タイトル | 機種 | 質量 | 物語 | システム | バランス | 快適性 | 美術 | 音楽 | 平均 | クリア日 |
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シャドウハーツ | PS2 | 60 | 70 | 70 | 60 | 50 | 70 | 60 | 63 | 2006年頃 |
質量
プレイ時間は遅めのテンポで20時間程度といった所、この時代のRPGにしては物足りないかも。町やダンジョンはかなり狭め。
もっとも、大手メーカーの開発ではないし、予算などにも都合があるので仕方ないところか。RPGが減りつつあった時代に、このシリーズを作ってくれたのはありがたいこと。
物語
第一次世界大戦前の中国〜ヨーロッパを舞台とした異色のRPG。作品の雰囲気は暗めでオカルトチックだが、主人公『ウル』のキャラクターを明るくすることでバランスは取れている。
舞台設定の割にストーリー展開はわりと平凡かも。それでも、所々に作品特有の黒さが見える部分も。
ゲーム中でこなしたイベントによって、グッドエンドとバッドエンドに分岐する。バッドエンドそのものより、そこに至るイベント演出(『存在崩壊』)が怖くてトラウマになりそうだ。そして、続編シャドウハーツ2に繋がるのはそのバッドエンドの方だったりするのはユニーク。
前半は一本道で一度通り過ぎた地点へ自由に戻ることができない。後半はある程度の自由度ができて、サブイベントなども存在する。
システム
戦闘システムの基本は普通のターン制だが、『ジャッジメントリング』によって個性を出している。目押しによって、タイミング良くボタンを押すことで、敵に与えるダメージを増加させることができるというシステム。アンリミテッドサガよろしく、こういうタイミング系のシステムはゲームテンポを殺しやすいのが難点。やっぱり、この作品もそこから逃れられてはいない。
SPという値をキャラクターが持っており、毎ターン1ずつ減っていくという特徴がある。これが0になると厄介なことにキャラクターが暴走して、仲間を攻撃したりする。
バランス
難易度は前半が難しめで、中盤以降から段々簡単になっていくような印象。
ボス敵はしぶとく時間が掛かる。アイテムで回復しながらダラダラと戦っていれば、時間は掛かるが、どうにかなってしまう印象。後半は攻撃の強化方法が増えるので多少は改善する。
上述したSPは店で購入できるアイテムで簡単に回復できるけれど、結果的にお金やアイテムに不足する前半の難易度を押し上げている。反面、後半はほとんど意識しなくても良かったりとアンバランス。
快適性
戦闘テンポはPS2のRPGの中でも非常に遅い部類。ジャッジメントリングを回す時間は個性と見て仕方ないにしても、戦闘アニメは通常攻撃から補助魔法まで総じて長め。単なる通常攻撃で連打のアニメーションをするのはキツい。
上述した戦闘システム・バランスと合わさって、戦闘は時間の掛かる展開になりやすい。前半部最後のボス戦は本当に長かった。
美術
作品の雰囲気に合わせて、敵はグロテスクでどいつもこいつも気持ち悪い。個人的には苦手だが、こういう方向性の作品があっても悪くはないと思う。
背景は美麗だが、キャラクター造形はPS2初期という時代を考えても今ひとつかも。
音楽
環境音的な曲が多く印象は薄め。といっても、この作品にインパクトのある音楽は似合わないので、これで良いのかもしれない。ラストダンジョンの曲なんかは結構好み。