【RPGレビュー】ドラゴンクエスト5

2013年04月27日

発売元スクウェア・エニックス(公式)
機種PS2
発売日2004/03/25
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
80908080908090842004年頃

質量/物語


SFCで発売したDQ5のPS2版リメイク。オリジナルは1992年と古く、SFCでも比較的に初期の作品となる。

親子3代に渡る物語が特徴。物語は主人公の少年期から始まり、やがて青年期へ移る。何といっても、結婚〜出産なんて要素がストーリーに組み込まれているのは当時斬新だった。その結婚相手を巡るビアンカ派とフローラ派による聖戦は『ティファ派VSエアリス派の戦い』あるいは『きのこたけのこ戦争』と並んで有名。
ちなみに、DQ5のリメイクにはDS版も存在して、そちらには第3の花嫁デボラが登場する。PS2版には登場しないので悪しからず。

少年期のイベントの多くが青年期の伏線になっており、無駄の無い構成になっている。堀井雄二氏によれば、主人公を交代させるのが嫌だから、真ん中の2代目を主人公として固定したとか何とか。確かに、主人公が体験する波瀾万丈の人生は、プレイヤーへの感情移入度を高める。

シナリオの評価はシリーズ中でも高い。特にDQ5は、シナリオが大人のツボを突いているためか、時代と共に評価が上がってきた印象がある。

難を言えば、ラスボスの影が薄いこと。そもそも考えてみると、主人公に与えられる旅の動機は『母を助ける』とか『妻を助ける』とか『父の仇を討つ』なのだが、その辺りのエピソードはラスボスよりも前に片が付いてしまう。となると、ラスボス戦がそれらのついで扱いになってしまっているわけだ。

しかも、作中には父の仇となる悪役が存在し、そちらは中ボスながら強く印象に残る。DQ3,4と印象強いラスボスが続いただけに、存在感で中ボスに負けるラスボスは悲しいものがある。リメイクに当たって、その最大の悪役だったゲマの出番が増えていたので、裏ボスフラグかと思ったが別にそんなことも無かった。

DQ5にはSFC版の時点で、クリア後の隠しダンジョンと裏ボスが存在しているのだが、PS2版でのさらなる追加ダンジョンや裏ボスは存在しない。とはいえ、DQ4リメイクのように、話を大きく変えてしまうような追加要素は賛否が分かれるので、無くて良いかもしれないけれど。

会話システムがDQ7から逆輸入されており、仲間と会話することができる。SFC版と比較して何倍にもセリフ量が増えており、後半はファミリーでの会話も可能となるのも嬉しい。ピピンなど、影の薄かった仲間にも大いに個性が付いた。これのせいで人間キャラばかり入れたくなってしまうが、当作品のモンスター仲間システムと衝突してしまうのは難点かも……。

どうでもいいけど、ヘンリーのキャラクターが7のキーファと被りまくっていることに気付いた。王子で、主人公の親友で、むっつりスケベで、女に惚れたら一直線で、途中で離脱……という具合に完全一致。キーファと違って、離脱する理由は至極真っ当であるけれど。

システム/バランス/快適性


戦闘参加人数がSFC版では3人だったが、4人に増えている。これは豊富な仲間がいる作品なので嬉しいところ。それでいて戦闘テンポはそれまでのシリーズ作品の中でも最速レベル。アニメーションの存在しないFCのDQよりも遥かにスピーディ。

といっても、難易度が下がったわけではない。敵の同時出現数が増えたり、ボスが強くなったりしている。また、マップが広くなったのに伴い、ダンジョンも広くなった。トロッコ洞窟のような、SFC版だと数十分で終わったようなダンジョンに数時間掛かる場合も。

SFC版で手強かったダンジョンもやはり手強い。レヌール城は序盤のダンジョンにしては厳しいなと毎度思うのだが、それだけに同行するビアンカの印象も深まる。さすがにそこまでの効果は狙ってはいないだろうけれど。

当作品のシステム面での最大のウリは、何といってもモンスター仲間システム。当時は、魅力あるDQのモンスターが仲間になるというだけで、どれほど嬉しかったことか。

ただし、モンスターのバランスに付いてはSFC版からの問題と、リメイクによる問題の両方で、色々と疑問がある。まず、スライムナイトやゴーレムが仲間のしやすさと性能面で突出しているのは、SFC版から相も変わらず。プレイヤーによるパーティ編成は似たり寄ったりになりやすく、豊富なモンスターが仲間にできる利点が存分に発揮できていないのがもったいない。
リメイク版で追加されたモンスターも、中途半端な使い勝手なのが目立つ。例えば、ゴーストだが、仲間にできるのが後半なのにレベル1で加入されても使いどころが無い。エビルアップルは強いが、ビジュアル的に誰得な上に、レベル20が最高レベルなので、後半は役に立たずというのは寂しい。そもそも、ゲーム中盤で捨てざるを得なくなるようなレベル制限って、本当に必要なのだろうか。

また、仲間になる確率が1/64とか1/256とか、低めに設定されているモンスターは能力問わず全く出番が無い場合も。なんせ、普通にプレイすると、クリアまでの戦闘回数は1000回程度というところなので。

PS2版の最大の欠点はAIがバグと言っていいほどお馬鹿なこと。「弱い呪文や道具を意味もなく多用する」「大してHPが減ってないのに回復を使用する」など、話にならないレベルだ。「命令させろ」を使えば問題ないのだが、もったいない。

追加要素@のすごろく場だが、これはDQ3のリメイクにもあったもの。でも、所詮はおまけなのに高難易度の運ゲーなので、かなりストレスが溜まる。最後(クリア後)のすごろく場は『落とし穴』や『ふりだしに戻る』がたくさんあって、嫌らしさが半端ない。マゾゲーマー以外にはお勧めできない。

追加要素Aの名産品システムは、そもそも無くても支障ないようにも思える。色んな町を巡る面白みを出したかったのかもしれないけれど、全部集めてもこれといって報酬が無いのは何だかむなしい。

美術


マップやキャラのグラフィックはRPGツクール5を彷彿とさせる。といっても、ツクール5もそれなりに頑張っている部類なので、ショボイとまでは言わないけれど……。でも、キャラの腕が妙に大きいのには違和感がある。

もっとも、元のDQ5は色使いが暗く、SFC初期の作品と比較してもグラフィックに劣る印象だった。それを考えれば、よく動くモンスターなど悪くはないのではないだろうか。

音楽


正直、SFCの時はそれほど強く印象に残らなかったのだけれど、全曲オーケストラ版となってみるとまるで違う。特に通常戦闘曲の作り込みは圧巻。地味と思っていたボス曲やラスボス曲なども、威圧感があるものに。

町の曲もシリーズ中ではかなり好き。中盤以降の悲壮感のあるストーリーと重なって、だんだんと曲調に哀愁を感じるようになるのは僕だけだろうか。
posted by 砂川赳 at 06:00 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする