【RPG制作講座】作業負荷を考慮してみる

2013年01月05日

1つの作品を完成させるためには、様々な作業が必要となる。そして、その作業毎に制作者が感じる心理的・時間的な負荷は異なる。作品の完成を目指すに当たって、各作業の負荷を考慮してみたい。

作品を完成できない制作者にありがちなのは、負荷が大きい作業を避けて、負荷が小さい作業に逃げてしまう事。(ソースは僕の少年時代) 特に素材収集に加え、仲間・敵・アイテム等のデータ入力といった簡単な作業をして、制作を進めた気になってしまうのは大きな罠だ。

負荷が大きい作業とは、以下の様な傾向が強いものである。
  • 作業量が多い。
  • 結果を得るまで時間が掛かる。
  • 創造力が必要。
  • 技術力が必要。
  • 複雑な計算が必要。

負荷が小さい作業とは、以下の様な傾向が強いものである。
  • 作業量が少ない。
  • 結果が出るのが早い。
  • 単純作業。

例えば、『マップデータの作成』は1つのダンジョンや町を完成させるまでに長い時間が掛かるため、完成までモチベーションを維持する事が難しい。一度、区切りがついた場合に再開するのにも気力を要する。逆に『町人の配置&セリフ作成』などは、1人当たりのセリフ入力はすぐに終わるので、気軽に手を付けて気軽に中断・再開しやすい。

だからと言って、負荷が大きい作業に手を付けない事には、制作はいつまで経っても進んだとは言えないし、終わらないので、心掛けて欲しい。負荷が小さい作業というのは、テンションが低い時でもできる。平日、仕事帰りの疲れた時でも、惰性で少しずつ進める事もできる。ある程度の型を決めたならば、後回しにしても良いだろう。

制作者の好みによって負荷の大小が変化する事は言うまでもないが、参考までに僕個人の主観で負荷の大小毎に項目を列挙してみた。

負荷大


ストーリーの作成

全体のストーリーを構想し、さらに、テキストエディタへ個別イベントのセリフや所作といった脚本を打ち込んでいく。RPG制作における醍醐味で、これを一番の楽しみとする制作者も多いが、難易度も高い。

言うまでも無く創造力を要する作業となるのだが、同時に物語の整合性を取る論理性も要求される。脚本を書いていると、色々と気恥ずかしくなってくるのも創作者として、乗り越えねばならない壁だが、気にせず行こう。途中、考えたイベントが気に食わず、戻り作業が発生する事も珍しくないので、しっかり構想を固めねばならない。

ただし、「構想段階で停滞して、いつまでたっても脚本に進まない」なんていうのもありがちな事。構想がある程度できたのなら、意を決して脚本制作に進もう。

マップデータの作成

地道で時間が掛かる作業の代表格。ストーリーが無いRPGはあっても、マップが無いRPGは少ないので、個人制作ならば、避けては通れない部分だ。膨大なマップデータを入力する面倒臭さに挫折した制作者は数知れず。ストーリーと比べるとそこまでの創造力は要求されず、単調作業寄りなので、テンションが低くても、ある程度やれるという点だけはマシだろう。ただし、下にある『マップチップの作成』段階からやる場合はその限りではない。

ストーリーイベントの作成

作成した脚本をイベントとしてエディタのマップ上に乗せると同時に、キャラクターの配置・動作や画面演出といったものを組み込む。指定した動作で実際に動かしてみると、しっくり来ない事が多く、何度も調整を入れる事が多い。これもストーリーそのものの作成に負けずと大変な作業となる。

自作システム作成

複雑なスクリプトやプログラムによる自作システムの作成を指す。技術力が必要なのもさることながら、細かいレイアウトの調整も入ってくるので、中々に大変。システムデザインそのものも創造力を要する作業だ。

敵グラフィックの作成

グラフィック素材の中では、サイズが大きめなのが難しい点。画力が必要なので素人(僕含む)には辛い。巨大なボスモンスターは特に厳しい。あまり大きいと大変なので、最初は50×50ドットぐらいのサイズを目安に描いてみると良いと思う。

1グラフィックに付き×3〜4程度、色変えを駆使して数を水増ししてみよう。ボスまで色変えで済ませるというわけには、さすがにいかないが、長編でも40〜70程度描けば何とかなる。

歩行グラフィックの作成

敵グラと比較すると、フォーマットがあるので、描いている内に慣れやすい。素人でも少し頑張れば、そこそこの見栄えのものを作ることができる。キャラクターのデザインを考える楽しさもあるので、ドット絵初心者にもお勧め。ただし、上下左右それぞれの歩行パターンがいるのが大変。一般人の老若男女を揃えるだけでも一苦労だ。

マップチップの作成

グラフィック素材の中では地味かつ大変。世界観に凝って、単純な西洋ファンタジーとは、一線を画したものを作ろうとか、こだわり出すと死ねる。パターンを使いまわしして、色を変えるだけでも雰囲気は変わるのでうまくやろう。

戦闘アニメーションの作成

自力で素材制作を行わない場合は、負荷中ぐらいになると思う。とにかくパターンが多い。サイドビューならば、キャラクターの動きを作らなければならないのが大変。ちなみに、FF6やロマサガ3のキャラの戦闘アニメを見ると分かるが、うまく歩行アニメーションを流用して手間を削減していたりする。

作曲

意外かもしれないが、素材制作の中では比較的に負荷は小さい部類だと思う。どの程度こだわるかにもよるが、5〜10時間程度あれば一曲完成できたりする。DQシリーズのように長編でも曲の使い所を絞れば、数十曲でも足りる。FFのように町・ダンジョン毎に曲を変える勢いだと大変。他と比べると成果物単体での達成感が大きいので、モチベーションに繋がりやすい。ただし、スランプやマンネリに陥ると、中々脱出できないのがこれの難しいところ。

負荷中


テストプレイ(デバッグ&バランス調整)

長編となると、クリアまで数十時間と掛かったりするので、1周通してクリアするだけでもかなりの負担となる。その上で、『マップの当たり判定』『フラグ管理』『バランス調整』といった細かい事に気を配る必要がある。実際は完成までに数周はテストプレイするのが常識。自分のゲームは既に知り尽くしているがために、やっていてもワクワク感が少なく、言わば最初から半分飽きている状態なので、これも中々の苦行。

町人の配置&セリフ作成

長編なら店等の施設を省いた全部の町人を合計すると、何百人という人数になる。さらにストーリーの進行によって、セリフが切り替わったりする。これら全部のセリフを入力するのは地味に大変だが、1人当たりの作業はそこまで多くない。作業を区切りやすいので、気持ちとしては楽にできる。ただし、会話のネタ切れに悩まされる事も・・・。

負荷小


素材収集

フリー素材を集めて来ただけで、何だか制作が進んだ気になるのは良くある事。ただそれが錯覚である事も言うまでもない。人にオーダーメイドする場合は、やり取りによる負荷は大きくなる。なお、「グラフィック素材の色変え・反転」や「音楽素材のループ処理」など、最低限の編集技術は身に着けておきたい。何でも人頼みで完成できるほど、ゲーム制作は易しくない。

仲間パラメータの入力

各キャラクターに能力を設定し、個性付けを行う。人数は多くても普通は数十人程度なので、作業量としてはさほど多くない。

敵パラメータの入力&配置

数は多いがザコ一体当たりの作業量は数分〜10分程度といった所か。ただし、ボス敵に付いては何度もテストプレイを繰り返しながら、調整する必要あり。

アイテム・技データの作成

基本的には名前と数値を入力していくだけの地味で簡単な作業。戦闘アニメの作成と比較すると、遥かに楽。ただし、アイテムや技に個性付けするために、スクリプトに手を出したりするとそれなりの手間は掛かる。

アイテムデータの配置

いわゆる宝箱。町中のツボやタンスに物を置く場合もある。もちろん、これらの管理はきちんとやろう。Excel等を使って、どこに何を置いたかはすぐに分かるようにしておく。町/ダンジョン名と配置したアイテムの対応表があれば良い。

まとめ


作品を完成させるため、特に重要となるのは『ストーリー』『ストーリーイベント』『マップデータ』の3点になる。これだけ抑えれば作品としての形はできるので、後は何とかなる。

システムに付いては、自作する必要は必ずしも無い。ツールのデフォルトでも良いし、スクリプト素材の様なものを利用するのも良い。素材に付いては、別にフリー素材でも、オリジナリティは出ないかもしれないが、完成させる事はできる。

パラメータの入力だとか、ゲームバランスの調整だとか、町人や宝箱の設定だとかは、これらに比べれば、ずっと作業量は少ない。なので、作品を完成させた事が無いという初心者の方は、この3点を優先して取り組んで見ると良いだろう。

