【RPG制作講座】補助技B 補助技の種類

2012年09月08日

既存のRPGに登場する補助技の効果をまとめて分類してみる。前回、挙げた対策に従って、有効活用するための案も多少考えてみた。

ほぼ全ての補助技に共通して、同じ効果であっても『対象範囲』『持続時間』『消費MP』等の設定によって、特徴付けが可能である。また、ここで分類した複数の特性を併せ持つ補助技や回復等の効果を併せ持つ補助技も存在する。

能力を上昇させる


補助技としては、最も基本的。キャラクターの能力を強化するというもの。

上昇させる能力は『攻撃力』『守備力』『魔力』『魔法防御』『素早さ』『最大HP』『最大MP』『命中率』『回避率』『会心率』といったように様々なものが存在する。SRPG的な戦闘システムならば『移動力』や『射程』等も対象となる。他にも、そのゲーム独自のパラメータが存在するならば、それも対象にできるかどうか考えてみよう。

重ね掛けができるかどうかも、大きな分かれ目。何度も重ね掛けできるような調整の場合、強くなりすぎて、ゲームバランスの調整が難しい。

効果量は「能力やダメージを元のXX%上昇させる」といったものが多いが、それにこだわる必要は無い。例えば、魔法を掛けた側の魔力に比例する値だけ、攻撃力が上昇するといった仕様も可能だ。この仕様ならば、補助技の得意なキャラ/苦手なキャラを作り分けることもできる。

攻撃を防ぐ・反射する


様々な効果が考えられるが、適当に有名RPGから例を挙げてみる。

物理攻撃を半減するプロテス。魔法攻撃を半減するシェル。魔法攻撃を反射するリフレク。息攻撃を半減するフバーハ。息攻撃を一度だけ反射するおいかぜ。特定の属性攻撃を無効化するバファイやレビテト、状態異常を防ぐベール……などなど。
ちなみにフバーハとおいかぜはDQ、残りはFFから。

特徴付ける点は主に、以下の2点。

  • どのような攻撃を防ぐか? 物理・魔法の様に広い場面に及ぶものから、息攻撃・特定の属性しか防がないものまで。
  • どれほどの度合まで防げるか? ダメージを特定のポイントだけ減らす。半減する。無効化する。吸収する。あるいは反射するという様に分かれる。また、サガシリーズの防御術には確率によって、攻撃を無効化するものがある。

物理や魔法を無効・反射する等の効果は非常に強力なので、もし作る場合はデメリットも付加しておきたい。例としては……

  • 攻撃魔法と同時に回復魔法まで反射してしまう。
  • 自分に対するあらゆる攻撃を無効化するが、その間は動けない。
  • 味方全体に対するあらゆる攻撃を反射するが、多量のMPを消費する上に、1戦に1度しか使えない。

徐々にHPを回復


FFシリーズのリジェネの様に、徐々にHPを回復する。地味ながら強力な回復系の補助技。HPではなく、MP等を回復させる補助技を作ってもよいと思うが、例は知らない。

  • 効果時間が短く、効果量が低い -> 使う価値なし。
  • 効果時間が長く、効果量が高い -> ボス戦での定例作業。

というように補助技としては、調整が難しい部類と言えるだろう。これに加えて、効果が遅効性であるためザコ戦では使いづらいという点でも難しい。
ただ装備品や常時スキルの効果としてはバランスを崩しにくく安定するので、そちらでの使用を検討してみよう。

どちらかというと回復技の範疇になる気もするが、とりあえずここに置いておく。

敵の標的を変化させる


敵がどの味方キャラクターに対して、攻撃を仕掛けるかを操作する。古くはDQシリーズにあった「隊列の前にいるキャラクター程、狙われやすい」といった要素をプレイヤー側の技で操作しようというわけである。

オンラインRPGなどでは、敵毎に味方キャラクターへのヘイト(敵対心)が設定されている場合も多く、それに応じて狙われるキャラクターが変化する。ヘイトは戦闘中に取った行動によって、値が変化していく。オフラインのRPGでも、FF12やゼノブレイド等の作品でこの要素は重視されている。

標的の操作に関わる技は多数存在する。代表的なものをここでは挙げてみる。

かばう(FF)

味方をかばって、敵の物理攻撃を次のターンまで引き受ける。FF10では、味方全員をかばう様になった。上位バージョンの『鉄壁』では、防御とかばうを同時に行うので強力。全体攻撃や魔法攻撃には無効。

仁王立ち(DQ)

かばうと類似だが、これはなんと味方全体への攻撃を何でもかばってしまう。下手をすると4人分への攻撃を食らって即死する。うまく使えば耐性のあるキャラクターで敵の攻撃を防ぎきるなんてことも。

挑発

色んな作品に登場するが、大抵の場合、挑発を行う事で、敵の攻撃を自分に引き付けるという効果。状態異常として分類される場合もあるが、せっかくなのでこっちで扱う。何ターンかの間、効果が持続する場合が多い。

デコイ(FF12)

挑発に似ているが、自分では無く指定した味方キャラクターに攻撃を引き付ける魔法。

霧隠れ(ロマンシングサガ2)

指定した仲間の姿を霧で隠し、敵の攻撃対象から外す。全体への魔法攻撃には巻き込まれてしまう。また、隠れたキャラも攻撃を行うと解除されてしまう。

特徴付ける点は……

  • 効果の持続時間
  • 自分が対象なのか、特定の味方を選べるのか?
  • 物理攻撃だけか、魔法等にも効果があるのか?

能力上昇の補助技の様に、使えば単純に楽になるといったものではないが、いずれも使用方法によって、戦闘が大きく楽になる傾向がある。プレイヤースキルが要求される補助技なので、戦闘の幅が広がる。

反撃技


敵の攻撃を待ち構えて、反撃を行う。1ターンの間、攻撃を受ける度に、反撃し続けるというパターンが多い。反撃の内容は通常攻撃が多いが、それ以外の特殊効果も色々と考えられる。通常のダメージではなく「MPを奪う」「状態異常を与える」といったものでも面白いと思う。

サガシリーズの『セルフバーニング』が有名。炎のバリアを張り、一度だけ、敵の近接攻撃に対して反撃しダメージを与える。ちなみに、セルフバーニングには炎系の攻撃を防ぐ複合効果もあったりする。

反撃する前に受ける攻撃はダメージを喰らう場合と無効化(稀に半減なども)できる場合に分かれる。受けたダメージをそのまま、あるいは倍増して跳ね返すような技も見られる。

物理攻撃に対してのみ、反撃するというパターンが多い。それに限らず、魔法攻撃や特定の種類の攻撃に反応するといった設定も考えられる。

装備品や常時スキルの効果として、設定されていることが多い。ロマサガ3のアウナス等、敵に付けるのも嫌らしくて面白い。

行動順序(ターン)を操作する


素早さアップとは別の手段で、行動順序そのものを操作する。例えば、普段の順番を無視し、味方にターンを即座に回す。これによって、緊急時に回復役へターンを回して、回復を間に合わせたり、攻撃役に回して、怒涛の攻めをしたりといった戦術が可能となる。
効果によっては、非常に強力なバランスブレイカーとなるので、制約も考えよう。

ディープキッス(タクティクスオウガ)

隣接した1キャラへターンを即座に回す。SRPGは位置取りが重要なので、有利な場所にいるキャラに何度も行動を回すといった使い方ができる。使用者は能力が低めのフェアリー限定だが、何匹でも戦闘に投入可能である。

踊る(ファイアーエムブレム)

一度終了したキャラを再び行動させる。対象範囲は作品によって、隣接した1キャラだけだったり、隣接した4人を一気にだったりと異なる。強力な補助技だが、使用者は踊り子限定で、大抵は作品中に1人のみ。

クイックタイム(サガシリーズ)

ロマンシングサガ2にて登場。使用したターンは敵の行動を禁止する。

オーヴァードライブ(サガシリーズ)

自分1人で何度も攻撃を繰り返し行う。非常に強力だが、サガフロンティアでは代償として、全てのJPを消費する。

敵の能力を調べる


FFのライブラに代表される敵の能力を調べる技。これによって、敵の強さや弱点をプレイヤーに分からせることで、戦略性を増す効果がある。

親切設計で一度調べた敵、あるいは倒した敵の能力が簡単に見れるようになっている作品もある。また、最初から敵のHPが簡単に分かるようになっている作品もあるが、戦略性が増す反面、いつ敵を倒せるかというドキドキ感が減退する問題も。

能力をコピーする


DQ3,4の『モシャス』。ファイアーエムブレムの『変身(チェイニー)』。ポケモンの『変身(メタモン)』など。他のキャラクターの姿や能力を完全あるいは部分的にコピーする。

戦闘参加人数の多いSRPGならともかく、通常のRPGでは、そのキャラクター本来の個性を失ってしまうということでもあるため、調整が難しい。やはり問題があったのか、DQ5以降では、モシャスは敵専用技となった。

FFの青魔道士の様に、敵の技をコピーして修得するのもこれに含めても良いかも。部分的なコピーという考え方では、有利なステータス変化をコピーするといった技もある。

変身


上記の能力コピーとは別物。姿を変えると同時に、新しい能力を使えるようになったり、能力が上昇したりする。単なるモードチェンジ程度のものから、人間が魔物に変化する例も。変身後は行動を指定できなくなることも多い。
大抵はシナリオ上で変身できる理由が説明される。ブレスオブファイアやシャドウハーツといった作品では、物語上も大きな意味を占めている。

ヴィンセントのリミット技(FF7)

変身する魔物の種類を選択することができる。効果は戦闘終了か戦闘不能まで永続するが、操作ができないので、使いづらいかも。

竜変身(ブレスオブファイアシリーズ)

いずれも変身後も行動の指定が可能。3では竜型から人形まで形状は様々。強力な竜に変身するほど、毎ターンMPを多く消費するようになっており、MPが切れれば変身が解除される。ちなみに、2のみ単なるMP消費の激しい攻撃魔法の扱いになっている。
シャドウハーツシリーズの変身もこれの3の仕様に良く似ている。

ワータイガー(ブレスオブファイア3)

レイの特技。虎の姿に変身し本能のまま攻撃する。攻撃力は異常に上がるが、行動が指定できなくなる上に、味方に攻撃し出すこともある。『めいれい』の技を他の仲間に使用させれば、常に指定した敵に攻撃できるようになる。

「変身できる条件」「変身後の能力」「維持できる時間・コスト」等で差別化が可能である。

召喚


ここで言う召喚とは、FF3〜9の召喚の様に単に1度だけ呼び出して効果を発揮するものではない。DQ6のように新たな5人目の仲間として戦ったり、FF10の様に味方全員の代わりに戦ったりするものである。

大まかには以下の3種類に分かれる。

  • 既存のパーティメンバーに加えて、追加の仲間として行動を行なってくれる。
  • 召喚を行った術者に代わって、召喚されたキャラが行動を行う。使用感は上の変身に近い。
  • 味方全員が行動できなくなる代わりに、召喚されたキャラが1体で行動を行う。


戦闘不能時に自動的に蘇生を行う


HPが0になった場合など、戦闘不能になった際に、自動的に蘇生を行う補助技。FF6から登場したリレイズやロマサガ2のリヴァイヴァが代表的。

かなり強力な補助技であるため、緊張感が無くなるという問題も。FF10では敵がどんなに強力な攻撃を仕掛けてきても、これ1つで完全防御できてしまうという状況があった。これでまともにバランスを取ろうとすると「消費を非常に大きくする」「敵の攻撃を非常に激しくする」「敵に打ち消し技を使わせる」といった極端な調整になりやすい。

使うならば、「戦闘中一度だけ戦闘不能からHP1で復活するアクセサリ」といった程度に留めておくのが無難か。これでも結構強力だけど。

仲間にMP等を譲る


他の仲間にMPを譲る。MPの他にも、作品独自のポイントだったりする場合もある。DQ8の『マホアゲル』等。譲るだけで、全体として何かが増えるわけではない。ターン消費してまで、使う価値があるのかは怪しいことが多く、あまり活用されることは少ない。

MP回復がシビアな調整ならば、使用価値も出るか。他にも「魔力が低く、良い魔法も覚えないが、最大MPは高い」みたいなキャラを作って、覚えさせれば良いかも。

なお、HPを譲るのは普通に回復技を使った方が早いのであまり見られ無い。

場の状態・属性を変化


その場所自体の状態や属性を変容させる補助技で、敵味方全体に作用する。特定の種類の技を強化・弱化・禁止するなど効果は様々。ゲームシステムにも大きく依存する。

フォースフィルド(FF6)

FF6の青魔法で終盤のボスからラーニング可能。8種類ある属性攻撃のいずれかをランダムで無効化する。8回使えば全ての属性が無効に。覚えられるのがラストダンジョンの途中な上、その頃には敵味方共に無属性魔法や物理攻撃が充実しているので微妙に影が薄い。発想としては面白いのだけどね……。

スコール(ロマサガ3)

敵全体にダメージを与えると共に、場の属性を水に必ず変化させる。場の属性(地相)というこのゲームならではのシステムに関連する術である。他の術でも確率で地相変化する。ちなみに、地相が水(正確には玄武)だと「水術のダメージが25%上昇」「水属性のキャラのHPが毎ターン回復」「特定の水術が効果を発揮」といった効果がある。

デフゾショネル(タクティクスオウガ)

マップ全体に作用。炎の属性を持ったキャラクターの能力を強化し、水の属性を持ったキャラクターの能力を弱体化する。重ね掛けすると、かなりのバランスブレイカー。水・風・大地に対しても、同様の強化魔法が存在する。

クアドコンバージ(ペルソナ4)

後半のボス敵が使用する技。4属性ある内の1つの威力を強化し、他の3属性を弱化する。その後で、強化した属性の魔法を使用してくる。味方側でも逆手に取って、強化された属性魔法を使用し、敵に大ダメージを与えることも可能。

効果を持続させる


補助技の効果が時間経過によって、切れる設定だった場合、それを持続させる技もまた補助技と成りうる。ただし、わざわざ時間経過で切れるようにバランス調整しているのに、さらにそれを補助技で持続させるなんて、ちょっとクドいのではないかという感は拭えないが……。

どちらかというと、補助技よりも常時スキルや装備品の付属効果にした方が良いかも。補助技を掛けた時、あるいは掛けられた時に、効果が普段よりも2ターン延長されるスキルとか。

例は少ないが、ワイルドアームズ3の『パーマネンス』等がある。

複合型


補助効果と別の補助効果。あるいは、攻撃や回復などの効果を併せて持たせることで別の補助技を作り出すことも可能である。

シャドウサーバント(サガシリーズ)

「ダメージを2倍にする」という能力上昇型の補助効果と「敵の物理攻撃を一度だけ無効化する」という防御型の補助効果の複合。

光の壁(ロマサガ2)

「そのターンの間、味方全体に対して、ダメージを半減する」という防御型の補助効果と「ターン終了時に敵にダメージを与える」という攻撃効果の複合。

まとめ


当記事で、RPGで使用される主な補助技をまとめることができたと思う。もちろん、これ以外の補助技のアイデアがあるならば、作成に挑戦してみて欲しい。

今回は味方側の視点を中心に解説したが、敵側について考えてみるのも面白い。味方が使えたならば、確実にバランスブレイカーとなるような補助技でも、敵専用技ならばそこまでには至らないということもある。そういう意味では、敵側の方が補助技の自由度は高いとも言える。

補助技はゲームシステムとも密接に関連する。例えば、SRPGにおける移動力アップの補助技などがその一例。自分独自のシステムを考えたならば、それに関連する補助技も考えてみよう。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(2) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. これだけの量を一週間でまとめ上げるとはもはや返す言葉が見当たりません(勿論良い意味でです)
    私が読んで理解するのに一記事に一週間以上(^^; ←これは私が理解する速度に乏しいだけであって書き方が悪いわけではない、むしろ大変わかりやすい

    …というわけで私がリクエストしておきながら今まで返信できずに申し訳ないです。

    いろいろ勘案した結果、私的には「便利な強化はターン制限、かつ一戦闘中に一度」「能力底上げにはデメリット付与」「両立不可能な組み合わせ」辺りが一番無難な気がします。上級者向けにはなってしまいますが、定例化を避けるならこれが一番なようです。
    両立不可能を逆手に取って「凍てつく波動→行動パターン変化」の規則を作らせるのもありかもしれません。
    あと、町の人に語らせるのはかなり盲点でした…。これを忘れてRPGをつくろうなどと抜かすのは10年早かったですね。

    特にデメリットがないが便利なものとしてはアクセサリーかスキルでしょうか、戦闘中にアクションを起こさなくても勝手にやってくれるみたいな。
    ただ快適性の項目にもあったようにFF6グロウエッグ的な方面に動かないかどうかはいささか不安ですが。

    これだけの厖大な量の例と解説、お疲れ様でした&ありがとうございました。次回も期待しています。
    Posted by 中性洗剤 at 2012年09月21日 03:18

  2. 何だか書いているうちに、えらくマニアックになってしまったような気がしますが、補助技のネタが無い時に、ネタ帳としてでも使用して頂ければと思います。色々書きましたが、結局はこれだ!というポイントは無かったので、後はもう実践しながら、何が良いか試していくつもりです。

    次のネタはまだ思索中なので、とりあえずは最近クリアしたゲームのレビューで凌いでおきます。
    Posted by 砂川赳 at 2012年09月21日 19:22