【RPGレビュー】ファイナルファンタジー6

2013年05月11日


発売元スクウェア
機種SFC
発売日1994/04/02
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
90908080909090871994年頃

1994年発売のスクウェア黄金期を代表するRPG。当時は11,400円(+消費税3%)と高かった・・・。それでもなお満足させるだけの完成度があったのも確か。

質量/物語


多数の仲間キャラクターが登場する物語。特定の主人公は明示されていない。FF4,5よりも更にSFよりの世界観で、魔法と機械が合わさった文明が表現されている。

物語の前半と後半でガラッと変わるストーリーやゲームデザインが特徴的。前半はストーリーテンポが良く、めまぐるしく展開が変わる。途中でパーティが3つに分割してストーリーが進む箇所があるが、基本的には一本道で前の町に引き返したりできる機会は少ない。

そして後半は一転して、離散した仲間を集めることに。集める順番は自由なので、プレイヤーによって個性が出る。他にも後半はサブイベントが盛りだくさん。モンスターに吸い込まれることで、突入するダンジョンなんてよくぞ実装したものだと感心する。

イベント演出はSFCでも最高レベル。『オペラ』をシナリオに組み込むなど、こんな派手なことをしているのは、SFCではFF6ぐらいだろう。FF9のオープニングが演劇から始まるのはセルフオマージュだろうか。

隠し要素や小ネタが豊富で、普通にプレイしているだけでは気付かないようなモノも。中には、特定のキャラクターの生死に関わるイベントも存在する。もちろん、初回プレイにおいては気付かず、筆者は約2名程を見殺しにした。シドは殺した方が流れが美しいので。

何気に町人のセリフが超簡素。これを残念というべきか、簡潔というべきか・・・。DQと比較すると何だかシュールなので軽く紹介。

「ここはサウスフィガロの町。」
男たるもの余計なことは言わない。体言止めでクールに締める。

「えらいこっちゃね!
 帝国を敵にまわすとは……」
なぜか関西弁の少女。

システム/バランス/快適性


14人いる中から自由に4人を選択して編成する。実はパーティの入替えを自由にできる初のシリーズ作品だったりする。後半はパーティを2〜3に分割して、切り替えながら進むダンジョンも存在。特にラストダンジョンはFF8に並ぶ作り込みだ。

戦闘

FF5と比較すると、魔法や特技の使用などに若干の間があるので、戦闘テンポは若干低下している。それでも十分にテンポ良い部類だとは思うけれど。

各キャラクターはオリジナルコマンドを保有しており、それぞれの個性がある。格闘ゲームのようなコマンド入力で発動する『ひっさつわざ』、手に入れた道具で様々な効果を発揮する『きかい』など多種多様だ。でも『まふうけん』とか『ぬすむ』とか、キャラによって地味なのは少し悲しいかもしれない。他にも、HPが減って瀕死になった時のみ発動する隠し奥義なんてものも存在する。

魔石システムによって、仲間へ自由に魔法を覚えさせることができる。これはオリジナルコマンドとは異なり、全キャラ共通の成長システムとなる。つまり、キャラの個性化と凝った成長システムという二兎を追う構成になっているわけだが、それなりにうまくいっているように思う。

細かいところでは、FF5までは1人1つしか装備できなかったアクセサリが、2つまで装備できるようになっている。アクセサリの種類も豊富で、プレイヤーなりの個性付けが可能だ。これを複雑化したものが、FF7のマテリアと考えることもできそうだ。

難易度

難易度は序盤こそ優しいが後で難しくなる。ゲーム中盤のダンジョン『魔大陸』辺りからの難易度上昇は中々に厳しい。後半、パーティが離散してからしばらくは戦力も整わず、詰まりかけることも多いと思う。
とはいえ、味方側もどんどん強くなるので、また楽になっていく。というか、今度は楽になりすぎて、ラストバトルの頃にはヌルゲーになっている可能性もおおいにある。なんせ、ラスボス最終形態のHPはたったの60000超。ダメージ9999以上の攻撃を普通に叩き出せるこのゲームでは瞬殺されるのも仕方がない。

美術


『オペラ』イベントでの演出は上で述べた通り。『飛空艇』や『魔導アーマー』を始めとした機械類のデザインセンスもさすが。様々なオリジナルコマンドから繰り出される戦闘アニメーションは個性豊か。魔法や幻獣(この作品の召喚獣)の種類も豊富だ。

難を言えば、ドット絵が暗いのは少々嫌かもしれない。特に後半はストーリーの関係でマップチップ(特にフィールド)が暗いのなんの・・・。

音楽


作曲者は当然の植松伸夫氏なので、品質の高さは保証されている。ただ世界観の都合もあって、FF5と比べると暗い曲が多いのが悲しいところだ。しかし、そんな暗めなFF6において、後半に流れる『仲間を求めて』は希望あふれる名曲だ。暗くなりがちな後半を、この曲で大きく持ち直す。

もちろん戦闘曲、ダンジョン曲なども豊富。ラスボス戦は、美術演出と併せて何の芸術を目指しているのかと思った程だ。
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【RPGレビュー】ドラゴンクエスト5

2013年04月27日


発売元スクウェア・エニックス(公式)
機種PS2
発売日2004/03/25
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
80908080908090842004年頃

質量/物語


SFCで発売したDQ5のPS2版リメイク。オリジナルは1992年と古く、SFCでも比較的に初期の作品となる。

親子3代に渡る物語が特徴。物語は主人公の少年期から始まり、やがて青年期へ移る。何といっても、結婚〜出産なんて要素がストーリーに組み込まれているのは当時斬新だった。その結婚相手を巡るビアンカ派とフローラ派による聖戦は『ティファ派VSエアリス派の戦い』あるいは『きのこたけのこ戦争』と並んで有名。
ちなみに、DQ5のリメイクにはDS版も存在して、そちらには第3の花嫁デボラが登場する。PS2版には登場しないので悪しからず。

少年期のイベントの多くが青年期の伏線になっており、無駄の無い構成になっている。堀井雄二氏によれば、主人公を交代させるのが嫌だから、真ん中の2代目を主人公として固定したとか何とか。確かに、主人公が体験する波瀾万丈の人生は、プレイヤーへの感情移入度を高める。

シナリオの評価はシリーズ中でも高い。特にDQ5は、シナリオが大人のツボを突いているためか、時代と共に評価が上がってきた印象がある。

難を言えば、ラスボスの影が薄いこと。そもそも考えてみると、主人公に与えられる旅の動機は『母を助ける』とか『妻を助ける』とか『父の仇を討つ』なのだが、その辺りのエピソードはラスボスよりも前に片が付いてしまう。となると、ラスボス戦がそれらのついで扱いになってしまっているわけだ。

しかも、作中には父の仇となる悪役が存在し、そちらは中ボスながら強く印象に残る。DQ3,4と印象強いラスボスが続いただけに、存在感で中ボスに負けるラスボスは悲しいものがある。リメイクに当たって、その最大の悪役だったゲマの出番が増えていたので、裏ボスフラグかと思ったが別にそんなことも無かった。

DQ5にはSFC版の時点で、クリア後の隠しダンジョンと裏ボスが存在しているのだが、PS2版でのさらなる追加ダンジョンや裏ボスは存在しない。とはいえ、DQ4リメイクのように、話を大きく変えてしまうような追加要素は賛否が分かれるので、無くて良いかもしれないけれど。

会話システムがDQ7から逆輸入されており、仲間と会話することができる。SFC版と比較して何倍にもセリフ量が増えており、後半はファミリーでの会話も可能となるのも嬉しい。ピピンなど、影の薄かった仲間にも大いに個性が付いた。これのせいで人間キャラばかり入れたくなってしまうが、当作品のモンスター仲間システムと衝突してしまうのは難点かも……。

どうでもいいけど、ヘンリーのキャラクターが7のキーファと被りまくっていることに気付いた。王子で、主人公の親友で、むっつりスケベで、女に惚れたら一直線で、途中で離脱……という具合に完全一致。キーファと違って、離脱する理由は至極真っ当であるけれど。

システム/バランス/快適性


戦闘参加人数がSFC版では3人だったが、4人に増えている。これは豊富な仲間がいる作品なので嬉しいところ。それでいて戦闘テンポはそれまでのシリーズ作品の中でも最速レベル。アニメーションの存在しないFCのDQよりも遥かにスピーディ。

といっても、難易度が下がったわけではない。敵の同時出現数が増えたり、ボスが強くなったりしている。また、マップが広くなったのに伴い、ダンジョンも広くなった。トロッコ洞窟のような、SFC版だと数十分で終わったようなダンジョンに数時間掛かる場合も。

SFC版で手強かったダンジョンもやはり手強い。レヌール城は序盤のダンジョンにしては厳しいなと毎度思うのだが、それだけに同行するビアンカの印象も深まる。さすがにそこまでの効果は狙ってはいないだろうけれど。

当作品のシステム面での最大のウリは、何といってもモンスター仲間システム。当時は、魅力あるDQのモンスターが仲間になるというだけで、どれほど嬉しかったことか。

ただし、モンスターのバランスに付いてはSFC版からの問題と、リメイクによる問題の両方で、色々と疑問がある。まず、スライムナイトやゴーレムが仲間のしやすさと性能面で突出しているのは、SFC版から相も変わらず。プレイヤーによるパーティ編成は似たり寄ったりになりやすく、豊富なモンスターが仲間にできる利点が存分に発揮できていないのがもったいない。
リメイク版で追加されたモンスターも、中途半端な使い勝手なのが目立つ。例えば、ゴーストだが、仲間にできるのが後半なのにレベル1で加入されても使いどころが無い。エビルアップルは強いが、ビジュアル的に誰得な上に、レベル20が最高レベルなので、後半は役に立たずというのは寂しい。そもそも、ゲーム中盤で捨てざるを得なくなるようなレベル制限って、本当に必要なのだろうか。

また、仲間になる確率が1/64とか1/256とか、低めに設定されているモンスターは能力問わず全く出番が無い場合も。なんせ、普通にプレイすると、クリアまでの戦闘回数は1000回程度というところなので。

PS2版の最大の欠点はAIがバグと言っていいほどお馬鹿なこと。「弱い呪文や道具を意味もなく多用する」「大してHPが減ってないのに回復を使用する」など、話にならないレベルだ。「命令させろ」を使えば問題ないのだが、もったいない。

追加要素@のすごろく場だが、これはDQ3のリメイクにもあったもの。でも、所詮はおまけなのに高難易度の運ゲーなので、かなりストレスが溜まる。最後(クリア後)のすごろく場は『落とし穴』や『ふりだしに戻る』がたくさんあって、嫌らしさが半端ない。マゾゲーマー以外にはお勧めできない。

追加要素Aの名産品システムは、そもそも無くても支障ないようにも思える。色んな町を巡る面白みを出したかったのかもしれないけれど、全部集めてもこれといって報酬が無いのは何だかむなしい。

美術


マップやキャラのグラフィックはRPGツクール5を彷彿とさせる。といっても、ツクール5もそれなりに頑張っている部類なので、ショボイとまでは言わないけれど……。でも、キャラの腕が妙に大きいのには違和感がある。

もっとも、元のDQ5は色使いが暗く、SFC初期の作品と比較してもグラフィックに劣る印象だった。それを考えれば、よく動くモンスターなど悪くはないのではないだろうか。

音楽


正直、SFCの時はそれほど強く印象に残らなかったのだけれど、全曲オーケストラ版となってみるとまるで違う。特に通常戦闘曲の作り込みは圧巻。地味と思っていたボス曲やラスボス曲なども、威圧感があるものに。

町の曲もシリーズ中ではかなり好き。中盤以降の悲壮感のあるストーリーと重なって、だんだんと曲調に哀愁を感じるようになるのは僕だけだろうか。
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【RPGレビュー】ラストバイブル3

2013年04月13日


発売元アトラス
機種SFC
発売日1995/03/04
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
80807050607080702002年頃

女神転生の外伝的シリーズとして、SFC後期に発売された。1,2はゲームボーイの作品。

質量/物語


あらすじ

かつて、世界では30年にも渡る戦争が繰り広げられていた。その中で、シャドー・ウォーカーと呼ばれる部隊に所属していたアレク、グレンらは、大きな活躍を果たした。そして、戦争が集結し15年――世界は平和になったように見えた。がしかし、ラガの村で暮らしていたグレンの元に、戦友アレクが死んだとの訃報が入る。色々あって、グレンの息子シエル、ルディらは大きな戦いに巻き込まれていく。

