【RPGレビュー】ドラゴンクエスト7

2012年06月16日

タイトル機種質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
ドラゴンクエスト7PS100708070807070772000年頃

質量/物語


 シナリオは短いイベントの集合という形式を取っている。石版を集めることで過去の世界にワープし、各地で問題を解決する。それぞれのイベントは今までのDQと比較しても、やや暗め。重たいながらも印象に残るイベントもいくつかあった。

 プレイ時間は長く、普通にクリアするだけで80時間以上も。クリア後の隠し要素まで含めると100時間は超える。

 ただ、その長さゆえに批判される部分も。単に石版を集めるためにダンジョンに行かされることが多く、特に過去と現在の2つの世界で同じダンジョンを使い回すところもいくつかある。
 シナリオの構成上、世界や物語につながりが感じられないのも盛り上がりに欠けやすい原因。プレイ時間の長さもあって、シリーズでは最も途中で飽きてしまった人が多いのでは?

 この作品から『話す』によって、仲間と会話をすることが可能となった。テキスト量は膨大で、町人のちょっとした会話にも反応してくれたりする。重たい話が多いので、マリベルやガボの様な性格が明るい仲間との会話は救われる。

システム/バランス


 安心のドラクエバランス。ただし、戦闘・成長システムに関してはDQ6と同じ『転職』を継続して使用しており、大きな変化はない。
 DQ3では自由なパーティ編成&転職、DQ4ではAI&馬車、DQ5では仲間モンスター、DQ6では転職(DQ3とは別物)、というように毎度何かしら新しいことをやっていたのけれど、今回は特徴が薄め。

 その転職だが、肝となる職業毎のバランスは悪化した箇所も。『剣の舞』や『怒涛の羊』などの序盤〜中盤で覚えることが可能な特技が非常に強力で、MPを消費せずに通常攻撃の何倍ものダメージを与えられる。最後までこれらの特技を連発するワンパターンな戦法でゴリ押しできてしまう。ただでさえ長いので戦法が単調になると、余計に飽きやすい懸念も。

 新要素としてモンスター職も追加されたが、必要性はあまり感じられない。覚える呪文・特技が一般の職業と大きく重なっており、有用なのは『マダンテ』など、ごく一部の技に限られる。転職には魔物が低確率で落とす『心』が必要になるという仕様も厳しい。『ダンビラムーチョ心』が手に入らずに延々と粘った人も少なくないはず。

快適性


 当時のPSのゲームは操作性やロード時間に、問題がある作品ばかりだったが、このDQ7は例外。戦闘テンポ、マップの切替時間等、SFC時代とほとんど変わらない快適性を持っている。ただし、フリーズすることもあって困るけれど……。

美術


 キャラクターは2D。マップは3Dという構成。町の中ではLRボタンによって視点変更が可能。FF7の様な方向に無理して真似をしなかったのは評価できる。
 ただし、某イベントで流れるムービーは無謀だったのか、各地で出来をツッコまれる始末。でも、DQ9では挽回したので、将来リメイクすることがあれば、悪くないものになると期待したい。

音楽


 コミカル要素を含んだ通常戦闘やボス戦闘が特徴的。かと思えば、暗めの曲が充実しているというのも、この作品らしい。強い印象を残すような曲は少ないが、フィッシュベルの曲など聞いていて安心感のある曲が多い。でも、ダーマ神殿の曲だけはループが短すぎて手抜きっぽい気がする。
posted by 砂川赳 at 13:22 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする