タイトル | 機種 | 質量 | 物語 | システム | バランス | 快適性 | 美術 | 音楽 | 平均 | クリア日 |
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英雄伝説 碧の軌跡 | PSP | 90 | 90 | 80 | 70 | 60 | 80 | 90 | 80 | 2012/06/19 |
英雄伝説 零の軌跡の続編であり完結編。空の軌跡から合わせると、5作目に当たる作品。前作、零の軌跡のセーブデータがあれば、引き継ぎも可能。というか、シナリオ上の繋がりが大きいので事実上はプレイ必須。
空の軌跡3作のキャラクターも登場するため、そちらもプレイしていた方が良い。4作合計で150〜200時間程度も掛かるので大変だけど。
質量/物語
舞台は前作に引き続いてクロスベル自治州。イベントをなるべくきちんと見るようにプレイして、クリアまで70時間以上掛かった。戦闘などがテンポアップしていることを考えると、前作よりもさらに長くなっているはず。
前作ではイベントにおいては、挨拶程度のボイスしか無かったが、今回は主なイベントではキャラクターのセリフがボイス付きで、きちんと読み上げられる。
前作では、一時的にパーティに参加していただけだったワジ、ノエルの2人が新たに特務支援課の仲間に加わる。多くの場面では、前作の4人にこの2人を合わせた6人パーティで物語を進めることになる。
前作で謎が残っていたキーア、ランディ、ワジなどのキャラクターについては、今作でスポットライトが当てられる。完結編というだけあって、張り巡らした伏線を回収しながら、物語終盤では大きな盛り上がりを見せてくれる。(ただし、空の軌跡から巡らしていた『結社』や『帝国』関連の伏線はまだまだ残っている。というか、さらに積み上げた。)
個人的にはお使いイベント等、削る所を削って、もっとテンポ良く仕上げていればシナリオは満点でも良かったように思うほど。
空の軌跡の主人公で、零の軌跡でも活躍したエステル&ヨシュアは前回のエンディングで、クロスベルを去ったため今回の出番は限られている。良くも悪くも過去作品の主人公というのは存在感が大き過ぎるので、零の軌跡とのメリハリを付けるためにも良い選択かと思う。
続編物であるため、同じマップ・キャラクター・技・敵などが多く登場する。特に前作のメイン4人に関しては技の追加がほとんどないので、そこは欲しかった。実質的には1つの作品が合計100時間以上に渡って続くようなものなので、飽きが入る可能性も。
システム・バランス
基本的なシステムはほぼ零の軌跡と同じ。主な変更点として、マスタークオーツの追加が挙げられる。これを装着することで、キャラクターの能力が大幅に上昇する。戦闘で大きなダメージを叩き出すことが簡単になったので、前作の地味な削り合いと比較すると、テンポが良くなった。
また、強力な範囲攻撃クラフトの数が増加。マスタークオーツによる強化と合わせて、ザコ敵を一気に殲滅することも簡単に。快適で良いのだが、このゲームは使い勝手の良い強力な単体攻撃技が少ないので、範囲攻撃ばかりのワンパターンな戦法を取りがちに。
楽になったザコ戦と比較して、ボス戦の難易度は上昇している。特に後半のボスは難易度ノーマルでも、味方を全壊させかねない強力な技を放ってくるため、対策を練る必要がある。といっても、対処法は空の軌跡の時代と同じで攻撃を無効にする技に頼るだけだけれど……。
相変わらず攻略情報無しでは困難なイベントが多数。特に今回の依頼の中には、普通にやっていると発生条件に気付かない物がある。しかも、1つ依頼を取り逃がすと連続する依頼も発生不可能になる仕様。序盤のイベントを取り逃がして、最初からやり直したなんて人も中にはいるのでは?
携帯ゲーム機の作品だけど、色々と気にしなければならないことが多過ぎる。電車の中などで気軽にプレイするには不向きかも。
快適性
今回から、アーツや一斉攻撃の演出をSTARTボタンによって、カットすることができるようになったのは大きな向上点(カットしても、暗転演出が入るのが気になるけれど)。それでも、戦闘が全体的にもっさり気味なのは相変わらず。通常攻撃にまで、いちいち溜めのモーションがあったりと、丁寧過ぎる作り込みがアダになっているような……。
メインイベント・サブイベント共に、クロスベル市内・市外を行ったり来たりさせられるのも相変わらず。ただし、動力車が使用できるようになったことにより、市外への移動の手間は多少軽減された。
美術
ほぼ前作と同じだが、イベントによってはそこそこ演出に力が入っている。戦闘面では仲間の増加によって、コンボクラフト(合体技)の数が豊富になった。
音楽
前作と同じ曲の使い回しも多いが、やはりクオリティは高い。ゲーム終盤での因縁ある敵達との対決では、音楽の力によって大きく盛り上がる。さすがは完結編といったところ。