感想

本家メガテンシリーズと比較すると、ファンタジーよりの世界観。一見すると、ほのぼのしていて子供向けな雰囲気があるが、メガテン譲りのダークさも併せ持つ。上述したあらすじの通り、この時代のファンタジーRPGとしては異質な設定で、アンバランスながらも、それが魅力的でもある。後半のストーリー展開は、序盤の平穏な雰囲気からは想像も付かない様な流れに。SFCのRPGでも、かなり大きな展開をする部類かと思う。

登場人物も個性的。結構重い世界観なのに、会話のテンションが高いのが何だか独特なノリを作っている。敵側の人物も「不死身の科学者」「都市国家の元老院議員」など凝った設定が付いている。

どうでもいいけど、ヒロインの名前が『モチョワ』というネーミングセンスは斬新。由来とかあるのだろうか・・・? 設定上、ヒロインは主人公と両想いらしいが、主人公が無口なので、その一途さが軽くヤンデレっぽく見えてくるのは気のせいか。ある意味、面白いけど。

システム/バランス/快適性


メガテンシリーズよりもライト寄りのシステム設計。おなじみの3Dダンジョンではなく、普通の2D形式のRPGなので、ダンジョンで迷うことはさほど無い。悪魔合体によって、仲魔を作る事ができるのだが、合体後に継承する魔法を自由に2つまで決められるのは便利。(というか、後のメガテンシリーズ作品にあるランダム継承はどうかと思う。)

戦闘メンバーは6人まで。主人公のシエルとその弟ルディが多くの場面で固定。その他のキャラは展開に応じて頻繁に入れ替わる。最終的には、その2人に加えて、複数いる人間キャラの中から仲間を1人選び、残りの3人は仲魔(悪魔の仲間)を呼ぶことになる。個性的なキャラが多いので、できればもっと人間キャラを使いたかった。

問題点

  • エンカウント率が高い。しかも、逃げにくい。
  • 人間キャラの攻撃力が低くて、物理攻撃は使いものにならない。仲魔を憑依させる事で高い攻撃力を得る『ビーストソウル』という武器で主人公だけは何とかなる。しかし、他の仲間は・・・。
  • 最大HPは4桁に達するのに、最大MPが255で打ち止め。
  • にも関わらず、消費に見合わない弱い魔法の数々。
  • 無意味に装備アイテムが多い。

などなど、気になる部分多数。特にエンカウント率の高さは半端無い。そして、難易度はメガテンシリーズのわりに低めなので、オート戦闘に頼る頻度が多くなる。こうなると、雑魚戦が作業でしかなくなり苦痛となってしまう。

システムを簡単にして、難易度を下げて、ライトユーザ向けを意識しているように見える。しかし、それでもエンカウント率が高いのは辛い。ただ、戦闘はエストマの魔法や、悪魔との会話で避けることができる。一度、仲魔にした悪魔に話しかけると即、戦闘終了できる仕様は便利だ。

なお、敵は弱めなのだが、ラスボスだけは非常に強い。対策を立てれば、十分勝てる強さだが、今までのヌルさは何だったのかという程に落差がある。

美術


SFC後期の作品としては、やや劣る部類だが悪くはない。特に戦闘エフェクトが派手(時々、長いものがあるが・・・)。フロントビューだが、同時代のDQと異なり、敵側の魔法エフェクトもしっかり用意されている。

マップチップも綺麗なのだが、歩行キャラクターがちょっと微妙かも。具体的には色使いがケバくて、頭身などのバランスが悪い。特に、肝心のメイン2人(シエル、ルディ)の出来が今1つなように思う。また、レナやメルウといった何度も登場するキャラまで、一般人グラフィックの流用なのはさすがにどうかと。せめて、色ぐらいは変えてくれと・・・。

音楽


フィールド曲はどれもクオリティが高く、ストーリー進行によって変化する。特に魔界のフィールド曲は美しい。戦闘曲も進行に応じて変化する。

まとめ


子供向けの皮を被ってはいるが、中々に濃いRPG。内容はあるだけに、きちんと調整してリメイクすれば、非常に面白くなりそうな気はする。
posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(5) | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする