【RPG制作講座】媒体としてのRPGを考えてみる

2013年07月06日

小説や漫画・アニメといったストーリーを持った媒体は数多く存在する。それらとRPG(正確に言えばコンピュータRPG?)に共通する部分は多くあれど、文法が異なる部分もまたある。RPGという媒体の特徴を今一度考えてみるため、その差異に焦点を当ててみたい。

基本的にはRPGを中心に据えて考えるが、アクションなど他ジャンルにも当てはまる部分もあるかと思う。なお、サウンドノベル(特に選択肢を用いないもの)に付いては、性質が極めて小説そのものに近い。

ダンジョンの存在


RPGにおいて、かなりの時間を占めるダンジョン探索。ダンジョン内部での戦闘を含めると、総プレイ時間の大半を占めることも珍しくない。これを活用したストーリーデザインはRPGならではのものといえる。
 小説や漫画といった媒体においては、ダンジョンの存在は省かれることが多い。それらの媒体ではストーリーが重点に置かれることが多く、ダンジョンを長々と探索する描写を面白くすることは難しいからだろう。・・・正確には無いこともないのだが、1ダンジョンの中で何十回と戦闘を繰り返したりはしないし、ましてや1つの物語が完結するまでに数十個のダンジョンに潜るなんてことも無い。

ダンジョンには『長い』『ダルい』『古臭い』という面があるのも事実。ストーリー主導のRPGを作りたいならば、ダンジョンを多用する以外のゲーム進行を考えてみても良いだろう。もちろん、RPGならではのダンジョン探索における面白さを追求するのも良しだ。

戦闘の扱い


漫画等では強敵との戦いは、長々とページを費やして描写することが多い。途中、何度もピンチになったりしながら、流れの中で多くの会話を挟む。自然、敵役のキャラクターも際立つというもの。例え、一度の戦闘しかなくとも強く印象に残った悪役は数多くあげられるだろう。

しかし、RPGではそうはいかない。なんせ、戦うのはプレイヤー自身なので、どんな流れになるかはプレイヤー次第なのだ。それでも無理矢理、漫画のような長い会話を毎ターン挟んだりするとテンポが悪くなってしまうし、どこか茶番じみてしまう懸念もある。
 敵役を印象付けるには漫画と比較して工夫がいることが分かる。印象付けたい敵キャラは、登場シーンや戦闘シーンといった出番を何度か作るのも1つの方法だ。
 逆にRPG特有の表現方法として、戦闘バランスによって敵を印象付けることも可能である。「このボスは敵の大幹部だけあって、今までのボスを凌ぐ強敵だ」とか「このボスは性格通り、嫌らしい状態異常が多い」とか、能力面で感じさせてみよう。

「ボスとの戦い→大ピンチ→覚醒してボスを倒す」といった少年漫画ではお馴染みの燃える展開だが、これもRPGでは使いづらい。例えば、英雄伝説シリーズ等にありがちなこととして・・・

戦闘画面でボスを倒す。ボスが倒れた演出。

イベント画面に戻ると、ボスはまだピンピンしている。そして・・・
「中々やるな。だが、その程度で私を止められん」
とか何とか言って、切り札を出してくる。一転、ピンチに。

誰かが助けに来てくれる or 仲間の誰かが覚醒する

いかにも、それっぽい演出がやりたかったのだろうが、余りスムーズではないように思う。個人的には戦闘画面をそのまま使った方がスムーズではないだろうか?

戦闘画面でボスのHPを0にする。ボスはまだ倒れない。

戦闘画面のまま、ボスとの会話イベント発生。
ボスが必殺技を放ってきて大ダメージ。

ボスと因縁のあるキャラが覚醒してとどめ。

という感じでどうだろう。ただし、編成システムによっては、因縁のあるキャラが戦闘に参加していないなんて可能性もあるのだけれど・・・。

パーティ編成


小説や漫画では、仲間の出入りは比較的自由に行える。仲間の死亡イベントで場を盛り上げるなんて手法は古くから多用されてきた。また、仲間に別行動を取らせることによって、異なる切り口から、それぞれの見せ場を作るなんて手法もとても便利だ。

しかし、RPGではこういう手法は使いづらい。仲間というのは半分はプレイヤーのものであって、制作者の都合でポンポン離脱されたりしてはかなわない。「俺が考えた理想のパーティ編成を作者の都合で壊すでない!」というわけだ。

序盤など、仲間が揃うまでは比較的、別行動を取るようなイベントも許容される傾向にある。能力紹介も兼ねて、色んなキャラクターを使わせるようにしてみよう。また、戦闘を挟まないイベントならば、別行動を取らせてもゲームシステム的な支障は無い。

無口主人公


RPGでしか使われない表現に無口主人公なるものがある。これは主人公のセリフをプレイヤーの想像に任せることで省略するという独特の手法だ。他の媒体ではこのような手法を取ることはまず無い。強いて言えば、一人称小説で主観者の存在を極力薄くしているものが稀に見られるぐらい。

これに付いては他の記事(無口主人公の考察)にまとめてあるので、細かくは書かない。

文章表現


小説では心理描写などを細かく描写されることも多い。しかし、ゲームでは小説のような長々とした描写はテンポを削ぐので嫌われやすい。そもそも地の文に当たるものはないのが普通で、キャラクターの描写はセリフや視覚的な動作から行われる。人物の心理はそこから、読み取れるようにすれば十分というわけだ。

サブイベント(任意のイベント)


RPGの特徴として、プレイヤーが任意に参加できるイベントを作れることが挙げられる。例えば、話の本流には関係が無く冗長になりそうな設定があった場合、町人や本棚を借りて情報を分散させる方法がある。

他にも、イベントの実行順序を自由にできる作品もあるが、これもRPGの特性といえる。

選択肢・分岐


選択肢などによる物語の分岐という要素。ちょっと会話が変わる程度のモノから、一切合切のストーリー展開〜エンディングまでが変わってしまうものもある。
 そこまでやる作品はサウンドノベルが多く、長いRPGでは普通にクリアするだけでも大変なこともあってそれほど多くない。

これはゲーム以外には真似できない要素。大きな分岐を伴うシナリオを長編で作るのは、制作者はもちろん、プレイヤーも大変なので、短編〜中編ぐらいの方が良いかもしれない。長編でやってしまったタクティクスオウガのような例もある。

盛り上がりの期間


小説のシナリオは一冊300ページ(4〜5時間が目安か?)といった長い期間で盛り上がりが最低1つあれば良い。ミステリーならば探偵と犯人との対決は大抵1回だけだろう。

※小説でも「短編集ならどうよ」とか「上手い作家なら途中にも、ある程度の盛り上がりを入れるよ」とかあるが、とりあえず置いておく。

次に漫画の場合、短い期間での盛り上がりが要求される。これは市販の作品はほとんど連載物な上に、何より打ち切りの恐れもあるという大人の事情がある。「1回の放送である程度は盛り上げないと視聴率が〜」というような理由でアニメも同じ。

RPGの場合、連載物ではないことからある程度は自由がきく。長い長いストーリー全体を通した起承転結がしっかりとした作品が評価されることが多い。とはいえ、小説とは異なりクリアまで何十時間と掛かる作品で、盛り上がりが1度きりというのはどう考えても無理がある。ゲームシステムを発揮するためにも、時折ストーリー上の壁となるボスを設けて盛り上げることが望ましい。

結局は、『短い間隔』『長い間隔』両方での盛り上がりが要求される。ただし、RPGではストーリー的な盛り上がりを強く狙わなくとも、ボス戦がゲームシステム側から盛り上がりを担ってくれるのは大きい。

ところで


時々、「プロの小説家にRPGのシナリオを書かせれば良い」なんて意見を見かけるが、実際のところどうなのだろうか?

私見では主に課題となりそうと思うのは2点。

1.『文章表現』の観点から

小説家は良くも悪くも長い文章を書くことに慣れすぎている。サウンドノベルならまだしも、これをそのままRPGに持ってきたところで『ダルい』『冗長』といわれる危険性大。『プレイヤーに読ませる箇所』『行間を読ませる箇所』のバランスをうまく調整できるかどうか。

2.『盛り上がりの期間』の観点から

さっき書いた通り、RPGでは『短い間隔』『長い間隔』両方での盛り上がりが要求される。それをうまくこなしたシナリオを書けるかどうか。

この2点をクリアできるならば、いいんではないだろうか? ファンタジー作家やSF作家ならば壮大な世界設定。ミステリー作家ならば、怒涛の伏線回収とどんでん返し――というように期待できそう。
 『盛り上がりの期間』の観点から見ると、漫画家とかも良さそうな気がする。もっとも、忙しくてそれどころじゃないって感じだろうけれど・・・。5年、10年ぶっ続けで週刊連載とかマジキチ。ぼくにはとてもできない。

ともあれ、他の媒体の長所を取り入れるも良し。あくまでRPG独自の長所にこだわるも良し。そもそも「この話、RPGには向いてないよ」と思ったならば、他のジャンル・媒体で作るのも良し。何を目指すかは制作者次第だ。

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【RPG制作講座】固有名詞(人名・地名等)の命名

2013年05月18日

 創作における固有名詞の命名に付いて考えてみる。ちなみに、RPGに限定した内容ではないので、小説や漫画にも流用可能なはず。

 名前の役割は第一に識別にある。よって、作品全体を通して覚えやすい名前を考えていきたい。命名に困ったという時もこれを見て参考にして頂ければ幸い。

 ぶっちゃけ好みでいいっちゃいいんですけどね……。所詮はネーミングセンスの問題なので、だいぶ筆者の主観が入ってるような気もします。その辺は多めに見てくだされば。

似た様な名前を付けない


 同一作品中で、似たような名前のキャラクターがいると、プレイヤーを混乱させやすい。中でも『ア行』『サ行』『ラ行』等は語感がよいので使われやすいが、同じ文字を多用し過ぎると、似たような名前が多くなってしまうので注意。

 例えば、『アルス』と『アレク』は頭文字や文字数が同じなので区別しにくい。文字数が同じなのは仕方ないにしても、頭文字には気を付けたい。人間は名前を脳内で読み上げる場合、頭文字を最初に意識するもの。つまり『エリス』と『クリス』なら前の例よりも、まだ区別が容易となる。

 頭文字や文字数が異なっていても、雰囲気の似た名前の人物が多く集まると混同しやすくなる。ありきたりな名前ばかりでもいけないし、風変わりな名前ばかりでも良くない。

ありきたりな名前が集まってしまった例

  • ジョン、トム、ビリー、デビッド
  • 山田、田中、佐藤、鈴木

変わった名前、長い名前が集まってしまった例

  • ジェファーソン、エイブラハム、ラザフォード、ベンジャミン
  • 五十嵐、九十九、我孫子、生田目

メリハリを意識しよう


 そこで『平凡な名前』と『変な名前』等、雰囲気の異なる名前を適度に織り交ぜると、メリハリが付いて覚えやすくなる。山田と五十嵐のように雰囲気が異なる名前の人物を混同することは少ないはず。

 『変な名前』と書いたけれど、創作の世界ではいわゆる『DQNネーム』『キラキラネーム』に該当する様な珍名も許容される。物語の登場人物は作者からすれば、子供の様な物であるが、現実の子供と違って名前でイジメられたりはしないからだ(※)。むしろ『識別』という目的には多少のキラキラも、メリハリが付いて有用と言える。

 ※作中でイジメられるかもしれないが、それはそれでキャラ作りとしてはおいしいので置いておく。

イメージに合った名前を付ける


 主人公に『カッコいい名前』、ヒロインに『綺麗な名前』、悪役に『悪そうな名前』、子供に『可愛い名前』、色物キャラに『変な名前』、平凡キャラや脇役に『平凡な名前』。という様にキャラクターや地名のイメージにあった名前を付けよう。
 ただし、どんな名前が『カッコいい』のかという、かなり個人の感性に依存するので、あまり詳しくは書けない。例えば、濁音が入ると『強そう』『悪そう』等とは、よく言われる。

 とりあえず、ラストバイブル3のヒロインに『モチョワ』と付けるネーミングセンスはちょっとどうかと思った。でも、インパクト勝負と考えればアリなのか……?

文字数を意識してみる


 3、4文字の名称は適度な長さで発音もしやすく無難だけれど、それだけにありふれた物になりやすい。そこで、2文字や5文字以上の名前をアクセント的に入れてみよう。2文字の名前は可愛らしい印象がするためか、子供や動物キャラに多い印象。5文字以上で濁音が多いと凄く悪者っぽい。『バルバトス』とか、名前だけでもう現行犯逮捕しても良いと思う。

 言うまでもなく5文字、6文字みたいな長い名前を多用するのは覚えづらくなるので注意。あくまでもアクセントとして使おう。

末尾に注目してみる


 他と雰囲気の違う人名にしたい、と思った場合は末尾の文字の母音に注目してみよう。実は多くの西洋風RPGでは、人名末尾に使われる母音の使用頻度に非常に大きなバラツキがある。
具体的には……

ア、ウ > イ、オ、ン > エ

 という具合だ。正式に調査したわけではないが、これは単に現実の西洋人の名前が、そうなっているというだけの理由だと思われる。よって、DQでもFFでも、西洋風RPGなら大体同じ法則が成り立つ。特に母音が『アウ』の中でも『アナラスル』辺りが末尾に来る頻度は非常に高い。

 というわけで、意識して『イオンエ』の母音で終わる名前を作れば、他と差別化できるはず。また『アウ』の母音でも『タダハバパヤワウツヅヌフブプムユ』辺りは頻度が下がるので、使ってみよう。

 中でも末尾に『エ』の母音が来る頻度は意外なほど低い。例えば、DQやFFのメインキャラクターで該当の人物を思い浮かべても、ほとんど出てこないはず。これを読んでいる人の中で、創作をしているという方は是非、メインの登場人物に、末尾に『エ』の母音で終わる名前を付けてみよう。

 もっとも、別に『アナラスル』初め『アウ』音が末尾に来ることを徹底的に避ける必要はない。これらは現実に発音しやすく、耳に馴染みやすいから、多用されていると考えられるからだ。そればっかりにならないように注意すれば十分だろう。

前後を飾ってみる


 固有名詞の前後を特徴や敬称などで、飾ってみよう。固有名詞そのものの話ではないけれど、識別子としての役割を考えた場合に有効な手法となる。

  • 国なら:○○○王国、○○○帝国、○○○共和国
  • 町なら:貿易都市○○○、首都○○○、辺境の村○○○
  • 人なら:○○○王、皇帝○○○、○○○陛下、○○○猊下、○○○将軍、○○○伯爵

 この方法なら、固有名詞自体を覚えてもらえなくとも、一応の区別は付く。単に固有名詞を並べるよりは、世界観も深まるし、プレイヤーもイメージしやすいはず。

 言うまでもなく、敬称や爵位、階級などを使用する場合は、ちゃんと意味を調べておこう。上下関係を間違えたりすると、恥をかくことになる。

参考までに実例

  • 公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵
  • 元帥>大将〜少将>大佐〜少佐>大尉〜少尉>曹長

 ちなみに『猊下』とは法皇・教皇など、偉い聖職者のことを指す敬称らしい。ただし『げいか』と正しく読める人間がどの程度いるかは怪しいので、別の言葉を使ったほうが良いかも。例えば、XXXX教皇とそのまま役職名で呼ばせても良いし、『陛下』などを代わりに使っても良い。『猊下』と同様の意味で『聖下』『台下』等という言葉もあるそうな。

まとめ


 名前は識別子であるゆえに、キャラクター間のバランスを考慮しながら、分かりやすさ・覚えやすさを重視した命名をしよう。創作人物の名前に限り、メリハリのために変な名前を付けることも時には有効だ。
 でも、自分の子供には『DQNネーム』を付けないように気を付けよう。将来、名前が原因で子供がグレてしまったら目も当てられない。

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【RPG制作講座】状態異常A 状態異常の分類

2013年05月04日

前回は状態異常の問題点と有効活用方法に付いて記述したが、今回は個別の状態異常を分類しながら掘り下げていく。どんな状態異常を作るか悩んだ時のために、参考となればと。

まず先に、状態異常とは一体どのような要素から構成されているのか考えてみる。

  1. 状態異常の効果
  2. 状態異常の掛け方
  3. 状態異常の発動条件
  4. 状態異常の解除条件

以上4つをどのように組み合わせるかによって、状態異常の性質が決まる。
例えば、『毒』1つ取っても・・・

  1. どれだけの毒ダメージを受けるのか?
    現在HPに対する割合?、最大HPに対する割合?、固定値?
  2. どうやって毒を掛けるのか?
  3. どのタイミングで毒ダメージを受けるのか? 毎ターン? 時間経過でじわじわ?
  4. どうやって解除するのか?
    道具で治療? 魔法で治療? 教会で治療? 戦闘終了後に自動解除?

というように細かく性質を分けることが可能だ。

それでは、それら4つに付いての分類に入る。

状態異常の効果による分類


徐々にダメージを受ける

『毒』を代表とする状態異常。ターンなどの時間が経過する度にHPが少しずつ減っていく。HPではなく、MPなどを減少させるものもある。似たものには『火傷』などがある。

能力値を変化させる

防御力が減少する『防御力低下』、攻撃が回避できなくなる『回避率低下』など。補助技では能力を上昇させることが基本となるが、状態異常の場合は能力を低下させることが基本となる。ゲームシステム上、存在するパラメータはほぼ全て対象とできる。

属性・相性を変化させる

『オイル状態』による炎属性の弱点化、回復魔法で逆にダメージを受ける『ゾンビ』など、属性や相性を変化させる。あまり使われていない分野でもあるが、考えられる範囲は広い。

上の『能力値を変化させる』と併せて、『計算式を変化させる異常』と考えることもできる。

行動を妨害する

『眠り』『マヒ』『スタン』『ディレイ』『石化』『凍結』など。いずれもキャラクターの行動ができなくなるものだが、良くある類型だと・・・

  • 眠り:攻撃を受けると解除される。防御力の低下を伴うことも。
  • マヒ:攻撃を受けても解除されない。時間経過で解除。
  • スタン:一度だけ行動ができなくなる。
  • ディレイ:CTB,ATBのようなシステムの作品において、行動を遅らせる。
  • 石化:最も効果が重く、治療するまで行動できない。治療法が無いと死亡同然となる。
  • 凍結:炎魔法によって解除。

というように設定されている。

一部の行動を妨害する

どのような種類の行動を封じるかで特徴付けられる。最もメジャーなのは、やはり魔法を封印する『沈黙』だろう。その他には『特技封じ』『退却封じ』など。

魔法や技の詠唱中に攻撃を当てることで妨害する、といった技やシステムが存在する作品もある。

意図しない行動をさせる

  • 暴走:通常攻撃を勝手に繰り返す。FFシリーズのバーサクのように攻撃力上昇の効果を持っている場合も。
  • 混乱:敵か味方のどちらを狙うか分からない。
  • 魅了:混乱よりも更に嫌らしく、味方を確実に狙う。性別が反対の相手にしか掛けれないといった設定がされている場合も。

自由な行動ができなくなるため、間接的に『一部の行動を妨害する』と同じ効果も持つ。メジャーなのは、上記の3つだが、他にも色々と考えられる。

ロマンシングサガの敵専用術『アニメート』なども面白い。HPが0になった味方キャラクターを操るという効果で、心理的な嫌らしさがたまらない。

同じ行動をひたすら繰り返すポケモンの『アンコール』なんてものもある。

戦闘不能にする

キャラクターが倒れてしまって戦いに参加できなくなる状態異常。全員がこの状態になると全滅となる。
戦闘不能の他には『気絶』『死亡』といった名称が付けられる。『死亡』といっても、大抵は簡単に蘇生する手段が用意される。その場合
「魔法1つで死んだり、生き返ったりするのはおかしい!」
「ストーリー中の死亡シーンと整合性が取れない」
なんてツッコミをする人もいるので、『戦闘不能』や『気絶』といった名称を選んだほうが無難ではある。もっとも、本当にキャラクターが死亡するファイアーエムブレムのような作品も存在するけれど。

通常攻撃を始めとした大半の攻撃はHPを減らすことによって、戦闘不能にさせる状態異常攻撃と考えることもできる。大多数のRPGにゲームシステムとして、組み込まれた状態異常である。

戦闘不能を直接狙う状態異常として『即死』がある。これは特に敵側が使うものとして脅威であり、DQ2やFF1では猛威を振るう。ロクに対処法が無い場合は理不尽にしかならないので注意だ。

味方が使う即死は、しぶといザコ敵を倒すのに便利。もちろん、普通はボスには効かないのだが、FFシリーズには『レベル5デス』などボスにも効果があることも。

似たようなものとして、一定時間経過後に即死効果を発動する『死の宣告』もある。

複合型

複数の効果を兼ね備えた状態異常も設定可能だ。例えばFF3,5,7に存在する『カエル状態』は・・・

  • 姿がカエルに変化する。
  • 能力が大幅に減少する。
  • 魔法・特技が使用できなくなる。
  • ただし、『トード』『カエルの歌』など一部の技は使用できる。

というような複数の特徴を併せ持つ。

保有する効果は状態異常の名称などから、自然な効果であることが望ましい。例えば、『毒』という名前の状態異常で、「毒ダメージを受ける」と共に「魔法が使えなくなる」という効果を持っていたら、大抵のプレイヤーは違和感を感じるだろう。

状態異常の掛け方による分類


どうやって対象者を状態異常に掛けるのか?

普通に掛ける

普通に魔法・特技によって状態異常を掛ける。最もシンプルな方法。複数の異常を同時に掛けるパターンもある。

ダメージ攻撃に付属して掛ける

ダメージを与える攻撃の付属効果として掛ける。全くの無駄撃ちになりにくいため使いやすい。反面、「ダメージを与えたいのか?」「異常を与えたいのか?」というように、戦術の焦点がぼやけるのは難点。・・・というのは、前回『ダメージ攻撃の追加効果として設定する』の記事で書いた通り。

自分の技で掛かる

例えば、「凄い威力を発揮する代わりに、反動で一定時間マヒしてしまう」という副作用を伴う特技など。「個性的な技・キャラクター・敵を作りたい!」という方はこの路線で考えてみると良いかも。

ダンジョンのトラップで掛ける

ダンジョンのトラップに掛かって状態異常に!というパターン。風来のシレンなど、ローグ系ゲームの印象が強いが、普通のRPGに取り込んでみても良いかと思う。

ストーリー進行で掛ける

ストーリー進行上で仲間が呪いを受けて・・・というようなパターン。その後の進行は下の『状態異常の解除条件による分類:ストーリー進行によって解除』の辺りを見て欲しい。

もちろん敵に掛けても良い。スサノオによるヤマタノオロチ退治(酒を飲ませて眠らせた)の神話の如く、搦手で強大な敵を倒すようなボス戦も面白いのではないだろうか。

状態異常の発動条件による分類


以下のいずれかの条件を満たしたタイミングで、状態異常の効果を発動する。条件を満たしても、確率次第で発動しない設定もできる。

ターンが回ってきた時に発動

最も良くある条件。『毎ターンHPが減る毒』『勝手に攻撃してしまう暴走』などが挙げられる。

時間経過で発動

『ターンが回ってきた時に発動』も時間経過と考えられないことも無いけれど、とりあえず別枠で。ATB、CTBなどで、『時間経過と共にじわじわHPが減っていく毒』など。こちらの方が心理的には焦るかも。

特定の行動時に発動

特定の行動を取ろうとする、あるいは取った時に発動する。『一定確率で攻撃に失敗するマヒ』『攻撃すると自分もダメージを受ける呪い』など。どの行動でも発動するならば『毎ターン発動』とあまり変わらない。

攻撃・回復等の効果を受ける時に発動

『攻撃で受けるダメージを倍増する呪い』『受けた回復を無効化する呪い』など。

常に発動

『魔法が使えなくなる沈黙』『能力値が低下する状態異常全般』など。

状態異常の解除条件による分類


状態異常には複数の解除条件が設定されているものが多い。戦闘終了時にも治るし、治療魔法でも治るといったものが大半だろう。

時間経過で解除

ターンの経過などで、戦闘中あるいは歩行中に自動で解除される。要するにほっといたら治るのだが、ほっとくと致命的な事態になりかねない『混乱』のような状態異常もある。

攻撃を受けると解除

どのような攻撃で解除するかも個性の分かれ目。『物理攻撃で目覚める眠り』『叩くと正気に戻る混乱』『炎攻撃で解ける氷結』などがイメージしやすいだろう。

戦闘終了後に解除

戦闘が終われば解除される。逆に戦闘終了後に解除しない状態異常は厄介なので、こちらの数は絞った方が良い。

治療によって解除

治療魔法や道具によって解除する。あるいは、教会など特定の場所で解除する場合もある。

DQのキアリー(毒の治療)のように対象とする効果を限定するか、FFのエスナ(ほとんどの異常を治療)のように幅広い異常を対象とするかでも、バランスが変化する。

ストーリー進行によって解除

さほど使われる手法では無いのだが、状態異常をストーリーと絡めてみても面白いかも。

  1. 仲間キャラクターが敵キャラクターから呪いを受ける。
  2. 呪われた仲間は、歩いたり、ターンが経過する度に、HPやMPが減っていく。
  3. イベントをこなすと治療法が見つかり、呪いが解ける。

このようにゲームという媒体を活かしてストーリー上の状態を表現する手法もある。例えば、序盤から登場する強い味方キャラに対して、制限を掛けてみるのも面白いのではないだろうか。

市販RPGの例だと、FF9の声が出なくなるガーネットなどがある。この状態だと、戦闘中の行動が確率で失敗するので中々に厄介だ。でも、このイベントって必然性薄くて微妙だよね?

解除されない

解除されないという「まさに絶望」なパターンもあり得る。例えば、ファイアーエムブレムにおけるキャラ死亡によるキャラの永久消滅が挙げられる。

そこまでいかなくとも、キャラクターの特性として状態異常を組み込むパターンもこれに当たる。

  • 毎ターンHPが減る病弱キャラ
  • 命令を受け付けない暴走キャラ
  • 突然、眠りだすナマケキャラ

強烈な個性を持ったキャラが作れそうではある。もっとも、あまり酷い設定にしても使いものにならないので、さじ加減は程々に。

まとめ


ここで挙げた状態異常の中には、バーサクのように補助効果に分類すべき要素が混在している場合もある。とはいえ、制作者は異常なのか補助なのかといった分類にこだわる必要も無い。面白いと思ったならば良い効果と悪い効果が同時に現れるような状態変化を作ってみても良い。枠にとらわれず存分にアイデアを奮って欲しい。

書いていて思ったのだけど、前回記事『状態異常@ 問題点と有効活用』の有効活用の方法は別に記事を作って、まとめた方が良かったような気がしてきた。状態異常@Aで内容が前後しちゃってたり、内容を盛り込みすぎてテーマがボヤけていたりで、難点があるように思う。その内記事を分割・整理するかも・・・。

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