良いゲームバランスとは?の項で説明した内容と重なるが「敵と味方の戦力差が小さく、それなりに苦戦するが何とか勝てるバランス」が常に良いというわけではないことに注意して欲しい。
では本題、主人公とその仲間達の能力の設定について解説する。戦闘を楽しくするためには、キャラクターの能力は多彩かつ、全員がそれなりに役立つようにしたい。そうすることで、プレイヤーが試行錯誤する面白みが生まれるからだ。
一般的なRPGならば、キャラクターの強さ・特徴とは……
- 最大HP、攻撃力、魔法耐性等の能力値
- 装備品の性能
- 魔法・特技等、保有する技能の性能
の3点から決定される。
1.の能力値の設定にはExcelなどを使用して表を作成し、キャラクター同士の最高レベルでの能力を比較しながら、数値を調整すると良いだろう。
以下は普通のターン制戦闘のRPGを意識して、キャラクターの能力を設定した例である。
| キャラクター | HP | MP | 力 | 守 | 魔 | 速 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 勇者 | 500 | 200 | 250 | 100 | 200 | 200 | 戦士並の力を持ち、それ以外の能力も平均以上 |
| 戦士 | 600 | 100 | 250 | 100 | 100 | 100 | 攻撃力、HPが高い。MP、魔力、素早さが低い。 |
| 武道家 | 450 | 100 | 300 | 90 | 100 | 250 | やや打たれ弱いが、力が非常に高く、素早さも高い |
| 盗賊 | 400 | 150 | 200 | 90 | 150 | 300 | 素早さが高いが、全体的に能力が低い。 |
| 魔道士 | 350 | 300 | 100 | 90 | 300 | 200 | 攻撃力、HPが低い。MP、魔力が高い |
| 僧侶 | 360 | 300 | 120 | 90 | 280 | 180 | 攻撃力、HPが低い。MP、魔力が高い |
| 詩人 | 400 | 150 | 130 | 100 | 150 | 150 | 全体的に能力が低い。 |
注意して欲しいのはHPと守備力の2つ。どちらも、耐久力を表すパラメータであるため、キャラクターによって両方の値に大きな差を付けると、予想以上に耐久力に差が付いてしまうことがある。
お勧めの調整法は守備力を装備品の性能に強く依存させること。キャラクター毎による守備力の差は微量に留めておいて、その上で、HPにはっきりと差を付けておけば耐久力の差は十分表現できるはず。
※余談だけど、SFCのRPGツクール1,2は守備力が最大HPの半分という妙な仕様だった。HPが高いキャラほど固くなるので、耐久力が想定以上に差がついてしまうので苦労した。上の調整法はそういう経験からできていたりする。
ともかく、以上の表である程度の個性をつけることができた。だが、これでは魔道士と僧侶に違いがないし、盗賊や詩人があまり役に立つとは思えない。そこは魔法・特技を設定することで調整しよう。
| キャラクター | 技能 |
|---|---|
| 勇者 | 回復魔法 |
| 盗賊 | 盗む、素早さ依存の攻撃技 |
| 魔道士 | 攻撃魔法 |
| 僧侶 | 回復魔法 |
| 詩人 | 補助魔法 |
ポイントを挙げて解説すると、以下のようになる。
- 主人公である勇者には回復魔法を付けると、どんな編成をしても(僧侶抜きでも)パーティが安定する。序盤の1人旅も安心である。
- 盗賊は敵からアイテムを盗むことができる。それだけだと、ボス戦ではお役御免になるので、素早さで威力が上昇する技も覚えさせて、攻撃役としても使えるようにする。
- もちろん、魔道士は攻撃魔法、僧侶は回復魔法を覚える。
- 詩人は補助魔法を覚えるため、使い方次第では他のキャラクター以上の活躍をする。
特に回復を行う魔法・特技・道具は戦闘バランスを取る上で、重要な要素となるので注意したい。中でも全体回復や蘇生が存在すると、格段に全滅の危険性が低下する。全員が簡単に全体回復や蘇生の魔法を使えるようなバランスだと、戦闘が単調かつ簡単すぎてつまらなくなる可能性も高い。回復が使えるキャラ、使えないキャラは明確に意識して設定しよう。
また、全体攻撃についても無闇に作らないほうがよい。単体攻撃の場合は、どの敵を優先して倒すかを考えなければならず、自然と戦略性が生まれることになる。対して、全体攻撃の場合、対象を選択する必要がないため、戦略性がなくなり、戦いが単調になってしまう懸念がある。もっとも、全体攻撃で敵を一掃する爽快感は捨てがたいのも事実であるため、この辺のサジ加減は悩ましいところである。
ここまで、キャラクターのバランス設定について解説したが、今までの例は飽くまでもお勧めの一つである。例えば、FFの青魔道士(敵から受けた魔法を覚える)のように特技の習得方法に個性を見出す方法もある。キャラクターの特徴の付け方はまだまだ考えられるので、色々と研究してみて欲しい。
最後にストーリーとの関連も忘れてはいけない。キャラクターがいつ仲間になるのかも重要な要素である。回復魔法が使えるキャラクターは早い時期に仲間にしたいところだし、戦士・魔道士のような基本的な職業も、早めに仲間にした方が戦略の幅が広がる。また、後半、仲間になるキャラクターは扱いにくいので、強めでもいいかもしれない。
「後半、期待されて仲間になったが役に立たない」といえば、DQ6の青い人が有名である。こういうキャラはプレイヤーの期待に応えるために、少し強すぎるくらいでもいいかもしれない。
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