【RPG制作講座】ダンジョンバランス@ 面白いダンジョンとは?

2011年08月27日

 ダンジョンは戦闘と並んで、プレイ時間の多くを占めることになる。
 一般的にダンジョンのないRPGは珍しいけれど、そもそもダンジョンとは何のために設けられるのだろうか?

  • 苦労させることで、達成感を演出する。
  • 探索する楽しさを表現する。
  • シナリオを様々な面で補強する。
  • プレイ時間を増加させることで暇つぶしに貢献する。

 などなど、適当に挙げてみた。

 ファミコン時代など昔のRPGの中には、まるでプレイヤーを苦労させること自体が目的かのようなダンジョンも存在したが、基本的にはプレイヤーを楽しませるためのものである。その点を考慮して作成しよう。

 では、そのためにも第一にダンジョンの長さに焦点を当てたい。
 ダンジョンの長さを設定するに当たっては、プレイヤーがどのようにダンジョンを進んでいくのかを考慮する必要がある。通常は(僕を含め)宝箱などを漁りながら寄り道しながら進む人の方が多いはずであり、目的地に向かって一直線に進んで行く人はまれなはず。

 ダンジョンの長さを決めるに当たって忘れてはならないのは、ダンジョンの重要度。
 次の町に行くために通過するだけの重要度が低いダンジョンに数時間もかかる(例:FF12、ワイルドアームズ5)のは勘弁して欲しいと誰もが思うところだし、主人公と因縁のあるボス敵が待ち構えるダンジョンならば、長くて手強いほうがメリハリがつく。
 もっとも、重要度が高いダンジョンでも、ボス戦やイベントに専念させたいから、ダンジョン自体は短めに設定するというのも悪くない判断かも。

 以上を考慮した上で、具体的にダンジョンの入口から、攻略までの所要時間を挙げると……

  • 重要度が低いダンジョンで数十分〜1時間程度
  • 重要度が高いダンジョンで30分〜数時間程度

程度が目安だろうか。

 また、ボス戦闘後には基本的にすぐ出られるようにしよう。ボス戦後の後戻りなど消化試合のようなものでつまらない。
 脱出手段としては……

  • DQのリレミトの様な脱出魔法や脱出アイテム。
  • ワープポイント(セーブポイントなどと統合するのも良し。)
  • イベント終了後、勝手に画面が暗転し、入口に戻る。

 などがある。作品の雰囲気にあった手段を用意しよう。

 上記で挙げた時間はあくまで目安であり、長いダンジョンをプレイヤーに飽きさせないためには、それだけの内容を盛り込む必要がある。
 例えば……

  • 途中で出現する魔物を変化させる。
  • 宝箱を配置する。
  • 会話やボス戦などのイベントを入れる。
  • 仕掛けを用意する。
  • 景色で魅せる。

 などである。
 数時間の間、仕掛けもイベントもなく、景色に変化がなく、延々と同じ敵と戦わせられるだけのようなダンジョンは苦行にしかならないので注意しよう。

 同様に、ダンジョンは「プレイ時間を増加させることで暇つぶしに貢献する。」と記述したけれど、この考え方は正直なところお勧めできない。

 昔ならともかく、今の時代はインターネットなどによって、タダでもそこそこ面白い娯楽が豊富に存在する。それらに勝らなければ結局、暇つぶしにもならない。それでは本末転倒というもの。よって、無理な引き伸ばしによって質が落ちることは避けたい。

 当然ながら、質が高くて、かつプレイ時間も長い作品を作りたいならば、それだけの手間が必要であることを覚悟しよう。

 今回の講座では、主に一つのダンジョンについて説明したが、一作品内でのダンジョン構成もバリエーション豊かなものにしたい。

  • 洞窟
  • 森、竹林、ジャングル
  • 草原、湿原、雪原
  • 山、火山、雪山
  • 城、塔、基地、神殿
  • 遺跡、墓地、廃墟
  • 海賊船、幽霊船
  • 地底、海峡、海底

 適当に分類してみたけれど、同じ『洞窟』でも『鍾乳洞』『溶岩の洞窟』『海辺の洞窟』というようにさらに詳細に分類できるので色々と考えてみて欲しい。もちろん、それぞれダンジョンの種類に合わせて仕掛けや出現する敵などにも工夫を凝らそう。

 長編RPGともなると、一作品でダンジョン数が20〜30程度にも達することになる。バリエーション豊かなダンジョンを用意することで、プレイヤーを飽きさせないようにしたい。

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posted by 砂川赳 at 08:00 | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする