【RPG制作講座】最近のゲームはつまらない?

2014年08月16日

「最近のゲームはつまらん。昔のゲームは面白かった」

これはネット上なりリアルなり、色んな場所で飽きるほど聞いた意見かもしれない。「これだからゆとりは」「懐古厨、老害乙」みたいに、世代で分かれて罵り合いになることもあるが、こうなると不毛という他ないというもの。
しかし、これを不毛で終わらせるのはもったいない。つまらないと感じるからには、それ相応の理由があるはず。一度、自分なりの視点で検証してみたい。

※ちなみに筆者は見ての通りのSFC世代ですが、最近のRPGもそれなりに好きです。でも、たくさんプレイする時間がないのが悩みです。

というわけで、世間でよくいわれている意見と個人的な主観を織り交ぜながら、色々と原因となる候補を挙げてみた。

  • 思い出補正
  • 簡単すぎる
  • グラフィック偏重によるゲーム性軽視
  • 開発費の高騰
  • テンポの悪化
  • 長すぎるプレイ時間
  • マンネリ
  • 複雑すぎる

以降に詳細を記述してみる。一番に書きたかったのは『複雑すぎる』なので、面倒だったらそこだけでも読んで頂ければ。

思い出補正


筆頭はやはりこれ。「昔のゲームが面白かったのは思い出補正。今のゲームのほうが面白い」という意見。思い出や初見のインパクトに勝てるものはなしというのは、その通り。その通りだけど、こればかりはどうにもならない。

せめて、古い世代としては新しいものの邪魔をしないようにはしたいところ。「最近のゲームはつまらん。昔のゲームは面白かった」と大した理屈もなく唱え続けた上で、新しい作品を全否定してしまうでのは、老害といわれても仕方ない。

『最近のゲーム』といっても色々とある。FFとDQだけではもちろんない。批判は具体的かつ建設的にするように気を付けたい。そうならないためのこの記事でもある。

思い出補正なのか? 本当に面白かったのか? を見極めるには今一度、昔のゲームを改めてプレイしてみるとよいかもしれない。色々と勉強になるのでオススメ。

簡単すぎる


「最近のゲームは簡単過ぎて手応えがない」という意見。「昔のゲームはもっと難しかった」というのは錯覚もあれば、実際に難しかったものまで様々。

昔のゲームが難しかった理由として、今よりプレイヤーが若く未熟だったということも忘れてはならない。RPGなら、防御や補助魔法を有効に使うことを知らず、猪突猛進なプレイをしていた人も多いはず。

また、昔のゲームバランスは洗練されていなかったため、難易度には大きくバラつきがある。例えば、DQ2やFF1〜3を始めファミコンのRPGには今やっても非常に難しいものが多い。
しかし、同じファミコンでもDQ3や4ならそれほどでもない。人によってはPS2のDQ8のほうが難しいと感じる程度だろう。

全体的にはストーリー重視の流れの中で、簡単になったかな〜という印象があるけど、明らかに難しかったといえるのは、ファミコン時代まで。SFC以降、実際はそこまで難易度低下してないのでは、というのが僕の意見。

せっかくなので、新しいほうが難しいんじゃね? な例を挙げてみる。

  • FF5(SFC)→13(PS3)
  • サガ1(GB)→アンリミテッドサガ(PS2)
  • ポケモン赤緑(GB)→ダイヤパール(NDS)
  • 真女神転生2(SFC)→3(PS2)
  • ブレスオブファイア1(SFC)→5(PS2)


グラフィック偏重によるゲーム性軽視


とてもよく聞く意見。個人的にはグラフィックがよいこと事態は悪くないと思うし、ゲーム性が軽視されているという感触もさほどない。

これが言われ始めたのは、FF8の時代だったと記憶している。しかし、FF8に関していえば、ゲームデザインはFF2以来の挑戦的な作りであって、その是非はともかくとして「ゲーム性を軽視している」なんて、単純にいわれる作品とは思わない。
そのFF8にしても今は昔。とはいえ、それ以降の作品にしてもゲーム性軽視という印象はさほどない。むしろ、システム自体は凝ったものが多く、調整にも長く時間をかけているという印象。

もっとも、僕はゲーム性に関して「手抜きはしてない」と言いたかっただけであって、グラフィック重視による問題がないとまではいえない。

  • 開発費の高騰。
  • 演出時間によるテンポの悪化。

なんかは大いに問題かと思う。その詳細は次へ。

開発費の高騰


これで何が一番困るかというと発売される作品自体が減ってしまったこと。特に開発が大変な長編RPGは数が減って寂しい限り。数が少ないということは、単純に良作との出会いも減ってしまう。

この流れを変えるのは、もはや難しいかもしれない。個人的にはアマチュアが少人数で手軽に長編RPGを出す時代が来れば面白いかなと思っている。もっとも、年単位の制作期間が当たり前のものを『手軽』といっていいかは怪しいけれど……。

テンポの悪化


「長いロード時間や演出時間などによるゲームテンポの悪化。これこそが、最近のゲームをつまらなくしている」という意見。これは個人的な実感からも、間違いなくその通り。

制作者としては、見た目にばかりこだわってテンポを犠牲にすることがないようにしたいところだ。というかテンポの良さだって立派に『見た目』の一つなので、見栄えにこだわる人なら、なおさらこだわって欲しい。

もっとも、昔のゲームについても『テンポが良い』とは言い切れない部分がある。なんせファミコンのゲームなんて、ウィンドウを描画するだけで、もっさりだ。ちゃんと比較すると、ファミコン版のDQ3よりも、PS版のDQ4や7のほうがロード時間や戦闘テンポが速かったりする。

新しい作品だって、テンポを改善している例もたくさんあるので、そこは評価されてもよいと思う。

長すぎるプレイ時間


「長すぎるプレイ時間こそが、最近のゲームをつまらなくしている元凶」という意見。個人的にはとても同意したい。

例えば、SFCのRPGには10〜30分程度でダンジョンが攻略できて、次々と新しいイベントへ進めるようになっている作品が多い。プレイが濃密になるので、熱中して冷めることなく進むことができる。ゲームクリアも15〜30時間とお手頃だ。

これが今は1ダンジョン2〜5時間とか、かかるのが当たり前になっている。長くなったぶん、内容が盛り込まれているかといわれると、そこは作品次第だ。コピペダンジョンやお使いクエストで水増ししているだけのこともある。
ダンジョンだけでなく町も広くて、疲れるのなんの。ゲームクリアまで50時間オーバーが当たり前。まさに社会人殺しだ。

ていうか、無駄なところを削ったら開発費も抑えられるだろうに、何でそうしないのかと問い詰めたい。小一時間ほど問い詰めたい。

マンネリ


「メーカーは確実に売れる人気シリーズ作品ばかりを作っている。結果、マンネリになっている」みたいにいわれるアレ。続いて「既存の枠に捕らわれない斬新な作品を作る必要がある」みたいに続く。

一理ないこともないけれど、現実の結果を見る限り、個人的には違和感もある。というのも、どうも実際に売れている(=プレイヤーに求められている)作品は手堅い作りのシリーズ作品が多いように感じるからだ。
例えば、以下のシリーズなんかはマンネリ気味傾向もあるけれど、それでもなかなか安定している。

  • ドラクエシリーズ
  • ポケモンシリーズ
  • ペルソナシリーズ
  • テイルズオブシリーズ
  • 英雄伝説(軌跡シリーズ)

奇をてらって挑戦的なことをしたり、作風のブレがある(=マンネリでない)シリーズほど、衰退しているように思えて仕方ない。また、開発期間が空いてタイトルが長くリリースされてない作品も衰退する傾向にある。

  • FFシリーズ
  • サガシリーズ
  • ブレスオブファイアシリーズ
  • ワイルドアームズシリーズ

単なる品質低下で没落しているだけのような気も……。

人気シリーズというのは、需要があるから人気シリーズなわけで、それを大切に作り続けること事態はユーザの期待に応える意味でも悪くない。(さすがに乱発までは肯定しない。)また、シリーズたるものゲームデザインを急激に変化させると、ユーザも戸惑うというもの。よって手堅い作りで何が悪いのかなと。

  • シリーズものをユーザの期待に応えるようにしっかり作る。→売上を出す。
  • 売れた余力で、新規タイトルにも挑戦する。
  • 結果を出した新規タイトルもシリーズ化する。

って感じでいいと思うのだけど、どうだろう?
いえ、大して面白みのない意見であることは百も承知。ただ、売上という数値を見れば世間は思っているほど『斬新さ』を重視していないのではないかと。

複雑すぎる


個人的に一番力説したかったのがこれ。まず「最近のゲームは複雑すぎて、取っ付きにくいのではないか」というのが一つだが、そこに今回は重点を置かない。

力説したいのは、多くの要素を盛り込んで内容が複雑になった結果「開発者自身が『シンプルな面白さ』を見失ったのではないか」ということ。シンプルな面白さって何ぞやという点については、これから例を挙げて説明してみる。

「ドラクエは『はがねのつるぎ』を買う頃が一番面白い」という説をご存知だろうか? これはドラクエの面白さを語る時によく出る話だ。なぜ、そう感じるのかということを突き詰めてみたい。

とあるプレイヤーのDQ3

  • 新しい町に着いたぞ。早速、店に行こう。
  • 武器にしようか、防具にしようか?
    1000Gしかないけど、はがねのつるぎ(1500G)が欲しいなあ。
  • 魔物を倒してお金を稼ぐぞ。
  • やった! ついに念願のはがねのつるぎを手に入れたぞ!
    攻撃力が一気に9アップ!
    お下がりの『くさりがま』を僧侶に持たせて、さらにパーティ強化!
  • キラービーが一撃だ! これで塔も攻略できる!

何の変哲もないプレイの一形態である。しかし、この中にプレイヤーが面白いと感じる点がいくつも凝縮されていることが分かるだろうか?

  • 新しい町に到着して、店を覗くワクワク感。
  • 武器か防具か。何を買うかを悩む楽しさ。
  • 目標を立ててお金を稼ぐことによる達成感。
  • 戦闘が楽になって、キャラクターが強くなったという実感。
  • 次なるダンジョン攻略に駆り立てる挑戦心。

実にシンプル。各要素が明快に面白さに繋がっている。

振り返ってみて、最近のゲームはどうだろうか? こういったシンプルな面白さを超えているだろうか? 以下のようになっていないだろうか?

  • 強い武器は宝箱から簡単に手に入る。達成感がない。
  • 店の装備は簡単に買える。買い物は装備を全て更新するだけの作業。
    達成感もなければ悩む楽しさもない。新しい店があってもワクワクしない。
  • 宝箱、戦利品、店……というように少し進むと次の装備がすぐ手に入る。
    結果的に装備を変えても一個あたりの変化は小さく、
    キャラクターが強くなった実感に乏しい。
  • 敵も大して強くないので苦戦しない。
    だからやっぱり、キャラクターが強くなった実感に乏しい。
  • 次のダンジョンもどうせ余裕なので、何も考えず突っ込むだけ。

最近はこんなゲームが珍しくないようにも思う。アイテムが大量にあって、宝箱からも魔物からも店からも次々と入手できる。一見、嬉しいのだが結果として、ひとつひとつの事象が軽くなってはいないだろうか?

とても色んな要素が盛り込まれているはずなのに、気づいてみればファミコンのゲームよりも悩む楽しさがない。プレイは単調。しかも、面白さに貢献していない数々の無駄要素によって複雑さと面倒臭さだけは格段にアップ。そんな風にはならないように自戒したい。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(24) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【RPG制作講座】作品を完成させる!

2014年02月08日

制作初心者にとっての最大の壁。それは『作品を完成させること』である。

Web上で開発記録を公開しているような作品は多数あれど、その内、完成に漕ぎ着ける例はそれほど多くない。Webで公開なんてことをやっているからには、それなりにやる気もあるのだろうけれど、それでも完成にはなかなか至らない。
はっきり言って、この界隈では制作を中途放棄する人を見ることは珍しくも何ともない。それこそ制作の中途挫折を意味する『エターなる(エターナるが正?)』なんて言葉が定着してしまったほど。
※エターなるの由来は特に説明しませんが、ググれば出てきます。

これを読んでいる方だって、制作経験があるならば、途中で投げ出した経験の一度や二度はあることだろう。この巨大な壁を乗り越えるため『作品を完成させること』を考察していきたい。

※この記事はエターなる経験者にとって、肺腑をえぐるような表現が含まれている可能性がなきにしもあらずです。ご注意ください。

そもそも完成させるべきなのか?


「別に完成しなくてもいいじゃないか。中途半端な作品なんて放り出してしまえ。それでも経験は積んでいるのだから、いずれ何年後かに自分の理想とする一作ができればいい」そんな考え方をする人もあるかもしれない。

だけど、それでもやはり作品は完成させるべきだと思う。

ゲーム制作には、最後まで完成させることで初めて勉強になる部分がある。たとえば「終盤のバランスの取り方」「エンディングによる物語の締め方」などだ。

そして何より、完成作を人にプレイしてもらい、感想をもらうことによる恩恵が大きい。なんせ、初めて完成させた作品というものは、プレイヤーのことを顧みない自己中なものになりがち。
「自分は何十〜何百時間と苦労したのだから、プレイヤーにも多少の面倒はかけてもいいだろう。このダンジョンでは2時間ぐらい迷ってもらおう」
これは凄くありがちな思考パターン。そのくせ自分のテストプレイでは、最短ルートを通って10分で抜けてたりすると始末が悪い。プレイヤーにそっぽを向かれる経験を積んで、こういうのは矯正されていく。

そんなわけで、製作経験は多くあっても、完成経験が乏しいようでは十分な経験があるとは言い難い。『作品を完成させる』というのも大事な技術の一つ。たとえ、何千時間と努力していても、作品を完成させる方法を知らなくては、同じことの繰り返しになりかねないというわけだ。

世間には、作品を途中で放り出すことを繰り返しているプロの作家や漫画家もいるが、そうなるとクリエイターかつ社会人としての信用は大きく落ちてしまう。「どうせ、また投げ出すんだろ?」「こいつに仕事を依頼するのはやめておこう」となってしまう。
アマチュアのゲーム作家にしても、きちんとした完成作があるかないかで、信頼度は段違い。これは特に協力者を募りたい場合に重要となる。

やはり、妥協があってもよいから作品は完成させたい。

で、この記事を書いている当人はどうかというと、エターなる率はかなり低いほうだと思う。RPG以外も含めると、中学生の頃にエターなったのを最後に10作品程度を連続で完成させている。RPGツクールだろうが、SRPGツクールだろうが、3Dシューティングツクールだろうが、デザエモンだろうが、開発に50時間以上かけた作品は全て完成させたと記憶している。たとえ、つまらない作品だろうがとにかく完成させている。

そんな僕なりにエターならない作り方を考えてみた。あくまで完成経験に乏しい人を対象に書いているので、ある程度の完成経験があるという人はこの限りではない。

いきなり大作にしない


いきなり大作を目指さない。もし、長編を作るならば年単位の製作期間を覚悟しなければならないが、簡単にできることではない。

目指すのが短編だろうが長編だろうが、まずは小さな話を作ろう。舞台は世界より大陸。大陸より島。島より町。というように最初は小さな範囲で考えていこう。
小さな話を完成させた後で、まだまだ長くしたいと思えたならば、そこから拡張していくような作り方をすればいい。長編だって、短編の集まりのようなものなのだから。

例えば……

  1. 村娘が魔物にさらわれる。
  2. 魔物を退治して、村娘を助ける。
  3. 村娘と一緒に捕らわれていた謎の少女が実は王女だった。
  4. 王女を城に返しに行くことに。
  5. 城では国王が病に倒れ、不穏な空気が……。

こんな感じでどんどんと繋げていく。やる気がなくなれば「2.」の段階で短編として完成させればよいというわけだ。

骨格を作る


優先して『ストーリー』『マップ』『必要なゲームシステム』といった骨格となる部分を作ろう。これらさえできれば、作品の形はできてくるので、後の部分は何とかなる。それ以外の重要でない要素は後回しにしてもよい。

逆に言えば、骨格ではない部分の制作に逃げてはならない。『逃げる』とは本編のストーリーもマップもロクにできていない段階から、寄り道要素を盛り込んでみたり、ひたすらアイテムや敵のデータばかり作ること。そうやって、いつまでも本編に着手しないような行為を指す。

自分の経験則だが、制作初心者には『隠し要素』や『寄り道要素』といったものをやたらと作りたがる人が多い気がする。どうも市販RPGにはお決まりのようにあるからなのか、真似したくなるらしい。
当然ながら、こういった要素は作品の完成が見えてから盛り込めば十分だ。まともに完成していない作品に対して、寄り道要素やクリア後の隠し要素が充実していたって仕方がない。

とにかく本編を作ろう。

省略できるように作る


『いきなり大作にしない』に書いたのとは別の方法も紹介。やる気をなくした時は省略してでも完成させる。あるいは、省略できるように最初から作っておく。

例えば……
「魔王のしもべである十魔将と戦い、最後に魔王と決着をつける」という壮大なストーリーを考えていたとする。制作途中で飽きた場合は『十魔将』を『四魔将』に減らしてでも完成させてしまおう。

要するに、物語の最初と最後を先に考えておき、間は中抜きできるように作ってしまうという方法だ。

細部にこだわらない


過剰なリアリティなど、細部にこだわって自分の首を絞めない。
例えば……

  • この町は大都市だから、住民を100人配置しよう。
  • 民家は現実と同じように二階建てが当たり前。
    もちろん、寝るところやトイレ・浴槽も必ずなくてはならない。
  • 時刻の概念を導入しよう。
  • 町人は話しかける度にランダムで違う内容を話すようにしよう。
  • 食料と満腹度の概念を導入しよう。
  • 全ての防具には斬打突炎氷……というように超詳細な耐性をつけよう。

ゲームシステムとして面白くできるという自信があるならともかく、単なるこだわりで細部まで作業を増やすのはお勧めできない。こういうのを目指すのは作品を完成できるようになってからでいい。一度、作品を完成させれば「どれぐらいの手間がかかるか?」という現実も見えてくるはず。

複雑なイベントは避ける


複雑になりそうなイベントは無理して作らないようにしよう。実力を大きく越えて複雑なイベントを作ろうとすると、中途挫折の決め手になりやすい。

よく使われるイベントで難易度が高いものの例を挙げてみる。

武闘大会

いわゆる『天下一武道会』など、漫画でもゲームでもおなじみの展開。これをやろうという人も多いと思う。しかし、『大会会場のマップ』『控室などでの他出場者との会話』『大量の観客』『毎戦闘事の会話』『複数回の戦闘』などなど、きっちり作ろうとすると、かなり大変なイベントである。

もっとも、このイベントは手を抜ける部分も多い。例えば、受付で会話後に画面転換して戦闘させるだけなら大して手間はかからない。武闘大会とは少し違うけど、FF6の『竜の首コロシアム』なんて、とってもシンプル。

戦争

物語において、国家同士あるいは人間対魔物のような騒乱を描く必要があることは多い。そこで必要となるのが戦争イベント。けれど、やっぱりこのイベントも大変。なんせ大量の兵隊を扱う必要があるのだ。配置するだけでも一苦労。さらに細かい動きをさせるなら、もっと苦労。

主人公達も参加するイベントの場合は、ゲーム的にどう折り合いをつけるのかというのも難しい。比較的、楽なところでは……

  • 味方の軍を陽動にして、自分達は少数精鋭で敵地に潜入する。
  • 戦場を駆け巡って敵司令官を倒す。
    シンボルエンカウント&ランダムエンカウントで敵が大勢いることを表現。

サガフロンティア2や幻想水滸伝のように、別システムでのシミュレーション型戦闘を用意しようなんて考えると大変だ。


こういったイベントをやろうとして大変さに挫折したという人、いないだろうか? かくいう僕も無理に武闘大会をやろうとして、挫折したことがあったりするのだけど……。

難しそうなイベントは着手する前に、どんなシーンがあって、どんな作業が必要となるかよく考えておこう。手に負えないと思ったならば、他の簡単なイベントにするか、手を抜けるところを探してみよう。

効率の悪いシステムは避ける


効率の悪いシステム設計を避けて、効率の良いシステムを目指す。「効率の悪いシステムってなんぞ?」と思われたかと思うが、具体的にはDQ6のように「制作の手間がかかる割にプレイヤーからの評価が上がらないシステム」のことを指す。

DQ6には『多人数の仲間システム』と『転職システム』という二つのシステムが並立しているが、転職による職業の個性が、仲間の個性を潰してしまっていると言われることが多い。結果的に『仲間の個性に特化したDQ4』『職業の個性に特化したDQ3』などの作品と比較しても、システム評価が高いとは言えない。しかし、DQ6のシステム制作にかかる手間はこの二作を大きく超えているだろうことは想像に難くない。

システムを設計する際はこういった二つの要素が競合しないシンプルな設計にするとよいだろう。その方が少ない手間で作品を面白くしやすい。もちろん完成もしやすい。

無理に自作しない


経験が乏しい状態で、素材やゲームシステムをほぼ自作するというのはかなり厳しい。最初は無理せず、フリーの素材&スクリプトを使用したり、開発ツールのデフォルト素材&システムを中心とするほうが無難だろう。

もしやる場合でも、狭い範囲から挑戦していくとよいかと。

  • 仲間メンバーのキャラグラだけ自作する。
  • 聞く頻度の多いフィールド曲だけ自作してみる。
  • 戦闘はツールのデフォルトだが、成長システムは自作してみる。

などなどだ。

グラフィックや音楽の差し替えは開発途中でも案外できる。開発終盤に余裕ができたのでやってみようという感じでもよいだろう。

モチベーション


制作に対するモチベーションの持ち方についても書いておく。

「モチベーションを高くするにはどうしたらいいか?」というのは多くの人が思うところだろう。けれど、個人的な意見を言えば、そもそも無理に高いモチベーションを保つ必要はないと思っている。

というのも、強いやる気を出して、一気に制作に取り掛かったところで、制作期間が一ヶ月〜二ヶ月〜三ヶ月と伸びていくに連れて、維持が難しくなってくる。『熱しやすく冷めやすい』なんて言葉の通り、冷めた時に挫折スイッチが入るのが関の山。

特にいちいち何かやる度に、成果や反響を求めてしまう性格の人は要注意だ。反響があろうがなかろうが、黙々と地味な作業の連続に耐えられる根気がなければ、長編の完成は難しい。

何でこんなことを書くのかというと、

  1. 制作開始。
  2. 凄くはりきる。
  3. 徐々に制作のキツさが分かってくる。
  4. だんだんクールダウン。
  5. エターなる。

というような制作初心者の必殺コンボを何度も見てきたからである。

そんなわけで、普通のモチベーションで日課のように淡々と制作すれば十分かなと思っている。もっとも、モチベーションの持ち方なんて、個人差があって当たり前なので、あくまで僕の意見ということで。もちろん、短期で制作できるような規模の作品ならば、一気にやるのもよし。

もし、エターなったら?


それでも、エターなってしまった場合も、データを削除するのだけはやめよう。もしかしたら、またいつか作品の制作を再開したくなることもあるかもしれない。その作品は永久凍結するにしても、部分的に流用できることもあるかもしれない。

そして重要なのは、自分が「なぜエターなってしまったのか?」という分析だ。

  • ストーリーをうまく作れなかったため?
  • 書いた脚本が恥ずかしくなったため?
  • マップ制作が面倒になったため?
  • やりたいシステムを実現する技術がなかったため?
  • 満足のいく素材が用意できなかったため?
  • クオリティに自信が持てなかったため?
  • 時間が取れなかったため?

エターなる理由も人それぞれだろうから、その対策も簡単には言えない。それでも、自己の分析こそが『脱エターナラー』の一歩となる。

例えば、僕は「中学生の頃にエターなった」と書いたが、その理由は「ストーリーをうまく作れなかったため」というのが大きい。どうも、当時の僕はストーリーの制作にそこまで興味がなかったのだと思う。なので、ストーリーで無理をしない作品にすることで、次は完成させることができた。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(21) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【RPG制作講座】町人のセリフ・配置

2013年12月28日

『町人』とはストーリー上、重要な役目を持たない登場人物のことを指す。グラフィックは使い回しで、名前も大抵はない。村人とか市民とかモブとも言われる。呼称は何でもよいが、ここでは『町人』で統一する。

町人は基本的にメインストーリーには関わってこない。プレイヤーが話しかけることで初めてセリフを返してくる。プレイヤーが存在を無視しようとすれば、一切そのセリフを聞くこともない。まさに脇役中の脇役である。

20131228_1png.png

そんな脇役たる町人の役目は以下の通り。

  • 情報を与える。
  • にぎやかし。

他にも、店などの施設を運営するのも町人の役目と言えなくもないが、この記事にはあまり関係ない。

日の当たらない存在とはいえ、世界を表現するには、そこに住む住人の存在が不可欠だ。住民がまばらにしかない上に、無味乾燥なセリフしか吐かないゴーストタウンのような町ばかりを旅していても、冒険感は得られないというもの。よって今回は、いつも軽視されがちな町人の配置とセリフの内容についてまとめてみる。


町人の人数


先立って、町人の人数について考えておきたい。

セリフを話す町人の人数(店など施設要員を除く)は小さな町で5人。大きな町で20人という程度で十分だろう。町に無駄な空白地帯ができると寂しい感じがするので、そうならないように適度に配置しておきたい。
町人の人数が多くなり過ぎないように注意。多過ぎると制作が大変なのは当然だが、プレイヤーだって話を聞くのが大変になる。それに1人当りの内容が薄れてしまって、重要な情報を見落とすことにも繋がる。

町人の人数はそこそこいるはずなのに、どうにもまばらで寂しい感じがすることもあるかもしれない。その場合は単に町が広すぎる可能性が高いので、見直すことも考えよう。

一つの町で5〜20人程度と書いたが、これが長編RPGともなると町の数も10〜20というように多くなってくる。掛け算して50〜400人。さらに、ストーリー進行で町人のセリフ内容を変化させることも考慮したい。場合によっては、1000を超えるセリフを書かなくてはならないだろう。
一セリフを60文字と考えた場合、1000×60=6万文字となる。大体、小説一冊の3分の1といった分量だろうか。これはなかなか馬鹿にできない作業量だ。

そんなわけで、町人のセリフを考えるのは地味に大変な作業なのだ。

セリフの長さ


『一セリフを60文字と考えた場合』と上で書いたが、実際のところ町人のセリフはどのような長さにすればよいのだろうか? 書き手の好きでよいと言えば、全くその通りなのだが、何か目安が欲しいという方もいるだろう。

そこで参考までに、いくつか市販RPGの町人セリフを引用してみよう。

DQ3

「ここは アリアハンの城下町。」
「北に行くと レーベの村が
 ありますわ。」

約30文字とシンプルなセリフ。

「かつて この国アリアハンは
 すべての世界を おさめて
 いたのじゃ。」
「しかし いろいろな戦争が
 あってな。多くの人々が
 戦いで 命をおとした。」
「それからは 海のむこうに
 通じる 旅のとびらを
 封じこめたと いうことじゃ。」

約100文字のやや長文。改めて見ると結構無茶な設定。アリアハン凄すぎ……。

「オレは 見まわりの兵士さ!
 町に なにか あっても
 オレがいるから だいじょうぶ!」
「安心して 旅を続けて
 くれよな!」

こんな感じでメッセージウインドウ二つ分ぐらいのセリフをしゃべる人物が多い気がする。

FF6

「ここはサウスフィガロの町。」

全体的にDQよりもかなり簡潔だが、これは特に極端な例。体言止めとは、なんてドライな……。

「えらいこっちゃね!
 帝国を敵にまわすとは……」

関西弁を喋る謎の幼女。

「君も見たかい?
 地中を走るフィガロ城の勇姿を。」
「……つってもムダか。
 地中じゃ見えないもんな。」

こういったメッセージウインドウが切り替わるセリフ自体がやや少なめ。


個人的な意見ではFF6だと簡潔過ぎるので、DQ3ぐらいの内容があったほうが好み。ただし、長過ぎるのも読むのが面倒なので、メッセージウインドウが1〜3ページ程度で収まる長さを目安にするとよいだろう。文字数で言うと30〜100文字程度といったところか。

セリフの内容


では、具体的にはどのような内容をセリフに書けばよいのか? よく使われるセリフの種類をパターン別にまとめてみた。

ストーリー進行上重要なセリフ

これがないとゲーム進行もままならないというような重要なセリフ。町人を作成する際は真っ先にここから配置していくとよいだろう。もっとも、このタイプはメインストーリー上の会話に組み込まれることも多い。

目的を示す

「魔王を倒すには伝説の聖剣が必要なのだ」
さすがにここまで重要なセリフはメインイベント上で説明してもいいかも。

目的地・場所を示す

「XXXXを探しているのか? それなら○○○○の町にあるそうだ」

「○○○○の町なら、東の橋を渡った先にあるぞい」

複数人との会話から、より詳細に分かるという風にしてもよい。特にセリフが長くなりすぎた時は分割したほうが分かりやすい。

交通手段を示す

「南の島に渡るには船が必要だ。
 船乗り達と交渉してみるがいい」

定番の乗り物イベント。

攻略上有益なセリフ

次に優先して配置したいのはこのタイプ。攻略上必須ではないが聞いておくと便利というもの。

ゲームシステムの説明

「素早さが高いと敵より先に動けるぜ」
パラメータの説明をしておく。攻撃力のようにそのまんまなパラメータはあえて説明しなくともよいかも。

「レベル20にならないと転職はできない。
 そして、転職した直後はレベルが1に戻ってしまう」

新システムを解禁したら、その説明もやっておこう。序盤から一気に説明を流されると、引かれることもあるので、小出しできるものは小出しでもよいと思う。

道具の情報

「聖水を使うと弱い敵は寄って来なくなる。
 戦いが面倒になったら使ってみな」

特に有効活用して欲しいという道具に関しては、町人に説明させてみるのも手だ。メニュー画面や買い物画面での説明だけでやるよりは印象が深まる。

仲間や職業の特性

「戦士は打たれ強くて、力も強い。
 パーティの先頭で戦える職業だぜ」

特に個性的で取っ付きにくい職業ほど説明は大事となる。

「ウチの子は魔法は得意だけど、HPはあまり高くないんだ。
 無茶させないように、守ってやっておくれ」

仲間キャラクターの家族などに語らせてみるのも、人間関係が浮かび上がって面白い。

特定の場所や敵に関する情報

「砂漠の敵は水の魔法に弱いぞ」
ザコ敵の弱点を伝える。

「バジリスクは石化の攻撃を使ってくるんだ。
 回復手段は用意しておけよ」

即死・石化といったキツい状態異常は、前もって警告しておくと理不尽感は軽減されるかも。

「四天王XXXXは毒魔法の使い手だ。
 奴の毒霧に何人もの仲間が倒れた……」

ボス敵の特徴を前もって知らせてみたり。

施設案内・道案内

「村長の家なら、一番奥にありますよ」
『ストーリー進行上重要なセリフ』との境界は微妙なところだが、対して迷わない場所にも案内を入れてみる。使える機会は多いので、セリフのネタが切れた時には地味に役立つ。

ストーリーや世界設定を深めるセリフ

必ずしも必要なセリフではないが、あると理解が深まる。『情報』と『にぎやかし』の中間的な役目。

イベント

「式典は明日、開催される予定です。
 今年も各国から著名人が集まるらしいので、楽しみですよ」

これから起こるイベントについて、事前情報を出しておく。

「楽しみにしていた式典があんな惨劇になるなんて……。
 ああ、これからどうなってしまうのか……」

もちろん、イベントが終わった後はこんな感じで。

過去・歴史

「千年前、伝説の勇者が魔王を倒したのじゃ。
 それ以来、世界は平和だったのじゃが……」

世界の歴史をオープニングテロップで一気にやるのは鬱陶しい――と思った場合は、こんな風に小出しにするとよいかも。町人じゃなくて、本棚などから情報を得られるようにしてもよい。

「君の父上はこの国で最も優れた剣士だったのだよ。
 全く惜しい人を亡くしたものだ……」

主人公〜主要人物の両親など、過去の設定も同様。


「魔物とは五百年前に突如現れた悪しき生物なのです。
 その生態はいまだ謎に包まれています」

お約束の魔物といった概念にも何か説明を加えてみてもよいかもしれない。

地理

「この世界には四つの大陸があるのです。
 どの大陸も、この島よりはるかに広大ですよ」

先の冒険への期待感をふくらませる。

科学・技術

「この鉱山で採れるミスリルは優れた金属だ。
 銅よりも軽く、鋼よりも丈夫なんだぜ」

こんな説明があると、件のミスリル武器を手に入れた時に、単なる数値以上の嬉しさが得られるというもの。

「飛行船の核には浮遊石を使っています。
 浮遊石は空気に浮かぶ不思議な石なのです」

作品によっては世界独自のエネルギー源が存在しており、ストーリーに深く関わってくる場合も。例えば、FF7の魔晄エネルギーなど。

町・国家

「ここはXXXXの町だ。
 この町は魔物から人々を守るため
 高い壁で囲まれているんだ」

とりあえず、入口に町の説明をしてくれる人を配置するのは基本。何か一言でも、町名以外の特徴を入れるとよいかと思う。

「XXXX帝国と○○○○共和国は
 既に十年間も戦争を続けている」

国際情勢も語らせてみよう。

人物

「大臣のXXXXは汚職まみれの汚い野郎だ。
 どうして陛下はあいつを首にしないんだ!」

ストーリー上の重要人物について、情報を伝えてみる。

「XXXXさんはこの国で一番の槍の達人だよ。
 強いだけじゃなく、性格も優しいんだ」

『仲間キャラクター』の人物評も入れてみよう。パーティにいる時は会話が変化しても面白い。

「あのドラゴンを倒してしまうなんて
 XXXX。お前こそ真の勇者だ!」

もちろん、主人公だって一人の人物。プレイヤーが成し遂げたことをほめてくれると嬉しいかも。

雑談

「今日の晩御飯は何にしようかしら?」
というようにストーリーにも世界設定にも関与しない雑談。純粋なるにぎやかし。
基本的には、ネタに付きた場合の苦し紛れなので、乱用は禁物。できれば『ストーリーや世界設定を深めるセリフ』に近付けたほうが望ましい。

例えば
「今日の晩御飯はXXXX名物の○○○○芋を使ったシチューよ」
という具合にその世界独自の固有名詞を入れて雰囲気作りをする。

あるいは
「今日の晩御飯は抜きよ。この国は貧しいから、
 1日3食というわけにはいかないの……」

というように経済状況を表現してみるのもよい。

もっとも
「今日の晩御飯は何にしようかしら?」
というセリフだって『平和で深刻な悩みを持たずに住める町』であるという設定を遠回しに表現していると言えなくもないけれど。

まとめ


今回の講座は実に地味だった。しかしながら、町人のセリフは地味ながら大事なもの。「町人のセリフを書きたいが思いつかない!」と思った時はこの講座を眺めてみて欲しい。例に挙げたセリフの数々はわざと簡素にしてあるので、色々と肉付けしてみるのがおすすめ。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(10) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする