良いゲームシステムとは?
良いゲームシステムとは、どのようなシステムだろうか? 基本的にはゲームバランスの項目『良いゲームバランスとは?』で示したものと、同じ要領で考えれば良い。
http://newrpg.seesaa.net/article/202735282.html
引用すると……
- 快適である。
- 考える楽しさがある。
- 達成感がある。
- 変化に富んで飽きない。
つまり、以上の様な要素を実現できるゲームシステムを構築すれば良い。
- ゲームシステム=土台
- ゲームバランス=調整
という違いがあるだけで、「プレイヤーを楽しませる」という目標は同じというわけだ。
斬新なシステム
システムを取り上げるにおいて、よく言われるのが『斬新さ』だ。「最近のゲームは似たり寄ったりで斬新さがない」とか事ある毎に評論で言われるアレである。斬新さとは本当に必要な要素なのかどうか考えてみたい。
斬新なシステムのメリットとして、既存のRPGと差別化がされるため、上記で言う『変化に富んで飽きない』を満たす効果がある。また、システムを理解することそれ事態に『考える楽しさがある』と見なすこともできる。
デメリットとして、取っ付きにくくなって、快適性を落とすことになる可能性がある。そもそも既存のRPGのシステムというものは、多くのゲーム作家が長年の積み重ねの中で、築き上げて来た結晶である。考えもなく、それに反するものを作った所で、面白くならないのは当たり前である。
また、『変化に富んで飽きない』を満たす効果があると書いたが、単に風変わりなだけで、底の浅いシステムだった場合、メッキが剥がれた後には、単調で面倒なだけという例も少なくない。
言うまでもなく「斬新なシステム=面白いシステム」という訳ではないし、筆者も個人的には、さほど重要視してはいない。とはいえ、斬新さは必ずしも必要という程ではないが、作品を面白くする効果があるのも確かだ。
ただし、単に既存のシステムと差別化するということだけが目的になってはならない。1つ1つの要素が面白さに貢献しているかどうかを吟味する必要がある。
駄目なシステムの例
というわけで、ありがちな『駄目なシステム』の例を挙げてみる。いくら斬新でも、これらに大きく当てはめるようでは面白くならない。逆説的に『良いゲームシステム』が見えてくるかと思う。
面倒臭い
- 細かい。必要あるのかないのか良く分からないシステムが大量にある。他にも必要以上に多い装備品、スキル、パラメータ等。
- 必要な操作手順が多い。攻撃する度にルーレットが走るアンリミテッドサガはその極地。他にも各要素の過剰な階層分け等。
- ロード時間が長い。レスポンスが遅い。
- 過剰な制約。装備品やスキルの過度なレベル制限など。
プレイヤーの判断が反映されない
- オート戦闘。これ自体は快適性向上の効果もあるが、度が過ぎて、ほっといてもどうにかなるような調整だった場合、プレイヤーが操作する意味が薄くなる。
- 取った行動が有利になっているのかどうか判別が付かない。例えば、使用した技の効果が良く分からない等。
- 運ゲー。変化を付けるためにも、運の要素は有用だが、度が過ぎると、プレイヤースキルが反映されないゲームになってしまう。
プレイヤーが取った行動に対しては、きちんと『納得できる』形で報いを与えたい。そうしないと、達成感が欠如する事になる。
単調
最初から最後まで、同じことの繰り返し。
金やHP、MP等、リソースをやり繰りする要素が薄い場合はこれになりやすい。
例えば、FF13では既存のシリーズ作品にあったMPを全廃している上に、HPも戦闘終了時には全回復する。結果として同じ状況の繰り返しが起きやすくなっている。
これはシステムを複雑にしたからといって、解消できるとは限らない。制作者に各要素を調整できる実力が不足している場合、返って単調なプレイスタイルを推奨してしまう事もあるので、よく考える必要がある。
(悪い例:レベルを上げて物理で殴れば良い)
まとめ
優れたシステムであっても、同時に欠点を内包している場合がある。特に戦略性や自由度と引換に快適性を犠牲にしているパターンが多い。簡単な事では無いが、良い部分を残したまま、悪い部分を無くせるアイデアがあれば、理想的である。
今回は良いゲームシステムに付いての要素は大雑把にしか挙げていない。後の講座で『戦闘システム』『成長強化システム』といった分類毎に市販RPGの例を交えながら、具体的な考察をしていきたい。
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