もちろん、作品に対して味付けを行いたいならば、素材や自作システムにもこだわる必要があるのだが、それらはこの3点の形が出来上がってからでも遅くはない。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(6) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. 特にマップの作成は辛いですよね。私もマップの作成の段階で躓いているのでこれにはかなり同意です。

    たとえば定番の洞窟ですが、何個も洞窟を作るとたとえ床色などを変えて雰囲気を変えたとしてもフロアの形状が似たり寄ったりになってかなり辛いです。
    (特に宝箱のある小部屋がどのダンジョンでも同じになるとかありすぎる話)
    そう考えるとよくもまあドラクエやFFはあんだけ作ったもんだと、、、
    Posted by 中性洗剤 at 2013年01月06日 07:20

  2. 僕の場合、洞窟なら、土の洞窟、水の洞窟、炎の洞窟・・・というように分散させて、全く同じジャンルのダンジョンは1〜2個で留めるようにしています。ただ、何か作ろうとする度に、別のマップチップが必要になるので労力的には辛いですね。町とか城はさらに、ダンジョン程のバリエーションは付け辛いので、とても悩みます。
    Posted by 砂川赳 at 2013年01月06日 11:12

  3. 私はこの際なのでマップの作成が終わるまでは、(マップを作るための素材収集を除いて)「一切負荷中以下の作業をやらない」ことにしてしまっています。
    同じジャンルのダンジョンは私も多くて2つにとどめていますが、特に小部屋や通路は形状が完全に同じになりやすくて困ります。いっそのこと壁床だけ変えて全部共通にしてしまおうかとか考えています。
    Posted by 中性洗剤 at 2013年01月06日 17:04

  4. >>3
    >いっそのこと壁床だけ変えて全部共通に
    確かに、ものによっては一緒にしたところで誰も気にしないかもしれません。店の構造とか細かく変えるようにはしてますが、全部統一しちゃって、後は余裕あればいじくるぐらいの感じで良い気もします。

    開発全体としては、何か好きな作業があるのなら、メインの3点に時折織り交ぜていけば、モチベーションも増えていいかも知れません。グラフィックや音楽からイメージが沸く場合もありますし。
    Posted by 砂川赳 at 2013年01月06日 19:57


  5.  おはようございます、これからウディタでの長編RPG開発に精根を尽くしたいと思っているキャロルでございます(*^_^*)

     このブログはいつも参考にさせて頂いておりますが、特にこの開発作業に関する講座の記事は、いつも読み返しては、納得させられている次第でございます。
     
     これを参考に、私も開発順序を決めて、頑張りつつ、楽しんで行きたいと思いますv

     私はウディタで作っているのですが、ウディタでの開発も、グラフィックもサウンドも、完全自作にする予定ですv 最初は実力試しに、短編から作ろうと思いましたが、短編だとなぜだか性に合わない気がするので、いきなり長編に挑戦しようと思いますv

     砂川氏も、現在開発中のRPGは、システム・CG・サウンド、大方全てオリジナルで挑みなさる予定ですよね? しかも、CGはお姉様が描かれるとか……( ・∀・)良い!ですね、姉弟合作というのは(´∀`)

     私は全て私一人で作ってみようと思いますb
     ウディタの操作に関しては一応大丈夫だし、CGも、練習次第で上手くなれるでしょうb
     サウンドに関しても、ギターやキーボードをかじっているうちに、作曲のコツが掴めてきたし、ファミコン風音楽を作れるソフトも落としてあるので、なんとかなるでしょうb
     ゲームのBGMって、いきなり脳内イメージだけで作るよりは、そのゲームを実際にプレイしてから、「こういうゲームなら、こういうBGMにしてみようか」という感じで作ったほうが、作りやすいものですよねv

     それでは、お互い頑張りましょう\(*⌒0⌒)♪
    Posted by キャロル・アイスマン at 2013年03月07日 07:45

  6. >>5
    開発が長引くと、初期と現在とで絵や音楽のクオリティにどうしても差が付いてしまいます。でもって、結局何度も改修を加える手間が発生するのが悩みです。

    >ゲームのBGMって、いきなり脳内イメージだけで作るよりは
    自分の場合は曲によってまちまちですね。曲が先に来る場合と、場面が先に来る場合が半々です。開発初期の何年も前に作った会心の曲を未だ世に出せないのが、何とももどかしいです。
    Posted by 砂川赳 at 2013年03月07日 21:46