【RPG制作講座】戦闘バランス@-2 味方の能力設定の類型

2011年11月05日

 ダンジョンRPGを作成するにあたって、味方の能力設定の類型例を作成してみたので記述してみる。
 多くのRPGでは「キャラクターAはキャラクターBに比較して劣るため、役に立たない」というようあな状況が生まれている。そうならないために、各キャラクターに明確な長所と短所を設定したい。

類形例


重戦士

 攻撃力・HP・守備力が高く、素早さが低い。パーティのダメージ源としての役割と壁としての役割を併せ持つ。守備力は高いが、魔法攻撃には弱いなどの特徴を持つことも。

 上記の例では、DQシリーズの戦士系キャラやファイアーエムブレムのアーマーナイトが典型例である。また、ワイルドアームズ4のラクウェルは攻撃力が極めて高いが、HPも素早さも低めという味付けがしてあって面白い。

軽戦士

 攻撃力・素早さが高いが、HPは重戦士より低い。
 ATB、CTBなど素早さが多いほど行動回数が増えるシステムだと、重戦士よりもダメージ源としては優秀となることも。武闘家・忍者などがこれに該当する。

魔道士

 MPを消費しての攻撃魔法が得意だが、打たれ弱い。派手な魔法で敵を倒す姿はRPGの華とも言える。
 攻撃役としての役割は戦士と重なるため、差別化を考えよう。

 まず、戦士は多くのRPGにおいて、MPを消費せずとも戦える上に、壁役としてのタフさを持つことが多い。対して、魔法使いはMPを消費しなければ戦えない上に、打たれ弱いという弱点がある。
 そのため、攻撃性能が同程度ならば、魔道士は戦士に劣ることになる。
 そこで、以下のような方法を1つあるいは複数とればよい。

  • 戦士の物理攻撃よりも、魔法攻撃の威力をあげる。
  • 攻撃魔法に加えて、補助魔法を持たせる。
  • 物理攻撃が効きにくい敵を作る。
  • 全体攻撃などの複数攻撃を魔法の特権とする。

 こういう調整は基本中の基本であるが、RPGの代表格たるDQシリーズですら、これが十分にできているとは言いがたい。特にDQ6,7では、特技が強すぎて攻撃魔法の役目を奪ってしまっている。攻撃魔法をこよなく愛する僕としては悲しい。

 なお、サガ1,2やファイアーエムブレム、ポケモンなどの様に、物理攻撃と魔法攻撃を対等の扱いにしてしまうのも手である。
 これらの作品では物理でも魔法でも同等にポイントを消費するため、物理と魔法の違いは依存するステータスでしかなくなるわけである。

神官

 東洋風(?)に言えば僧侶。回復魔法によって、味方のHPを回復したり状態異常を治すのが主な役目。
 このタイプのキャラクターは性能次第でゲームバランスが激変する。特に全体回復や蘇生を簡単に使えるようにすると、大味なバランスになってしまうので注意。
 ホーリーが使えるFFの白魔道士の様に攻撃魔法も使える場合があるが、強すぎて魔道士の役目を奪わないようにも注意。

 回復役がいないと、難易度が大きく上がってしまうため、事実上加入が必須となる作品が多い。
 別にそれでもいいのだが、僕としては選択肢が狭くてつまらないので、下の聖戦士や賢者・万能などのタイプのキャラクターを入れることで、神官なしでも何とかなるように調整している。

盗賊

 素早さが高いが、他の能力は平均的。
 軽戦士に類似しているが、補助など攻撃以外の役目を持っているのが特徴。
 DQなどのターン制RPGならば、素早さが高いだけではさほどのメリットにならないので、他の長所も考えよう。
 CTBならば補助に攻撃に、と優秀に活動できる。

詩人

 詩人と書いただけでイメージが伝わるかどうか怪しいが、要するにここで書きたいのは補助・異常などサポート系の魔法・特技の使い手のことである。
 踊子などもこれに同じ。FFの時魔道士の様な作品独自の職業である場合も。

 補助という点では盗賊に似ているが、攻撃は物理・魔法共に苦手。主に技能は味方にかける補助と敵にかける状態異常の2種類に分かれる。
 もっとも、サポート系の技能は魔道士・神官・盗賊・魔法戦士などに分散させることも多いので、そうなるとこのタイプは存在自体が不要な場合も。

魔法戦士

 物理攻撃と魔法攻撃の両方が得意。
 硬い敵には魔法。柔らかい敵には物理。というように敵に合わせた攻撃ができる。
 とはいえ、物理攻撃は戦士未満、魔法攻撃は魔道士未満であるため、特徴がない相手には単なる器用貧乏になりかねない。

 こういった職業の調整こそ、制作者の腕の見せ所である。
 例えば、下記のような役割を持たせるだけでも、上記2職業の単純劣化にはならない。

  • HPの高い魔道士。
  • 補助・異常や全体攻撃ができる戦士。

 突出した能力がない分、素早さなど他の能力値は高めにしておくのも良い手だ。

聖戦士

 物理攻撃と回復魔法の両方が得意。回復魔法を使う機会はどのRPGでも非常に多いので、魔法戦士よりも調整は容易。序盤から回復が使えると安定するので、主人公のタイプとしても有望。

賢者

 攻撃・回復双方の魔法を行使できる。当然、魔道士や神官との差別化が鍵となる。
 調整法としては……

  • 攻撃・回復の双方の性能を魔道士・神官より下にする。
  • HPや素早さなど他のパラメータをより低くする。

 などが挙げられる。

万能

 全ての能力が平均的。物理攻撃、攻撃魔法、回復魔法いずれも可能。
 主人公ならば、全ての能力が高水準な勇者タイプにしてしまって問題ない。難しいのはそれ以外の場合だ。器用貧乏と万能の境目を見極める必要がある。ゲームシステムによりけりなので、実際のテストプレイで確かめよう。

まとめ


 上記の区分は大雑把な分類であり、さらに詳細な味付けをすることもできる。例えば、重戦士にしても、攻撃力を高くしてダメージ源としての役割を強調するか、HPや守備力を高めて壁としての役割を強調するかなど、個性を出すことができる。

 あえて、上記にない特徴を持ったタイプのキャラクター・職業を考えてみても良い。
 イメージしづらいが「HPが高い」「攻撃魔法が得意」「素早さが低い」などの組み合わせでも、バランスは取れる。サガシリーズの人外キャラクターなどが近いだろうか。

 また、前の記事でも書いたが、FFの青魔道士の様に、魔法・特技の習得方法でも個性を出すことができるし、竜騎士のジャンプの様に特徴的な技を職業の個性とすることもできる。

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posted by 砂川赳 at 09:50 | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする