【RPG制作講座】状態異常A 状態異常の分類

2013年05月04日

前回は状態異常の問題点と有効活用方法に付いて記述したが、今回は個別の状態異常を分類しながら掘り下げていく。どんな状態異常を作るか悩んだ時のために、参考となればと。

まず先に、状態異常とは一体どのような要素から構成されているのか考えてみる。

  1. 状態異常の効果
  2. 状態異常の掛け方
  3. 状態異常の発動条件
  4. 状態異常の解除条件

以上4つをどのように組み合わせるかによって、状態異常の性質が決まる。
例えば、『毒』1つ取っても・・・

  1. どれだけの毒ダメージを受けるのか?
    現在HPに対する割合?、最大HPに対する割合?、固定値?
  2. どうやって毒を掛けるのか?
  3. どのタイミングで毒ダメージを受けるのか? 毎ターン? 時間経過でじわじわ?
  4. どうやって解除するのか?
    道具で治療? 魔法で治療? 教会で治療? 戦闘終了後に自動解除?

というように細かく性質を分けることが可能だ。

それでは、それら4つに付いての分類に入る。

状態異常の効果による分類


徐々にダメージを受ける

『毒』を代表とする状態異常。ターンなどの時間が経過する度にHPが少しずつ減っていく。HPではなく、MPなどを減少させるものもある。似たものには『火傷』などがある。

能力値を変化させる

防御力が減少する『防御力低下』、攻撃が回避できなくなる『回避率低下』など。補助技では能力を上昇させることが基本となるが、状態異常の場合は能力を低下させることが基本となる。ゲームシステム上、存在するパラメータはほぼ全て対象とできる。

属性・相性を変化させる

『オイル状態』による炎属性の弱点化、回復魔法で逆にダメージを受ける『ゾンビ』など、属性や相性を変化させる。あまり使われていない分野でもあるが、考えられる範囲は広い。

上の『能力値を変化させる』と併せて、『計算式を変化させる異常』と考えることもできる。

行動を妨害する

『眠り』『マヒ』『スタン』『ディレイ』『石化』『凍結』など。いずれもキャラクターの行動ができなくなるものだが、良くある類型だと・・・

  • 眠り:攻撃を受けると解除される。防御力の低下を伴うことも。
  • マヒ:攻撃を受けても解除されない。時間経過で解除。
  • スタン:一度だけ行動ができなくなる。
  • ディレイ:CTB,ATBのようなシステムの作品において、行動を遅らせる。
  • 石化:最も効果が重く、治療するまで行動できない。治療法が無いと死亡同然となる。
  • 凍結:炎魔法によって解除。

というように設定されている。

一部の行動を妨害する

どのような種類の行動を封じるかで特徴付けられる。最もメジャーなのは、やはり魔法を封印する『沈黙』だろう。その他には『特技封じ』『退却封じ』など。

魔法や技の詠唱中に攻撃を当てることで妨害する、といった技やシステムが存在する作品もある。

意図しない行動をさせる

  • 暴走:通常攻撃を勝手に繰り返す。FFシリーズのバーサクのように攻撃力上昇の効果を持っている場合も。
  • 混乱:敵か味方のどちらを狙うか分からない。
  • 魅了:混乱よりも更に嫌らしく、味方を確実に狙う。性別が反対の相手にしか掛けれないといった設定がされている場合も。

自由な行動ができなくなるため、間接的に『一部の行動を妨害する』と同じ効果も持つ。メジャーなのは、上記の3つだが、他にも色々と考えられる。

ロマンシングサガの敵専用術『アニメート』なども面白い。HPが0になった味方キャラクターを操るという効果で、心理的な嫌らしさがたまらない。

同じ行動をひたすら繰り返すポケモンの『アンコール』なんてものもある。

戦闘不能にする

キャラクターが倒れてしまって戦いに参加できなくなる状態異常。全員がこの状態になると全滅となる。
戦闘不能の他には『気絶』『死亡』といった名称が付けられる。『死亡』といっても、大抵は簡単に蘇生する手段が用意される。その場合
「魔法1つで死んだり、生き返ったりするのはおかしい!」
「ストーリー中の死亡シーンと整合性が取れない」
なんてツッコミをする人もいるので、『戦闘不能』や『気絶』といった名称を選んだほうが無難ではある。もっとも、本当にキャラクターが死亡するファイアーエムブレムのような作品も存在するけれど。

通常攻撃を始めとした大半の攻撃はHPを減らすことによって、戦闘不能にさせる状態異常攻撃と考えることもできる。大多数のRPGにゲームシステムとして、組み込まれた状態異常である。

戦闘不能を直接狙う状態異常として『即死』がある。これは特に敵側が使うものとして脅威であり、DQ2やFF1では猛威を振るう。ロクに対処法が無い場合は理不尽にしかならないので注意だ。

味方が使う即死は、しぶといザコ敵を倒すのに便利。もちろん、普通はボスには効かないのだが、FFシリーズには『レベル5デス』などボスにも効果があることも。

似たようなものとして、一定時間経過後に即死効果を発動する『死の宣告』もある。

複合型

複数の効果を兼ね備えた状態異常も設定可能だ。例えばFF3,5,7に存在する『カエル状態』は・・・

  • 姿がカエルに変化する。
  • 能力が大幅に減少する。
  • 魔法・特技が使用できなくなる。
  • ただし、『トード』『カエルの歌』など一部の技は使用できる。

というような複数の特徴を併せ持つ。

保有する効果は状態異常の名称などから、自然な効果であることが望ましい。例えば、『毒』という名前の状態異常で、「毒ダメージを受ける」と共に「魔法が使えなくなる」という効果を持っていたら、大抵のプレイヤーは違和感を感じるだろう。

状態異常の掛け方による分類


どうやって対象者を状態異常に掛けるのか?

普通に掛ける

普通に魔法・特技によって状態異常を掛ける。最もシンプルな方法。複数の異常を同時に掛けるパターンもある。

ダメージ攻撃に付属して掛ける

ダメージを与える攻撃の付属効果として掛ける。全くの無駄撃ちになりにくいため使いやすい。反面、「ダメージを与えたいのか?」「異常を与えたいのか?」というように、戦術の焦点がぼやけるのは難点。・・・というのは、前回『ダメージ攻撃の追加効果として設定する』の記事で書いた通り。

自分の技で掛かる

例えば、「凄い威力を発揮する代わりに、反動で一定時間マヒしてしまう」という副作用を伴う特技など。「個性的な技・キャラクター・敵を作りたい!」という方はこの路線で考えてみると良いかも。

ダンジョンのトラップで掛ける

ダンジョンのトラップに掛かって状態異常に!というパターン。風来のシレンなど、ローグ系ゲームの印象が強いが、普通のRPGに取り込んでみても良いかと思う。

ストーリー進行で掛ける

ストーリー進行上で仲間が呪いを受けて・・・というようなパターン。その後の進行は下の『状態異常の解除条件による分類:ストーリー進行によって解除』の辺りを見て欲しい。

もちろん敵に掛けても良い。スサノオによるヤマタノオロチ退治(酒を飲ませて眠らせた)の神話の如く、搦手で強大な敵を倒すようなボス戦も面白いのではないだろうか。

状態異常の発動条件による分類


以下のいずれかの条件を満たしたタイミングで、状態異常の効果を発動する。条件を満たしても、確率次第で発動しない設定もできる。

ターンが回ってきた時に発動

最も良くある条件。『毎ターンHPが減る毒』『勝手に攻撃してしまう暴走』などが挙げられる。

時間経過で発動

『ターンが回ってきた時に発動』も時間経過と考えられないことも無いけれど、とりあえず別枠で。ATB、CTBなどで、『時間経過と共にじわじわHPが減っていく毒』など。こちらの方が心理的には焦るかも。

特定の行動時に発動

特定の行動を取ろうとする、あるいは取った時に発動する。『一定確率で攻撃に失敗するマヒ』『攻撃すると自分もダメージを受ける呪い』など。どの行動でも発動するならば『毎ターン発動』とあまり変わらない。

攻撃・回復等の効果を受ける時に発動

『攻撃で受けるダメージを倍増する呪い』『受けた回復を無効化する呪い』など。

常に発動

『魔法が使えなくなる沈黙』『能力値が低下する状態異常全般』など。

状態異常の解除条件による分類


状態異常には複数の解除条件が設定されているものが多い。戦闘終了時にも治るし、治療魔法でも治るといったものが大半だろう。

時間経過で解除

ターンの経過などで、戦闘中あるいは歩行中に自動で解除される。要するにほっといたら治るのだが、ほっとくと致命的な事態になりかねない『混乱』のような状態異常もある。

攻撃を受けると解除

どのような攻撃で解除するかも個性の分かれ目。『物理攻撃で目覚める眠り』『叩くと正気に戻る混乱』『炎攻撃で解ける氷結』などがイメージしやすいだろう。

戦闘終了後に解除

戦闘が終われば解除される。逆に戦闘終了後に解除しない状態異常は厄介なので、こちらの数は絞った方が良い。

治療によって解除

治療魔法や道具によって解除する。あるいは、教会など特定の場所で解除する場合もある。

DQのキアリー(毒の治療)のように対象とする効果を限定するか、FFのエスナ(ほとんどの異常を治療)のように幅広い異常を対象とするかでも、バランスが変化する。

ストーリー進行によって解除

さほど使われる手法では無いのだが、状態異常をストーリーと絡めてみても面白いかも。

  1. 仲間キャラクターが敵キャラクターから呪いを受ける。
  2. 呪われた仲間は、歩いたり、ターンが経過する度に、HPやMPが減っていく。
  3. イベントをこなすと治療法が見つかり、呪いが解ける。

このようにゲームという媒体を活かしてストーリー上の状態を表現する手法もある。例えば、序盤から登場する強い味方キャラに対して、制限を掛けてみるのも面白いのではないだろうか。

市販RPGの例だと、FF9の声が出なくなるガーネットなどがある。この状態だと、戦闘中の行動が確率で失敗するので中々に厄介だ。でも、このイベントって必然性薄くて微妙だよね?

解除されない

解除されないという「まさに絶望」なパターンもあり得る。例えば、ファイアーエムブレムにおけるキャラ死亡によるキャラの永久消滅が挙げられる。

そこまでいかなくとも、キャラクターの特性として状態異常を組み込むパターンもこれに当たる。

  • 毎ターンHPが減る病弱キャラ
  • 命令を受け付けない暴走キャラ
  • 突然、眠りだすナマケキャラ

強烈な個性を持ったキャラが作れそうではある。もっとも、あまり酷い設定にしても使いものにならないので、さじ加減は程々に。

まとめ


ここで挙げた状態異常の中には、バーサクのように補助効果に分類すべき要素が混在している場合もある。とはいえ、制作者は異常なのか補助なのかといった分類にこだわる必要も無い。面白いと思ったならば良い効果と悪い効果が同時に現れるような状態変化を作ってみても良い。枠にとらわれず存分にアイデアを奮って欲しい。

書いていて思ったのだけど、前回記事『状態異常@ 問題点と有効活用』の有効活用の方法は別に記事を作って、まとめた方が良かったような気がしてきた。状態異常@Aで内容が前後しちゃってたり、内容を盛り込みすぎてテーマがボヤけていたりで、難点があるように思う。その内記事を分割・整理するかも・・・。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(0) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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