ゲームバランスとは?
ゲームバランスと言われると、大抵の人は『敵の強さ』『味方の強さ』などの戦闘バランスのことを頭に思い浮かべるはず。確かに、戦闘バランスは重要な要素の一つだけど、ゲームバランスとはそれだけで語れるものではない。
例えば、戦闘に関わる要素だけで以下のように挙げられる。
- 敵と味方の強さ
- エンカウント率(敵の出現率)
- ダンジョンの長さ
- 全滅時のペナルティ
- 回復ポイントとセーブポイントの配置
- 装備品の性能とお店で買える価格
- 宝箱の配置と中身
以上の様に多くの要素が密接に関連している。
敵の強さが普通であっても、エンカウント率が高い(戦闘回数が多い)とパーティーの消耗が激しく、ゲーム進行が厳しいと感じることになる。ここではそれら様々な要素の調整法について、考察していきたい。
良いゲームバランスとは?
それでは、実際に『良いゲームバランス』を実現するためにはどうすればいいだろう? ゲームバランスといわれると何となく「時間をかけて丁寧に作れば作るほど良くなる」と考えてしまうかもしれない。しかし、それだけでは足りない。
重要なのは良いゲームバランスとは何かを理解すること。この前提ができていないと、どんなに時間をかけても『良いゲームバランス』を実現することはできない。
そもそも『良いゲームバランス』とは何だろう? 単純な結論を言うと「ゲームが面白いと感じるバランス」となる。「当たり前のことを言うな」と怒られそうだけど、意外と盲点になっているように思える。
最もありがちなのは、『良いゲームバランス』を難易度が難しすぎるでもなく、簡単すぎるでもなく、自然にプレイしていればクリアできるようになっているバランス――と勘違いしている例。
自然にクリアできるバランスというのは確かに快適。けれど逆を言えば、乗っていれば自動的に目的地へとたどり着くエスカレーターのようなもの。快適さと引き換えに刺激が少なく退屈な場合も多い。時には、プレイヤーに対して難しい判断を迫り刺激を与えることも必要となる。
難易度というのは、ゲームバランスにおける一つの要素に過ぎない。難しかろうが、簡単だろうが、要は楽しければいい。
では、ゲームバランスにおいて、ゲームを楽しくするために重要な要素を以下に挙げてみる。
- 快適である。
- 考える楽しさがある。
- 達成感がある。
- 変化に富んで飽きない。
などが挙げられる。難易度とは主に『達成感がある』を実現するための一要素に過ぎない。以降の講座で、これらの要素を実現するための解説に入っていきたい。
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