【RPGレビュー】ファイナルファンタジー4

2013年07月27日


発売元スクウェア
機種SFC
発売日1991/7/19
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
60707060707080691998年頃

FF4と言えばSFC初期の発売で『当時の衝撃』が強調されることが多い作品。残念ながら、僕の場合はFF5,6よりもかなり後になってプレイしたため、発売当時の衝撃というものを知らない。思い出補正的なものはなく、FF5,6よりも評価が幾分低いというのは先に断っておきたい。

質量/物語


前作のFF3と比べてもダンジョン数がかなり少ない。(FF3の25に対して、FF4は18)そして、テンポはそこそこ良い部類なので、意外とあっさり終わる。クリアまで、15〜20時間という所だが、その内3〜5時間程度がラストダンジョン。この極端な配分はクロノトリガーにも類似している。

敵味方共に、多数のキャラクターが登場する。今時のドラマ性重視のRPGの先駆け。当時のRPGとしては演出・シナリオ等の面で圧倒的なものがあった。ただし「死んだ」「生きてた」「裏切った」の繰り返しなので、安易に感じる部分も。
とはいえ、王道漫画的な演出で盛り上げるラストバトルは熱い。SFC作品のラストバトルではこれとマザー2が良く語り草になっているように思う。

システム


この作品で、おなじみATB(アクティブタイムバトル)が採用された。コマンドを入力するスピードが重要となる。ただし、この頃はタイムゲージが表示されていないので、順番が分かり辛いのが難点。

ストーリー進行に応じて、キャラクターがころころ入れ替わるので、自由なパーティー編成はできない。また、これといったシステムが無いので、ゲーム的にはFF5以降と比べると見劣りする。というか、ジョブシステムのあったFF3と比較しても物足りない気がする。

バランス


FFシリーズの中でも、ザコ敵がかなり強く設定されているのが特徴。ラストダンジョンのザコ敵なんて、油断するとすぐに全滅を喰らう。その割に、ボスは弱点さえ付けば拍子抜けするほどあっさり勝てることも。ただし、ラスボスを始め、強くて手応えあるボスもいる。
アサルトドアー等、ボス敵がこちらをほぼ確実に一撃死させるような技を使うことがある。蘇生に使うフェニックスの尾がたったの100ギルで買えるので対処はできる。が、「戦闘不能→蘇生」の繰り返しというのは、戦略も何もあったもんじゃないので、個人的にはあんまり好きじゃない。

この作品で僕が最も気になったのはエンカウント率の高さ。ザコの強さと相まって辛い。それでいて異様に逃げやすく、戦闘開始と同時にLRボタンを同時に押せば瞬時に離脱できてしまう。結果として、エンカウントする度に『逃げる』を多用するというプレイスタイルになった。ただし、逃げるとお金を落とすのが嫌らしい。簡単に逃げられるのは良いのだが、それならそもそものエンカウント率を下げて欲しい、と僕なんかは思った次第。

FF5以降の作品では、ジョブやアビリティといった要素が重要で、レベル上げによる強化は軽視されることが多かった。それと同じ感覚でFF4をプレイすると難しく感じるのだが、基本的にこのゲームはレベルをしっかり上げることが重要となる。それさえ意識していれば、難しくてクリアできないということにはならないはず。

他に困ったところでは、回復魔法を全体化すると効果が人数で等分されてしまうことが挙げられる。ザコ敵は強めだし、MPの消費量も大きいのですぐにMPが切れてしまう。FF5以降のバランスに慣れていると、ここは結構厳しく感じる。

快適性


SFC初期の作品には良くあることだが、移動速度はFCのRPG並に遅いし、文章はひらがなで読みにくい。メニュー画面の操作はFF5以降と比べると明らかににぶい。アイテムに持ち数制限があったりするのも微妙に面倒。もっとも、この当時は全種類のアイテムを制限なく持てるようにするという発想自体、珍しかったのだろうけれど・・・。

美術


当時は他の追随を許さない圧倒的な演出力があった。いきなり飛空艇の上から始まるオープニングなんて、いかにもこの作品らしい。他にも、イベント戦闘を有効に使った演出が特徴。テラVSゴルベーザの戦いや、ラストバトルなどがその例になる。

さすがにFF5や6と比較すると見劣りは隠せない。特にモンスターグラフィックには大きな差。それでもボス敵のデザインはさすがといったところ。

音楽


オープニングで流れるプロローグが印象的。これ以降、FF12までプロローグを聴く機会がグッと下がるわけだけど・・・。全体的には1ループが短めの曲が多いので、FF5,6程の展開は無し。ストリングスと管楽器に偏った楽器構成(SFCの音楽には多い構成だけど、これは特に)もあって少々飽きやすいのは難点かな。

その他


3D&ボイス付きのDS版リメイクや、17年振りの続編『THE AFTER 月の帰還』(携帯&PSP)が存在する。僕はどちらもプレイしていないので、何とも言えないが、聞く所によるとDSリメイクはなんと難易度が上昇しているらしい。元々、難しかったのに携帯機リメイク=低難度というイメージでプレイするとエラいことになりそう。
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【RPGレビュー】ドラゴンクエスト6 幻の大地

2013年06月08日


発売元エニックス
機種SFC
発売日1995/12/09
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
80708080908080801995/12頃

 SFCでは後期のRPG。FF6よりも、さらに1年半も後の作品だったりする。
 DS版のリメイクも存在しており、仲間会話システムが搭載されている。ただし、難易度が低下している他、モンスター仲間システムが削られているらしい。

質量/物語


 本作では、二つの世界を行き来しながら冒険することになる。DQ6のストーリーは比較的地味な印象があるけれど、世界設定は凝っている。あまり、ネタバレも何なので細かくは書かないが、二つの世界の関係性にも一応の意外性がある。

 ストーリー上の難点として、比較的序盤に魔王ムドーとの決戦という山場を終えてしまうため、以降の展開で中弛みしやすいことが挙げられる。ジャミラスとかグラコスとかデュランとか敵側の幹部関連のイベントがあっさりしているのは、ちともったいない。
 また、全体的にプレイヤーに対する動機付けが少々乏しいのも気になるところ。
 『精霊のお告げで旅立て』とか『自分探ししろ』とか、何だか漠然としていて、プレイヤー自身に『〜せねば』と感じさせる要素に乏しい。
 特に『自分探し』については、主人公の正体がほぼ判明してからの展開となる。例えば、記憶喪失の主人公が自分の正体を探す物語は王道だけど、そういったミステリー要素もないので牽引力に欠ける。
 それでいて、明確な目的が示されない割にストーリー進行は一本道が多く、行ける場所に行けば何となく話が進む。もっとも、これはDQ5の時点で徴候があったけれども。

 DQ4や5と比較して、かなり長かった印象があるのだが調べてみると、ダンジョン自体はそれほどでもない。ダンジョン数は27程度と確かに多いのだが、『川の抜け道』『砂漠の抜け道』といった短いものが多く含まれている。長いと感じるのは、手強いボス戦が多いからだろう。

 シナリオ進行による町人のセリフ変化が多いせいか、文章量が非常に多い。セリフ集を見る限りは、30万字以上もあるようだが、これはDQ5の数倍となる。ただし、メインストーリー上では仲間キャラクターはごく限られた場面でしかセリフを話さない。

システム/バランス/快適性


  • DQ3以来となる転職システムを搭載。
  • DQ4のようにストーリー進行に合わせて多数の仲間が登場。
  • DQ5から引き続きモンスター仲間システムを採用。

 というように、それまでのDQシリーズの集大成と言うべき贅沢なシステムとなっている。しかし、それがうまくいっているかというと難しいところ。各システム自体が衝突を起こしてしまって、それぞれの魅力を発揮できていない部分が多く見られる。

 例えば……

  • 呪文・特技の習得が職業にほぼ依存しているため、キャラ毎の特性が薄まっている。
  • 後半、仲間になったキャラは職業熟練度が低く、使いにくい。
  • せっかく、モンスターを仲間にしても人間の仲間で事足りる。

 というように、『色々盛り込んだけど、うまくいかなかったシステム』の代表として挙げられることも多い。

 僕の長年のゲーム制作経験から見て、この種の『ごった煮系システム』の問題を指摘すると、それは制作に掛けた手間に見合った成果を得にくいこと。2年掛けて色々と盛り込んだゲームシステムが、半年で作ったシンプルなゲームシステムと大差ない評判だったり、それどころかむしろ劣る。なんて憂き目を見やすい。これは制作者としては、結構悲しいことなので気をつけたいと常々思う。

 ゲーム序盤、魔王ムドーを倒すまでは転職システム(及びそれに付属するモンスター仲間システム)が解禁されない。それまでは、シンプルな進行となるのだが、ゲームバランスとしては、むしろこの部分を評価する人が多い。特に難関となる魔王ムドーとの戦いの評価が高い。

 で、転職システムが解禁されると同時にゲームバランスも大きく変化する。DQ6の転職システムはDQ3とは異なり、転職してもレベルは下がらない。レベルはそのまま、職業に沿った能力補正が掛かるというもので、FF5のジョブアビリティシステムに酷似している。ただし、DQ6の場合「一度覚えた呪文・特技は他の職業になっても制限なく使用できる」という点で異なる。

 職業間のバランス調整にはかなり難あり。特に武闘家は『まわしげり』『せいけんづき』『ばくれつけん』など、MPを消費しないで使える強力な特技を多く持っている。『まわしげり』など、複数の敵に攻撃できる技はブーメランやムチといった複数攻撃武器や複数攻撃呪文の存在価値を大きく奪ってしまっている。
 このように転職システムの恩恵によって、劇的に強くなる楽しみはあるのだが、戦闘が単調になってしまう傾向がある。
 また、職業による能力補正も問題あり。例えば、魔法使いは最大HPが大きく下がるのだが、バーバラのような元々、HPの低いキャラクターを魔法使いに転職させると、その特徴がさらに際立つ。あまりにもHPが低くなって、まともに戦闘に使えなくなってしまう。

 呪文の弱体化も甚だしい。多くの特技が攻撃力の上昇に比例して、威力も上昇するように設定されているのに対して、呪文は与えられるダメージが固定されている。FFのように弱点を付けば大ダメージを与えるという要素も薄い。特技の多くは消費MPが存在しない。

 職業間のバランスだけではなく、単純にキャラクター間の強さのバランスにも問題あり。呪文・特技はほぼ職業に依存する分、能力値でキャラの個性化を図る必要があるわけだけど、どうもその調整がまずい。
 特によく言われるのは、後半に仲間となるテリーが強くないということ。ストーリー上でさんざん期待させた分、落差が酷い。強くないという以前に、チャモロと能力的な差異に乏しく、今ひとつ差別化ができていないのが難点。
 ゲームシステム上、HPや力の高いキャラが有利で、プレイヤーが使用するキャラも偏りやすい。最終的に主人公、ハッサン、ドランゴ、アモス辺りを一軍に固定した人が多いはず。強いけど、いかつい。

 そんなわけで、この作品こそ、DQ9で導入された『攻撃魔力』『回復魔力』のようなパラメータがあれば、良かったのではないだろうか。

  • バーバラ:攻撃型魔法使い
  • チャモロ:回復型魔法使い
  • ミレーユ:バランス型魔法使い
  • テリー :魔法戦士

 という感じで、差別化できそうだけど、どうでしょう。

美術


 SFC後期だけあってドット絵は綺麗。モンスターが行動の度にアニメーションをするようになったのは、この作品から。これより後にDQ3のリメイクがあって、さすがにそちらには劣るが、それでもDQ5と比較すると一目瞭然でグラフィックの質が向上している。ただし、モンスターデザイン自体の評価はDQ3、4辺りと比較すると劣るかも。

音楽


 曲調が今までの作品と比較すると、地味目かもしれない。特に戦闘やフィールド曲の評価はそれまでの作品と比較して一歩劣る。戦闘曲では、演出もあってムドー戦のものが最も評価が高い。
 なんだかんだ言いながら、町やダンジョンの曲はなかなか多彩。目立つところに良曲は少ないのだけど、全体としては悪くない水準を維持している。

まとめ


 全体的には水準以上だし、SFCのRPGの中では、かなり遊びやすい部類でもある。マイナーRPGの類と比較すれば、完成度には雲泥の差がある。

 その割に、何だか思い付いたことを好きに書いていたら、不満点ばかりが目立ってしまった。僕に限らず、この作品はストーリー・システム・バランスに付いては「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」と言われることが多く、つまりはもったいない作品なのかもしれない。

 色々と書いたのは、そんなDQ6に付いて、何が足りないのかを考察することが、ゲーム制作者として有意義だと思った次第。
posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(2) | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【RPGレビュー】ファイナルファンタジー6

2013年05月11日


発売元スクウェア
機種SFC
発売日1994/04/02
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
90908080909090871994年頃

1994年発売のスクウェア黄金期を代表するRPG。当時は11,400円(+消費税3%)と高かった・・・。それでもなお満足させるだけの完成度があったのも確か。

質量/物語


多数の仲間キャラクターが登場する物語。特定の主人公は明示されていない。FF4,5よりも更にSFよりの世界観で、魔法と機械が合わさった文明が表現されている。

物語の前半と後半でガラッと変わるストーリーやゲームデザインが特徴的。前半はストーリーテンポが良く、めまぐるしく展開が変わる。途中でパーティが3つに分割してストーリーが進む箇所があるが、基本的には一本道で前の町に引き返したりできる機会は少ない。

