タイトル | 機種 | 質量 | 物語 | システム | バランス | 快適性 | 美術 | 音楽 | 平均 | クリア日 |
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ワイルドアームズ3 | PS2 | 80 | 70 | 80 | 70 | 80 | 80 | 90 | 79 | 2008年 |
質量/物語
荒野の世界『ファルガイア』を舞台にした西部劇風RPG。世界名はワイルドアームズ1、2と同じだが、続編ではない。
荒野の世界という設定がワイルドアームズ2(WA2)よりかなり強く押し出されている。物語の構成はWA2と比べると、物足りない部分があるが、ストーリーテンポは良い。まるで、連載少年漫画の如く、対峙する敵が複数回変更されるのが特徴的。
女性主人公のヴァージニアを批判する人が多いようだが、個人的には前作の地味主人公アシュレーよりは感情移入しやすかったと思う。
エンディングはかなりあっさりしているが、どちらかというとラストバトル前のイベントに比重が置かれているのかも知れない。
ダンジョン数などはWA2よりは少なめ。とはいえ丁度良いぐらいかと思う。
システム/バランス/快適性
パーティーメンバーの4人は一時的な離脱もあるが、ほぼ固定である。各キャラクターの能力ははっきりしており・・・
- 補助回復が中心だが、運用次第で攻撃にも活躍できるヴァージニア
- スピードと攻撃力で、先手を取って攻撃や回復ができるジェット
- 遅いが攻撃力はNo1のクライヴ
- 魔法担当のギャロウズ
という具合にそれぞれ持ち味がある。単純な『勇者』『戦士』『魔法使い』『僧侶』といった役割とはまた異なる。これに加えて、1人3つまで装着可能なミーディアムを身に付けることで魔法を覚えるというシステムなので、組み合わせによって、プレイヤーなりの個性を出すことができる。
戦闘テンポは前作よりも大幅に向上している。銃でバンバン撃ってザコ敵を倒していくのは爽快。なお、今回は一般的な装備に該当するシステムはなく、各キャラクターの武器は愛用のARM(銃)で固定されている。代わりに、このARMをお金で改造し、強化するというシステムになっている。
残念なのは、戦闘難易度が低めで頭を使わなくても楽に進めてしまうこと。特にラストダンジョンに7種類登場するディザスターというボスはそれぞれ属性が違うだけの焼き直しで、工夫が見られなかった。例えば、FF6の八竜は「物理攻撃が得意」「魔法攻撃が得意」「状態異常が厄介」というようにそれぞれ特徴を持っていたが、ディザスターもこのように個性を持たせても良かったはずだ。
シリーズおなじみの謎解きの難易度は丁度良い。シリーズの中でも良い出来だったかと思う。
美術
前作の粗いポリゴンから大幅なパワーアップを遂げており、荒野の世界という世界観を描き出している。馬に乗りながらエンカウントした場合の戦闘は非常に格好が良い。
音楽
元々、音楽に定評のあるシリーズだが、特にこの作品は戦闘、フィールド、ダンジョン、空、エンディングと様々な場面に良曲が揃っており、層が厚い。中でも、荒野の世界にマッチしたフィールド曲と戦闘曲は至高。