作品 | DQ1 | DQ2 | DQ3 | DQ4 | DQ5 | DQ6 |
---|---|---|---|---|---|---|
町数 | 6 | 11 | 21 | 31 | 19 | 33 |
ダンジョン数 | 5 | 12 | 18 | 24 | 25 | 27 |
仲間数 | 1 | 3 | 16 | 9 | 48 | 27 |
職業数 | - | - | 8 | - | - | 18 |
文字数 | 7000 | 15000 | 40000 | 90000 | 200000 | 400000 |
作品 | FF1 | FF2 | FF3 | FF4 | FF5 | FF6 |
町数 | 8 | 9 | 17 | 15 | 17 | 14 |
ダンジョン数 | 10 | 16 | 25 | 18 | 31 | 29 |
仲間数 | 6 | 4 | 4 | 5 | 4 | 14 |
職業数 | 12 | - | 22 | - | 22 | - |
文字数 | 15000 | 30000 | 40000 | 70000 | 80000 | 120000 |
※数値は解釈の違いによって多少前後する。
例:DQ3の岬の洞窟とナジミの塔は1ダンジョンとしてカウント。
※リメイクではなくオリジナル版を基準としている。
※仲間数は最後まで連れていけることが条件。
※文字数はストーリー上のセリフ&メッセージに加えて町人のセリフやシステムメッセージまでを含む。
各サイトでみつけたセリフ集を頼りに大雑把な文字数を調べたもの。
※DQ1〜4、FF1〜4はかな文字のみ。
文章を漢字化すると、20%程度文字数が減ると考えると良い感じ。
※DQ5はSFC版の完全なセリフ集が見つからなかったため、文字数は推測値。
調査結果についての考察及び補足。
- DQは町人の会話が豊富。FFはイベントでの会話が豊富だが、町人のセリフは簡素な傾向有り。
- DQ6の文章量が予想以上に圧倒的。2つの世界の存在。長めの会話。シナリオ進行によって細かく変化する町人のセリフなどが主な要因か。
- 表には無いがDQ7はマリベルのセリフだけで、13万字程度ある模様。話すシステム恐るべし。全合計で100万以上かも。
- 他にも松野泰己氏のTwitterでの発言によると、FF12は60万とのこと。ちなみに、SFC版タクティクスオウガは30万、PSP版タクティクスオウガは70万だそうです。
- 一般的な小説1冊(文庫)の文字数は1ページあたり500文字。200〜400ページと考えて、10万〜20万字程度。もっとも、ゲームでは小説と比較して冗長な文章は嫌われる。文字数が同程度ならば、小説よりゲームの方が大変かなあと。
- 本当は敵数や魔法・特技数、曲数、キャラクター画像数なども調べたかったが、時間の都合で省略。いずれ調べて、追加するかも。
次に僕の経験を目安にして、個人制作において、一般的なRPGの作成にかかる作業時間を項目分けしてみた。戻り作業なども多少考慮している。
あくまで、僕が適当に決めただけなので、自分にそれなりの経験があるならば、そちらを基準に測って頂ければ。
- 町・ダンジョン:1個15時間
- ゲームバランス・テストプレイ:1つの町・ダンジョンに付き5時間
- 文章・シナリオ:1時間で400文字
- キャラクターグラフィック:1人4時間
- モンスターグラフィック:1体5時間(色違いは除く)
- マップチップグラフィック:1種類10時間
- 作曲:1曲10時間
- 戦闘システム構築:150時間
- メニュー画面構築:100時間
※システム構築時間はどんなものをつくるかによってかなり変化する。あくまで参考値。
※RPGツクールなどのツールを使用した場合での目安であるため、自分でプログラムを組む場合は、これの最低2倍は覚悟したほうがよさげ。
上記の表と合わせることで、作りたい作品の規模とそれに必要な時間が何となく割り出せるはず。例えば、FC版DQ3と同規模のオリジナルRPGをSFCのクオリティで作成したいと考えた場合……。
(あくまでSFCのクオリティで作成した場合。FCでは色数や音色数が少ないし、マップ構成も単純なため、もっと少なくすむ。)
○町・ダンジョン:40×15=600時間
○ゲームバランス・テストプレイ:40×5=200時間
○文章・シナリオ:40000÷400=100時間
●キャラクターグラフィック:50×4=200時間
●モンスターグラフィック:50×5=250
●マップチップグラフィック:10×10=100時間
●作曲:18×10=180時間
○のみ合計: 900時間
●含む合計:1630時間
○の項目は必須だが、●の項目はフリー素材などを利用するならば、考慮しなくてもよい。というか、グラフィックや音楽まで、全て自作する人はまれだと思う。
また、この時間はオリジナル作品の場合である。著作権の問題はとりあえず無視するとして、仮にDQ3のマップをそのままコピーしたり、文章を丸写しするだけならば、恐らく半分程度の時間で完成できる。オリジナル作品を作る場合は構想に時間がかかるし、戻り作業なども発生するので考慮する必要がある。
リメイクではこうした手間が大幅に軽減される。大手ゲーム会社がリメイク作品ばかりを出したがるのはこういうわけかも。
そして、これにシステム構築する時間を加えれば、大体の制作時間となる。ツールのデフォルトシステムで足りるならば、ほとんど無視できる。
今回は素材作成も自分でやるとして、1610時間。
戦闘システムやメニューなども自力で構築するとして、190時間。
合計して、1800時間とみなして話を進める。
さらに、一日辺りに使用できる平均時間を求める。もちろん、その人の環境によって利用できる時間は変わってくる。部活や習い事、受験勉強、就職活動など、その他の時間を食う活動はしないことが前提だけど、大雑把に見てこんなところかな……?
- 学生:5〜8時間(長期休暇含む)
- 社会人:2〜5時間
- 無職:8〜12時間
右側の数字はヒマがあれば、ゲーム制作にいそしむぐらいの勢いでやらないとこうはならない。たとえ、無職で時間が余っていても、1日12時間もゲーム制作につぎ込むのは至難の技。
社会人は仕事のストレスによって、せっかくの休日なのに制作する気力がない――という悲しい宿命もありえる。
ゲーム制作とはかなりの気力を要する作業。疲労などで制作期間に空白を作ってしまった場合は、モチベーションの維持が難しい。職場が休日出勤当たり前だったり、完全週休2日になっていない場合などはこれより厳しくなる。
1日平均6時間を開発に使える学生ならば、1800時間必要なRPGを完成させるための期間は300日となる。
もっとも、これはモチベーションを保てた場合の話。実際は1.5倍〜2倍程度を見ておいたほうがよいかも知れない。
同じようにパラメータを変えて計算すれば、作りたい作品の規模と自分の環境によって、どれぐらいの期間が必要か目安ながら分かるはず。ぜひ、自分の場合に置き換えて考えてみて頂ければ。
このように市販の大作RPGと同じような規模の作品を、一人で作りたいなどという場合は年単位の時間が必要となる。RPG制作を始めたばかりの初心者がこれだけの長期間、挫けずに制作を続けることは本当に難しい。
なので、始めは期間が数週間〜数ヶ月に収まる程度の作品から作るほうがおすすめ。フリー素材をうまく活用すれば、数ヶ月程度でもそれなりの作品を作ることも可能なはず。
ともあれ、十分な時間さえあれば、数年で市販RPGと同規模の作品が完成させられるというのも凄い時代になったもの。実際、アマチュアが作成したRPGの中でもDQ3以上の規模の作品はさして珍しくない。
作り手に情熱があれば、市販並の美麗3DCGなどは無理でも、それ以外では市販を超える作品だって、作ることは決して不可能ではないはず。
最後に、何年という期間で制作を行うと、自分自身や周囲に環境の変化がある可能性は無視できない。
一生ゲーム制作をしていたい。ゲーム制作で食っていきたい。ゲーム制作はもはや日課。とかなら大丈夫。しかし、そこまでに至っていないならば、環境の変化によって、意気が挫けたり、気が変わったりして、制作中止となってしまう懸念がある。
自分の環境とゲーム制作への思いを秤にかけて、現実的な期間で完成できる規模に決めよう。
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