【RPG制作講座】良いゲームバランスとは?

2011年05月21日

ゲームバランスとは?


 ゲームバランスと言われると、大抵の人は『敵の強さ』『味方の強さ』などの戦闘バランスのことを頭に思い浮かべるはず。確かに、戦闘バランスは重要な要素の一つだけど、ゲームバランスとはそれだけで語れるものではない。

 例えば、戦闘に関わる要素だけで以下のように挙げられる。

  • 敵と味方の強さ
  • エンカウント率(敵の出現率)
  • ダンジョンの長さ
  • 全滅時のペナルティ
  • 回復ポイントとセーブポイントの配置
  • 装備品の性能とお店で買える価格
  • 宝箱の配置と中身

 以上の様に多くの要素が密接に関連している。

 敵の強さが普通であっても、エンカウント率が高い(戦闘回数が多い)とパーティーの消耗が激しく、ゲーム進行が厳しいと感じることになる。ここではそれら様々な要素の調整法について、考察していきたい。

良いゲームバランスとは?


 それでは、実際に『良いゲームバランス』を実現するためにはどうすればいいだろう? ゲームバランスといわれると何となく「時間をかけて丁寧に作れば作るほど良くなる」と考えてしまうかもしれない。しかし、それだけでは足りない。

 重要なのは良いゲームバランスとは何かを理解すること。この前提ができていないと、どんなに時間をかけても『良いゲームバランス』を実現することはできない。

 そもそも『良いゲームバランス』とは何だろう? 単純な結論を言うと「ゲームが面白いと感じるバランス」となる。「当たり前のことを言うな」と怒られそうだけど、意外と盲点になっているように思える。

 最もありがちなのは、『良いゲームバランス』を難易度が難しすぎるでもなく、簡単すぎるでもなく、自然にプレイしていればクリアできるようになっているバランス――と勘違いしている例。
 自然にクリアできるバランスというのは確かに快適。けれど逆を言えば、乗っていれば自動的に目的地へとたどり着くエスカレーターのようなもの。快適さと引き換えに刺激が少なく退屈な場合も多い。時には、プレイヤーに対して難しい判断を迫り刺激を与えることも必要となる。

 難易度というのは、ゲームバランスにおける一つの要素に過ぎない。難しかろうが、簡単だろうが、要は楽しければいい。

 では、ゲームバランスにおいて、ゲームを楽しくするために重要な要素を以下に挙げてみる。

  1. 快適である。
  2. 考える楽しさがある。
  3. 達成感がある。
  4. 変化に富んで飽きない。

 などが挙げられる。難易度とは主に『達成感がある』を実現するための一要素に過ぎない。以降の講座で、これらの要素を実現するための解説に入っていきたい。

>RPG制作講座目次に戻る
posted by 砂川赳 at 18:58 | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする