFFシリーズと同じATB(アクティブタイムバトル)。FF5,6辺りと比較すると、若干戦闘テンポは遅めながらも、色々と進化が見られる。
具体的には……
- 位置の概念。敵が密集している場合は、範囲攻撃で一掃できる。
ただし、味方は位置の変更が不可能。
- タイムゲージが溜まったキャラクターが複数いる場合は左右で切替可能。
- メンバーの組み合わせによって合体技が使用可能。
いずれの要素もFF7〜9のATBに、取り入れられていないのは勿体ない……。
最終的なパーティメンバーは7人。その中から3人の戦闘メンバーを編成可能。
強化システム
成長・強化システムはFF5,6と比較すると物足りない。『レベル』『装備』といった一般的な要素の他には、戦闘で得た『技ポイント』によって、技を修得するというシステムがある。『ジョブアビリティ』『魔石』程の深みは無く、単にレベルアップと技の習得を切り離したという程度の印象。
装備や回復アイテムは宝箱から、次々と手に入るので、お金に不足することはまず無い。後半はザコ敵からラストエリクサー(全体HPMP全回復)ですら簡単に盗めてしまう。お金と店の役目はFFシリーズよりも更に薄い。ひょっとしたら店を縛っても余裕で進めるぐらいの調整かも。
上記の通り、次々とストーリーを進行させるには快適だが、あまり試行錯誤せずとも先に進めてしまうので、手応えを求めるプレイヤーは物足りなさを感じるかもしれない。一応、ラスボスなど一部のボスはそこそこ手強い。
美術
SFC最高峰のグラフィックの1つ。原始の森〜崩壊した未来まで、時代によって雰囲気の異なるマップが描かれる。
FF1〜6と違って、仲間キャラクターには上下の動作アニメーションがあるので、ドットを打つのは大変だったと思う。戦闘アニメーションは1人技〜3人技まで数豊富。
音楽
光田康典氏のデビュー作。デビュー作といっても、曲の水準は非常に高い。ちなみに植松伸夫氏や松枝賀子氏(バハムートラグーンとか)も参加していたりする。
古代や中世のフィールド曲は歴代ゲーム音楽の中でも有数の人気を誇る名曲。通常戦闘曲はちょっと地味だが、ボス戦曲は充実。特に魔王戦やラスボス第2形態は壮大かつ格好いい。