【RPGレビュー】ファイナルファンタジー5

2012年03月31日

タイトル機種質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
ファイナルファンタジー5SFC908090909080100891993頃

【質量・物語】
豊富な乗物によって、プレイヤーの行動範囲が広がる過程が自然。ご都合主義もあるが、テンポ良く話を進めるためなら許容範囲だと思う。

FF5のストーリーは今ひとつという人も時々いるが、異議を唱えたい。
確かに文章量は少ないし、キャラクターの掘り下げも少ないかもしれない。それでも、複数の世界に渡って繰り広げられるシナリオは壮大で、世界の合体というアイデアは斬新でありながら、きちんとゲームとして組み込まれている。また、魅力的な敵キャラの存在も話を盛り上げる。エンディングはラストバトルの結果(各キャラクターが戦闘不能かどうか?)によって、複数パターンに細かく分岐するというこだわりっぷり。

何よりもテンポが良くて、シナリオがゲーム性の邪魔をしている部分がほとんど無い。
例えば、FFシリーズでは、シナリオの都合でキャラクターの入替が頻発する作品も少なく無い。この作品でも半ばで離脱するキャラが存在するが、能力は受け継がれるためゲーム部分の邪魔にはならない。むしろ、そのシーンを演出の一環として昇華している。

個人的には「ゲームシナリオとはこうあるべき」という理想形の1つだと思っている。

【システム・バランス】
4人いるキャラクターの能力には、ほとんど違いは無い。その代わりにジョブアビリティシステムが存在する。これは、JRPGの成長システムにおける歴史的革命と言っても過言では無い。FF3と違ってジョブを変えても、以前のジョブで覚えたアビリティを使用することができるため、プレイヤーの趣向に応じて様々なプレイが可能となる。
……と、これだけ書くと、DQ3の転職等とそれ程違わないのだが、

・個性的で豊富な22種類にも及ぶジョブとそれに紐付くアビリティ。特に青魔道士やバーサーカーは斬新。
・APの導入によって、ジョブレベルとキャラクターレベルを切り離す。
・他ジョブのアビリティを1つだけ使用できる(すっぴんは2つ)という制約付け。

等々の絶妙な味付けによって、それまでのゲームシステムとは一線を画した物に仕上がっている。1992年の作品であるため、今見ると改善すべき点もあるかとは思うが、それでも今のRPGでこれを超えたと言える程の成長システムがあるかどうかは疑わしい。考案した伊藤裕之氏の功績は素晴らしいものがある。

以上の様に戦術の自由度が非常に高いことから、様々なやり込みができることで有名。動画サイトなどで『初期レベルクリア』や『ジョブ縛りクリア』など多彩なやり込みが公開されていて見ることができる。全くもって便利な世の中になったものである。

後半は一部の武器やアビリティが非常に強く、味方が強くなりすぎる。それにも関わらず後半のボスは弱い相手が多く、バランスは崩れ気味。
とはいえ、難易度自体はFFシリーズの中では安定している方だと思う。ラスボスなど強いボスも多いが、他のシリーズ作品と比較すると、極端な壁ボス・壁ダンジョンが存在しないので、初心者でも最後まで大きく詰まることなくクリアしやすい。

【快適性】
戦闘テンポの速さはFFシリーズNo1。(リメイクも含めば、FF1&2の方が速い?)
ダンジョン数はシリーズ作品でも最大級だが、シナリオ・システム共にテンポが非常に良いのでダルさを感じない。

FF3ではジョブを変更する度に一から装備をやり直さなければならなかったが、今回は持ち物の中から、自動的に最強装備してくれる機能があるので便利。ただし、呪われた武具を勝手に装備したりもするので一々調整するのが面倒。補助効果が重要なアクセサリまで、単純な性能で最強装備してしまうのはどうかと思う。とはいえ、当時は自動で最強装備するなんて便利機能がある作品の方が少なかったので贅沢な話ではある。

初期状態での歩行速度は遅めだが、シーフのアビリティ『ダッシュ』があれば速度が上昇する。しかし、そのためにはシーフを1人いれるか、貴重なアビリティ欄を1つ占有しなくてはならない。利便性を向上させようとするとダッシュが必須になるため、結果として遊びの幅を狭めてしまう。ダッシュのアビリティは無しにして。最初から、歩行速度を早くすべきだろう。

【美術】
敵キャラクターのドット絵がFF4と比較して向上。FF4はザコ敵のグラフィックが今ひとつな印象があったが、今回はザコ敵・ボス敵共にデザインも良好だ。
22あるジョブ全てにおいて、キャラクター毎に異なるグラフィックを保有している。合計で100以上もグラフィックがあるので華やか。最終的に全員すっぴんになるのがもったいない。

【音楽】
曲の種類が多彩で質も高く聞いていても飽きにくい。「これがRPGツクールの素材だったならば、非常に使いやすそうだ」とかツクール脳の僕は思ってみたり。
印象に残る曲も多く、中でも『ビッグブリッヂの死闘』はFFシリーズでも屈指の人気曲。他にもメインテーマやフィールド曲など良曲揃い。船の墓場や古代図書館など、脇を締めるダンジョン曲も印象に残るものが多くスキが無い。
僕の一押しはエクスデス戦。大ボスの威厳と格好良さを両立させた見事な戦闘曲だと思う。
posted by 砂川赳 at 08:00 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする