タイトル | 機種 | 質量 | 物語 | システム | バランス | 快適性 | 美術 | 音楽 | 平均 | クリア日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ドラゴンクエスト8 | PS2 | 80 | 70 | 80 | 80 | 60 | 90 | 90 | 79 | 2004/11 |
質量
開発会社レベル5の作品らしく、広大なマップが特徴。特にフィールドは冒険していて気持ち良い。過剰にあれこれ盛り込もうとするレベル5側を堀井氏が抑えたらしいが、それで、なおこれとは恐れ入る。
物語
5,6,7と印象の薄かったラスボスだが、今回はシナリオを通して暗躍しているため存在感がある。 ラスボス戦もDQらしからぬ派手さ。グラフィックの向上によって表現力もアップしている。
前作DQ7と比べると、本筋がまとまっており起承転結がしっかりしている。ただし、主人公達が登場人物を見殺しにしてしまうシーンなど、所々やらされてる感も。
他にも『主人公と姫が幼馴染みで仲良し(恋仲?)』という設定は重要なはずだが、今ひとつ見せ方がまずい印象。無口主人公にプレイヤーの意思を挟めない特定キャラとの色恋は似合わないと思う。それでもやるというならば、関係をもっと序盤から掘り下げたほうが良かったんじゃないかなあと。
個々のイベントは相変わらずおつかい的なものが多め。もっともDQに忙しいストーリーは似合わないけれど。
1イベント当たりの時間が長いため、今までのシリーズ作品よりもイベント数や町・ダンジョンの数はかなり少なめ。
『話す』による仲間との会話は今回も存在するが、DQ7の様にいちいち町人の会話にまでは反応してくれない。イベント進行やマップ移動等のタイミングによって内容が変化する程度。
といっても、DQ7の会話は余りにも量が多過ぎて読む方も大変だったので、この位の方が丁度いいかもしれない。
システム/バランス
成長システムのスキルマスターはシンプルながらも、無駄が少ない。全ての特技を覚えることは難しいので、プレイヤーによって、キャラクターの特徴が変わってくる。
DQ6やDQ7では、全キャラクターが転職によってたくさんの職業や特技を覚えることができたので、ごちゃごちゃになっていた感があったが、今回はすっきりしている。
今回から新システムとして錬金釜が追加された。道具を2〜3個合成することで、新しい道具を生み出すというもの。特に目新しいシステムではないが、良いアイテムが錬金できた時は嬉しい。錬金した道具を元の素材より高く売って金策に利用するという工夫もできる。
ただし、一部錬金のレシピの中には貴重な道具を消費する割に作られる物がしょぼい組み合わせがある。この辺はDQシリーズにしては珍しく意地悪。
また、本来DQの金銭バランスというものは不要な道具を売って、金策することを前提に作られていた。しかし、このシステムでは不要な道具でも、いずれ錬金に使用できるかもしれないという懸念があるため、いらない物であっても売りにくい。そのため、いつもより金が不足する印象を受けた。
シリーズの中では難易度はやや高め。ザコ敵は強めな上に出現数も多い。大勢の敵に不意打ちされると一気にやられてしまうことがある。
ただし、ラスボスはシリーズの中でも弱め。逆にラストダンジョンはシリーズの中でも難易度が高めなので、これが攻略できたプレイヤーなら、あっさりラスボスを倒せてしまいそう。
快適性
今作はマップが広いことが特徴だが、その中でも、特に町が広くて大変。
町中の宝を集めるのに、普通に数時間かかることもある。ヤンガスの『盗賊の鼻』を使えば、町中の宝の数が表示されるけれど、町によっては、それが30個以上にもなるので「うわあ……」となる。
それこそダンジョンより町の探索の方が大変だったと感じるほど。
戦闘時、複数攻撃時に一斉にダメージ表示されるようになったことは嬉しい。
ただし、演出の強化に伴い全体的にテンポは遅め。DQ5はPS2版で劇的に戦闘テンポが良くなっていたけど、それと比較すると差は歴然。
・全体回復時に回復量を1人づつ表示する。
・味方がダメージを受けた時に現在HPの減少量をいちいち表示。
・魔法・特技使用時はロードが入る。エフェクトも長め。
・HP・MP回復などの能力を保有していると、毎ターンゆったりとした数値表示が入る。
・敵の同時出現数が多く、必然的に1戦闘が長めに。
等々、気になる箇所が多数あった。改善の余地はたくさんありそう。
ロード時間については、今までのDQよりは長いけれど、このクオリティの高さを考慮すればそれ以上は高望みかも。
美術
広大なフィールドについては前述した通り。
戦闘では鳥山氏の絵がそのまま動く。おなじみのDQモンスター達が動く様子は感動。
音楽
通常戦闘曲はちょっと地味な印象。戦闘テンポにはあっているけれど、眠くなってきそうかも。
DQのラスボス戦の音楽と言えば、一番人気のDQ3を除いて、格好良さよりも恐怖感や威圧感を押し出したものが多かったが、今回は久々に勇ましく格好良い。某曲のアレンジをここで使用するというのも粋。
また、過去のシリーズ作品から懐かしい曲も登場。今作はDQ4の頃のように曲数が多く、町や塔など全体的な質も高い。