そして後半は一転して、離散した仲間を集めることに。集める順番は自由なので、プレイヤーによって個性が出る。他にも後半はサブイベントが盛りだくさん。モンスターに吸い込まれることで、突入するダンジョンなんてよくぞ実装したものだと感心する。

イベント演出はSFCでも最高レベル。『オペラ』をシナリオに組み込むなど、こんな派手なことをしているのは、SFCではFF6ぐらいだろう。FF9のオープニングが演劇から始まるのはセルフオマージュだろうか。

隠し要素や小ネタが豊富で、普通にプレイしているだけでは気付かないようなモノも。中には、特定のキャラクターの生死に関わるイベントも存在する。もちろん、初回プレイにおいては気付かず、筆者は約2名程を見殺しにした。シドは殺した方が流れが美しいので。

何気に町人のセリフが超簡素。これを残念というべきか、簡潔というべきか・・・。DQと比較すると何だかシュールなので軽く紹介。

「ここはサウスフィガロの町。」
男たるもの余計なことは言わない。体言止めでクールに締める。

「えらいこっちゃね!
 帝国を敵にまわすとは……」
なぜか関西弁の少女。

システム/バランス/快適性


14人いる中から自由に4人を選択して編成する。実はパーティの入替えを自由にできる初のシリーズ作品だったりする。後半はパーティを2〜3に分割して、切り替えながら進むダンジョンも存在。特にラストダンジョンはFF8に並ぶ作り込みだ。

戦闘

FF5と比較すると、魔法や特技の使用などに若干の間があるので、戦闘テンポは若干低下している。それでも十分にテンポ良い部類だとは思うけれど。

各キャラクターはオリジナルコマンドを保有しており、それぞれの個性がある。格闘ゲームのようなコマンド入力で発動する『ひっさつわざ』、手に入れた道具で様々な効果を発揮する『きかい』など多種多様だ。でも『まふうけん』とか『ぬすむ』とか、キャラによって地味なのは少し悲しいかもしれない。他にも、HPが減って瀕死になった時のみ発動する隠し奥義なんてものも存在する。

魔石システムによって、仲間へ自由に魔法を覚えさせることができる。これはオリジナルコマンドとは異なり、全キャラ共通の成長システムとなる。つまり、キャラの個性化と凝った成長システムという二兎を追う構成になっているわけだが、それなりにうまくいっているように思う。

細かいところでは、FF5までは1人1つしか装備できなかったアクセサリが、2つまで装備できるようになっている。アクセサリの種類も豊富で、プレイヤーなりの個性付けが可能だ。これを複雑化したものが、FF7のマテリアと考えることもできそうだ。

難易度

難易度は序盤こそ優しいが後で難しくなる。ゲーム中盤のダンジョン『魔大陸』辺りからの難易度上昇は中々に厳しい。後半、パーティが離散してからしばらくは戦力も整わず、詰まりかけることも多いと思う。
とはいえ、味方側もどんどん強くなるので、また楽になっていく。というか、今度は楽になりすぎて、ラストバトルの頃にはヌルゲーになっている可能性もおおいにある。なんせ、ラスボス最終形態のHPはたったの60000超。ダメージ9999以上の攻撃を普通に叩き出せるこのゲームでは瞬殺されるのも仕方がない。

美術


『オペラ』イベントでの演出は上で述べた通り。『飛空艇』や『魔導アーマー』を始めとした機械類のデザインセンスもさすが。様々なオリジナルコマンドから繰り出される戦闘アニメーションは個性豊か。魔法や幻獣(この作品の召喚獣)の種類も豊富だ。

難を言えば、ドット絵が暗いのは少々嫌かもしれない。特に後半はストーリーの関係でマップチップ(特にフィールド)が暗いのなんの・・・。

音楽


作曲者は当然の植松伸夫氏なので、品質の高さは保証されている。ただ世界観の都合もあって、FF5と比べると暗い曲が多いのが悲しいところだ。しかし、そんな暗めなFF6において、後半に流れる『仲間を求めて』は希望あふれる名曲だ。暗くなりがちな後半を、この曲で大きく持ち直す。

もちろん戦闘曲、ダンジョン曲なども豊富。ラスボス戦は、美術演出と併せて何の芸術を目指しているのかと思った程だ。
posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(0) | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする