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※筆者はこれの次作のエストポリス伝記2は高く評価しています。反面、その前作のこちらについての評価は低めです。結構、辛口かもしれませんがご了承ください。
1993年の発売で、SFCとしては中期の作品に当たる。
質量/物語
主人公は英雄の子孫として、復活した4柱の悪神(四狂神)と戦うことになる。いかにもな王道ストーリー。
オープニングでは、100年前の英雄達が四狂神との決戦に挑み、勝利するまでのシーンが描かれる。このシーンはチュートリアルを兼ねて、自分で操作することになるが、正に『最初からクライマックス』で、インパクトは強い。
なお、エストポリス伝記2では、この英雄達の物語が描かれる。時系列上は1の方が未来という事になる。
ゲーム終盤には波乱の展開が待ち受ける。エンディングはどこかの有名漫画(1984年完結)とか、どこかのARPG(1992年発売)とかで見たような展開だけど、とりあえず感動。最初と最後の印象は強い。
……と、ここまではいいけれど、問題はゲーム中盤(全体の7〜8割を占める部分)。物凄いお使いイベントの連続で、他に類を見ないほどにストーリーは退屈。イベントも何もなく町と町を繋ぐだけのダンジョンも非常に多い。序盤にメインメンバーの4人が揃った後、モチベーションとなる要素が少ないので、中だるみしてしまう。無意味にイベントとダンジョンが多くて、プレイ時間が長いことが拍車を掛けている。
※参考
http://neetit.ken-shin.net/est1.html
しかし、他の人のレビューを見ると、シナリオが良かったという人が結構いる模様。終わり良ければ全て良しということだろうか……。
システム/バランス/快適性
戦闘画面はフロンビューを採用。キャラクターグラフィックが正面向きで表示される。
戦闘システムは素早さが高いキャラクター程、「速く」「多く」順番が回ってくるというCTB的システム。何気にこの時代の作品としては珍しい。ただし、ゲージも順番も表示されないので、ちょっと分かり辛いかも。リアルタイム性の無いFF4と言ったところで、それ以外の雰囲気はオーソドックスなDQ型。
このゲームにはDQと同じく敵にグループの概念があるけれど、単体攻撃でも特定の敵ではなく、グループしか対象に選べない。それ自体は同時期のDQと同じだけど、これは攻撃対象がグループ内からランダムで選ばれるらしく、弱った相手を狙ってくれない。
また、全体魔法やグループ魔法を使用した場合、一体ずつノロノロとエフェクトと結果を表示するため、そこのテンポは今一歩。
戦闘メンバーは序盤に仲間になる4人でほとんどの期間を固定される。構成は『勇者』『魔道士』『戦士』『僧侶』といった具合にテンプレ通りで手堅い。ただし、終盤に離脱して、ラスボス直前にならないと戻って来ないキャラがいるのは泣ける。
敵の強さはボス・ザコ共に無難。強すぎるでもなく弱すぎるでもなし。メリハリは薄いけれど、安定感はある。
なお、敵の強さは無難と書いたけれど、実はバランスブレイカーもある。このゲームの魔法反射魔法『ミラール』は、味方の回復・補助だけは通すという優れもの。通常攻撃と魔法以外の攻撃は少ないので、これだけでラスボス含む、後半のボスは楽勝できたりする。
エンカウント率はやや高め。中盤はお使い地獄と合わさって、難易度が高いわけでもないのに、途中で投げそうになってしまった。
持てる道具の数に制限がある割には無駄に宝箱が多く、手動で整頓させられるのは大変。中身も消耗品ばかり。
美術
発売時期の割にグラフィックは地味かも。普通の中世風RPGなので際立った特徴もなし。ダンジョンは数は多いけれど、洞窟や塔ばかりなのは飽きるかも。ただ、敵グラフィックに関しては、2よりもサイズが大きくて迫力がある。
音楽
いかにも王道RPGといった感じの曲調。派手さはないけれど悪くない。個人的に好きなのはフィールドやラストダンジョンの曲。ただし、音質は2と比較すると劣る。2にラストダンジョン曲のアレンジがあるので、比べてみれば差は歴然。