【RPG制作講座】補助技@ 重要性と作品例

2012年09月01日

 補助技とは『能力アップ』など、自分や仲間を支援する効果を持つ魔法や特技を指す。攻撃や回復とは異なり、直接的な効果は無いが、多くのRPGで使用されている。また、装備品やスキルの中には、同様の効果(補助効果)が設定されている場合もある。

 ここで扱う補助技は、敵に掛ける状態異常とは分けて考える。FFシリーズの『バーサク』の様に、補助なのか異常なのか、分類が難しいものもあるが、基本的に味方に使う補助魔法であるとして述べる。異常魔法としてのバーサクは状態異常編で説明する予定。

補助技・補助効果の利点



  • 戦闘に変化を付ける事ができる。強力な補助技を覚えた時は嬉しい。
  • 味方・敵キャラクターの差別化ができる。
  • 装備やスキルに補助効果を付けることで、差別化できる。

 戦闘を攻撃と回復による単なる数値のやり取りから脱却するには、補助技は欠かせない。状態異常と並んで、RPGを盛り上げるためには必要な要素と言えるだろう。

市販RPGの例


 補助技は戦闘を面白くするのに重要だが、その扱いは非常に難しい。具体的にはいくつかの市販RPGの例を見てもらうと分かりやすいと思う。それぞれ一長一短と言ったところである。

ドラゴンクエスト2

 トヘロス等、戦闘外で使用されるものとパルプンテを除くと、『スクルト』が唯一の補助呪文として登場する。

 FC版での効果は「仲間全体の守備力を1/8上昇させる」というもの。後のシリーズ作品と比較すると、効果が小さく非常に使い辛い。重ね掛けすると1/2まで上昇するのが救いだが、この頃のDQはボス戦でも短期決戦が多く、使用機会は限られる。

 SFC版では一転。効果が1/2まで大幅上昇。攻撃力が高い相手にはザコ・ボス共に有効。ラスボスがルカナン(全体の守備減少)を使用してくることもあって、それを打ち消すためにも必須となる。(確か2回まで重ね掛け可能だったはず。)

ドラゴンクエスト3

 FC版の時点でスクルトの効果が1/2まで上昇している。しかも、重ね掛けによる守備力の上限は1023なので、物理攻撃主体の敵はほぼ無力化が可能。

 他にもピオリム、フバーハ、マホカンタ、バイキルト、モシャスといった補助呪文が初登場する。それぞれの利点・欠点を紹介する。

ピオリム

 全体の素早さが上昇。回復役のキャラが敵より速く動きたい場合に有効。数ターンで終わるザコ戦では、ターンとMPを消費してまで使う価値は薄い。

フバーハ

 全体に息攻撃のダメージを半減するバリアを張る。性質上、息攻撃を使う相手にしか使用する意味はないが、ザコ戦・ボス戦共に機会はそこそこ。

マホカンタ

 呪文を反射する鏡を張る。対象は自分1人。呪文攻撃主体の敵に有効だが、回復呪文まで跳ね返してしまう。バラモス等、息攻撃を使用する相手に使うには苦しい。ラストダンジョンで手に入る賢者の石ならば、反射されずに回復できるが、活躍機会はバラモスブロス戦ぐらいかも。

バイキルト

 たたかうのダメージを2倍にする。対象は1人だが、効果は極めて強力。ボス戦では、ラスボスを除いて使用が必須同然となる。

モシャス

 他の仲間に姿を変え、能力や使用呪文が同じになる。それなりに強力だが、習得レベルが37と高いので、使用機会は限られる。特にラスボス戦では後述の理由で役に立たない。根本的な問題として、他のキャラクターに成りすますということは、元のキャラクターの個性を殺してしまうという事でもある。

 補助呪文を語る上で、忘れてはならないのが、それらを打ち消す『凍てつく波動』の存在。
 DQ3のラスボスが使用するのが、シリーズ初登場である。
 ラスボスはこの凍てつく波動を頻繁に使用するので、補助呪文は非常に使い辛い。ピオリム、マホカンタ、モシャスに付いては、使用する意味がほぼなくなる。スクルト、フバーハ、バイキルトに付いては、まだ使う意味はあるが、劇的な効果は望めない。

ドラゴンクエスト9

 DQ5以降のシリーズ作品の中では、ボス戦闘は最も短期決戦型である。バイキルトとフォースという様に、複数の攻撃強化手段が存在する。強化した物理攻撃(主に隼斬り)が強力なのだが、反面に魔法使い(バイキルト係)や魔法戦士(フォース係)が補助役になってしまう傾向がある。

ファイナルファンタジー4

 全体的に消費MPが大きく、効果が小さく使いにくい。しかし、リフレク等の一部魔法は攻略上必須と言って良いほどの効果を発揮する。

リフレク

 魔法を反射する。

 ボス戦では敵の強力な技を反射したり、逆に敵に掛けて回復・補助魔法を妨害したりといった使い道ができる。ただし、効果時間は短く消費MPは高い。後の作品の様に効果が持続しているのかどうかが、パッと見で分からないという問題も。

バーサク

 勝手に『たたかう』を行い、ターゲットも選べない代わりにダメージが上昇する。
 主人公のセシルは『たたかう』を選ぶ機会が多いので、バーサク状態にした方が有利な状況も多い。

ブリンク

 分身を作り、敵の物理攻撃を2回必ず回避する。物理攻撃主体の敵に有効。特にカウンター攻撃が中心のベヒーモス相手には有利に戦える。

 プロテス、シェル、ヘイスト等の補助魔法の効果は低め。消費MPが高い割に、重ね掛けしてやっとまともに使えるというレベル。おまけに最終的な使い手が攻撃役のセシル&回復役のローザなので、わざわざこれらを使う機会は少ない。

ファイナルファンタジー5

 シリーズ屈指の補助技の多さ。
 白魔道士、時魔道士、召喚士、青魔道士、薬師、吟遊詩人などのジョブに数多くの補助技が存在する。うまく使えばゲームバランスを壊しかねない強力なものが多く、ごく低レベルでのクリアも可能。

 FF4と比較すると、消費MPが大きく下がっていることも特徴。

  • プロテス:9->3
  • シェル:10->5
  • リフレク:30->15
  • ヘイスト:25->5

 以下は補助技の例。数が多すぎるので、ほんの一部のみ抜粋。

プロテス、シェル

 それぞれ、物理攻撃半減、魔法攻撃半減の効果を持つ。
 特にシェルの効果は強力で、ラスボスの最強技アルマゲストですら、半減する。

ヘイスト

 タイムゲージが溜まる速度が2倍になる。実際はコマンド入力によるタイムラグがあるため、行動回数が2倍に増えるというわけではないが、それでも非常に強力。全体版のヘイスガは、ほとんど全てのボス戦で使用しておけば間違いない。

カーバンクル

 全体にリフレクの魔法を掛ける召喚魔法。その状態で味方全体に攻撃魔法を掛ければ、敵に一気に反射して大ダメージを与えることができる。また、戦闘中常にリフレク状態になるアクセサリ『リフレクトリング』も登場する。いずれも、ホワイトウインドなど、反射されない回復手段と組み合わせることが可能。

ゴーレム

 味方全体への物理攻撃を一定量(術者のレベル依存)防ぐことができる召喚魔法。物理攻撃主体のボス戦で非常に有効。

 FF5の補助技はこれだけ強力なのだが、それでもザコ戦で使用されることは少ない。ザコ敵がシリーズ内でも弱めな上に、味方に強力な攻撃技が多く、補助技を使うまでもないからである。

ロマンシングサガ2

 手強いボスが多いことで有名な作品。個性的かつ強力な補助術が多く、うまく使いこなせれば難易度が下がる。というか、補助術を使用しない場合はクリアが不可能に近い。
 中でも、クイックタイムはバランスブレイカー。ラスボスが異常に強いため、攻略情報がなかった当時は、これを使わずに倒すのは至難の業だった。

 重要な術が異なる系統に分配されており、それぞれの術レベルを上げなければならない。何となくプレイしていると、手に入れられない術も多い。一部抜粋。

リヴァイヴァ

 事前に掛けておけば、HPが0になっても全快で復活する。FFにおけるリレイズ。

霧隠れ

 透明になって、敵の単体攻撃の対象にならない+回避可能な攻撃は全て回避できるようになる。
 自分が攻撃すると効果は消えるが、その時の攻撃は敵の回避・耐性を無視する。ここから、即死技を使えば、無効の相手以外を一撃で倒すこともできる。

クイックタイム

 使用したターンは敵の行動を禁止する。加えて、次のターンからは先制して行動できるようになる。
 これを使えばラスボスですら、行動させずにハメ殺す事ができる。消費JPは36と非常に高いので、普通は3〜5回でJPが枯渇するはず。

金剛盾

 敵の物理攻撃を高確率で防ぐ。多くのボス戦で有効。

ソードバリア

 敵の斬撃攻撃を完全に防ぐ。多くのボス戦で有効で、中には完封できる相手もいる。
 金剛盾とは重複できないので、どちらかを選ぶ必要がある。

シャドウサーバント

 自分の攻撃を真似する影を生み出し、攻撃ダメージを2倍にする。敵の物理攻撃を一度だけ無効化するが、2倍効果も消える。

光の壁

 使用したターンの間、味方全体に対して、ダメージを半減する壁を作る。さらに、ターン終了時に敵にダメージを与える。

俺の屍を超えてゆけ

 重ね掛け可能な補助術・道具が非常に強力。敵の物理攻撃はほぼ無効化できる。術攻撃に関しては、そこまで強力な対策はないが、攻撃力を強化すれば数ターンで決着を付ける事が可能。ラスボス戦ですら、最初の数ターンを凌いで、パーティを強化してしまえば、後は楽勝となる。戦闘自体は短期決戦型なので、勝ちの決まった戦いをダラダラやらされることは少ない。

 このゲームにおける術の習得条件は術を手に入れた状態で、能力が一定を越える事。剣士などの前衛職でも、習得が遅れるだけで全ての術を覚える事ができる。これが、補助術の強力さを増している。

 実は同梱の分厚い説明書に、補助術を重ね掛けする有効性が記述されていたりする。ここまでくれば、補助術特化のゲームバランスとして、潔くて良いかもしれない。

陽炎

 全体の回避率を上昇させる。重ね掛けすることで、ほぼ物理攻撃を回避可能。ちなみに、このゲームはシンボルエンカウントだが、マップ上で使うと、敵シンボルが近寄ってこなくなる効果を発揮する。

石猿

 全員の防御力を上昇させる。陽炎より即効性は劣るが安定性は上。

梵ピン

 全員の攻撃力を増加させる。何度か重ね掛けすれば、ラスボスですら数ターンで倒せる程の破壊力を得られる。

ポケモンシリーズ

 ゲームシステム上、1VS1での短期決戦が多く、「補助技を使う」か「攻める」かの駆け引きがうまく成立している。

 ただし、本編では回復アイテムが使い放題の仕様なので、最初の1体目など弱い相手の前で、ひたすら能力を強化し、その後、全ての相手を瞬殺するといった味気ない戦術を取れたりする。対人戦だとそこまでうまくいかないけれど。

まとめ


 様々な例を挙げてみたが、これらの例には色々な問題点が含まれている。長くなったので、そのまとめは次回の記事で行う。
 補助技A 問題点と対策

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posted by 砂川赳 at 06:00 | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする