【RPGレビュー】テイルズオブグレイセスf

2012年08月04日

発売元バンダイナムコゲームス(公式)
機種PS3
発売日2010/12/02
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
90808080709080812012/06/30

 元々はWiiで発売されたテイルズオブグレイセスのPS3移植+追加版。追加シナリオとして、後日談の『未来の系譜編』が存在する。 追加シナリオのプレイ時間は15時間程度と結構な規模。ヴェスペリア(XBOX→PS3)に引き続き、相変わらずの完全版商法。

 筆者のプレイ時間は本編55時間+後日談15時間の合わせて70時間程度。サブイベントは大体見たが、隠しダンジョンは時間が掛かりそうだったので、未クリア。

質量/物語


 物語は幼年期と青年期に分かれた2部構成という形式を取っている。この構成はDQ5等でお馴染みだが外れがない。青年期では、幼馴染や弟との再会などの展開で話を盛り上げる。ただ、幼年期〜青年期で再会までのくだりは、もう少し間を持たせても良かった気はする。物語上は7年経過でも、プレイヤー視点では数十分なので感慨も何もという感じではある。

 ストーリー展開はとても王道。プレイヤーの予想を大きく覆す様なドンデン返しこそないが、安定した作り。キャラクターの掘り下げも丁寧。その分、心情描写がしつこいので面倒臭く感じるかも。
『未来の系譜編』は本編の半年後の物語。本編と比較すると、テーマ性がはっきりしている。おまけ的な物ではなく、しっかりした作りで後味も良好。

 ゲーム中盤から終盤まで自由に動ける期間が少なく、結果としてサブイベントが終盤に偏ってしまっている。シリーズ恒例の闘技場もあるけれど、中盤のイベント以降、終盤まで挑戦できるチャンスが回ってこないので、もったいない。

 コスチュームチェンジ(DLC除く)などの遊び要素は、ヴェスペリアと比べると数は少なめ。チャットもストーリーに沿った物がほとんどで、料理や戦闘に関わるような物はほとんどなし。最もこれはグレイセスが手抜きと言うよりも、ヴェスペリアが力が入りすぎていたという方が正しいけれど。

システム/バランス


 シリーズお馴染みのアクション風戦闘。今回はMPの様な概念がなく、戦闘中に自動的に溜まるCCを消費して攻撃を行う。多分、PS2版のデスティニー(筆者未プレイ)に近い仕様のはず。
攻撃は○と×のボタンによって、2種類にスタイルが分かれる。キャラクターによっては「剣と銃」「武器と術」の様に多彩な攻撃ができるのが面白い。

 ヴェスペリアでは過剰に多い装備品によるスキル習得システムを採用していたが、今回は称号によるスキル習得システムに変更。オート設定にすれば、スキル習得をする度に、自動的に別の称号に変更してくれるので、ある程度は手間が減った。

 とはいえ、称号やスキルの数が多くて煩雑なのは相変わらず。『特定の術の詠唱時間を4%短縮する』という様な効果の小さいスキルがたくさんあるが、戦闘が非常に派手なので、そういうチマチマとした差を実感するのは難しい。個人的には数をもっと絞って効果を高めた方がメリハリが付いて良いかと思う。

 アイテムの種類も非常に多い。合成(デュアライズ)のシステムが存在するが、ルールは複雑。手に入れた武器防具は合成で強化することができるが、新しく武器防具が手に入った場合、強化分を引き継げ無いのでやり辛い。これはプレイヤー心理的にちょっと嫌な仕様だと感じた。

 システムは全般的に複雑なのだが、戦闘では、○ボタンを連打していれば、それなりに技が出るので、初心者でも何とかなるはず。メニュー画面を開けばシステムの詳細な説明を読むこともできる。でも、シリーズ初心者がいきなりこんな複雑なシステムを見せられたら、普通はちょっと引くんじゃないかと気掛かり。

 シリーズの例に漏れず戦闘の難易度設定が可能。ただし、難易度を下げると敵のレベルが下がる。PS3版では、敵のレベルがこちらより低いと経験値が大きく下がる仕様が存在するので、本当に優しくなっているのかどうかは疑問。筆者は隠しダンジョンについては難易度を下げてサクッとやろうとしたのだが、敵の経験値まで下がっていることに気付いて断念した。この仕様はライトユーザーに優しくないと思う。

快適性


 この時代のRPGにしては快適な部類。戦闘はこのシリーズらしくスピーディ。シンボルエンカウントだが、それほど敵の数は多くないし、ロードなども気にならない。戦闘前の長いイベントなど、きちんと『START+△』ボタンでカットできる様になっている。

 ただし、このシリーズらしく、サブイベントまで網羅しようとすると面倒も多い。特に一度クリアしたダンジョンの奥に再度行かせるのは止めて欲しい。面白いイベントも多いので、サクッとやれるようにして欲しかった。

 後半のダンジョンは長く、敵も強くなるので時間が掛かるようになる。元々の本編だけでも十分な時間が掛かるが、その上に後日談が追加されているので、長ったるく感じるかもしれない。

 細かいことだが、町人との会話時に振り向き等の動作が入るのが面倒。このゲームは多くの人物が2回話しかけると内容が変わるので、このちょっとした間が気になる。というか、大した事を話すわけでも無いのに会話を2回に分ける意味が不明。確かこれはヴェスペリアも同じ。

美術


 ヴェスペリアとあまり変わらない印象だが、変にリアル路線を目指すよりは良いと思う。やはり、このシリーズの戦闘には華がある。特にグレイセスの秘奥義はスピーディで爽快感あるアニメーションに仕上げてあるのが好印象。

音楽


 いつものテイルズと違って、ダンジョン曲が地味め。後半のダンジョンから、ようやく気合の入った曲が流れ出す。戦闘曲は賑やかな効果音やボイスに隠れがちながら、それなりの水準。
posted by 砂川赳 at 06:00 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする