タイトル | 機種 | 質量 | 物語 | システム | バランス | 快適性 | 美術 | 音楽 | 平均 | クリア日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アンリミテッドサガ | PS2 | 70 | 60 | 60 | 50 | 50 | 80 | 90 | 66 | 2003年 |
質量/物語
7人のキャラクターの中から主人公を選択可能。それぞれに異なるシナリオが存在する。
七大脅威と呼ばれるダンジョンの存在など、壮大な世界設定を感じさせる。
……が、期待したほどのストーリーが展開されるわけでもなかった。各主人公のシナリオは小さくまとまっている。
1人辺りのプレイ時間は10時間程度。さほどテンポがよくない割りに短い。
なお、筆者は6人までクリアしたが、マイス編だけはクリアしていない。全員をクリアすると歌付きのエンディングが流れるらしい。
システム/バランス
『技の使用』『宝の入手』『罠の解除』など、様々な場面でリール(ルーレット)が関わってくる。
おなじみの閃きシステムは今回も健在。ただし、せっかく覚えた技もリールを止めることができなければ使用できない。とはいえ、戦闘中のリールに限っては慣れれば確実に止めることもできる。
敵・味方共にHPが0になっても死なない。止めを刺すにはLPを0にする必要がある。HPを減らしてからダメージを与えるとLPが確率で減少するという仕組みになっている。
これにどういう面白みがあるのかは、ちょっと理解できなかった。LP減少が確率でバラけるので運ゲー臭がするのも不満。ぶっちゃけHPが0になったら倒れるほうが分かりやすいし、テンポも良いような……。
今までと違い、戦闘に勝利しても、キャラクターの能力はその時点で上がらない。ダンジョンをクリアした際に、戦闘などそれまでの行動によってHPが上昇する。
また、7つまで保有できるパネル(スキル)を選ぶことができるのだが、これが微妙なランダム性を持っているため非常にやりにくい。望んだパネルが出るとは限らない上に、強制的に交換なので、現状より弱いパネルに泣く泣く交換しなければならないことも。
『合成術』なるパネルを入手すれば、様々な術が使えるようになる。しかし、普通に一度クリアした程度のプレイでは、お目にかかることすらなかったり、出てきても物理系のキャラクターに出てきて使いようがなかったりとチグハグ。ちゃんと使えれば強力らしいのだが、6周してもまともに使えた試しがない。いくら何でも出し惜しみしすぎだと思う。術好きの僕としては無念過ぎる。
ダンジョンが長い割りに、セーブポイントが少ないため辛い。数時間、ダンジョンに潜った末に全滅してしまい、何度かやる気を失いかけた。難易度が高いのはいつものこと。だけど、従来のサガシリーズはそれをどこでもセーブなどの親切要素によって補っていたはず。今回はそういった配慮がないのが辛い。
『全身鎧』という裏技のようなものを使うと一気に難度が落ちるけれど、一気に手応えもなくなる罠。もう少しどうにかならなかったのか……。
サガシリーズにしては数値のインフレが抑え気味。キャラクターを成長させる快感が得られにくいので、ちと物足りないかも。戦闘に勝利してもすぐにはキャラクターが成長しない仕様のため、戦闘が面倒臭く感じてしまう。
最初はとっつきにくいだけで、実は慣れれば面白い作品なのではないかと期待していた。
……が、慣れてくると単純なアラのほうが目に付いてくる。独特のシステムの多くが、面白さよりも『とっつきにくさ』『テンポの悪さ』につながっているのがなんとも。
快適性
システムの都合上、戦闘を回避しにくい。やっぱりシンボルエンカウントと比べると、納得行かないことが多い。
リール等のシステムによって、戦闘テンポが遅く時間がかかる。
武器に耐久度が存在するが『武器修理』の能力があれば、いくらでも修理できる。でも、それだと回数が減るたびに修理する手間がかかるだけのような……。それだったら耐久度とかいらなくね?
鍛冶屋で特定の組み合わせで素材を合成した時に、一定確率で良い武器防具を作成することができる。しかし、こういうシステムはリセット作業ゲーを誘発するのも世の定め。そのために、何度もリセットする必要があるのが面倒。
奇抜なシステムばかりが話題になるゲームだけど、基本的な部分の快適性もかなり微妙。戦闘テンポはシリーズ中では遅めだし、ロード時間は普通に長い。
美術
独特のグラフィックは味がある。特に戦闘画面は後発のミンストレルソングよりもキレイだと思う。キャラクターの立ち絵だけで進行するイベントなど、随所に手抜き感が漂ってはいるけれど……。
なお、タイトルデモの完成度が音楽と相まって妙に高く、それだけ見ると非常に面白そうに見える。
音楽
サガフロンティア2に続いて作曲は浜渦正志が担当。音楽はこのゲームにおいて、最も普通にほめられる点。というか、曲が良すぎて作曲者が不憫なほど。その中でも通常戦闘曲の評価は高い。いいっすよね主旋律がバイオリンの戦闘曲って。
まとめ
とにかく、変わった作品を作ろうという意欲は感じたのだけど「変わったゲーム=おもしろいゲーム」という訳ではないし、単純に作りこみの甘い部分も多く見られる。
音楽やグラフィックなどの雰囲気は非常に良いので、変わったシステムが好きで、かつ手応えを求めるゲーマーなら意外と楽しめるかもしれない。
なお、一般にプレイする際は別売説明書(解体真書)が推奨されているらしい。とはいえ、今の時代はネットにも詳しい攻略情報がたくさんあるし、あえて、自分でいけるところまで攻略法を模索するのも面白いかと思う。