【RPG制作講座】快適なメニュー A魔法・特技・道具一覧

2011年12月31日

 前回はメニューのトップ画面について記事を書いたが、そのトップ画面から遷移する魔法や特技、道具などの一覧画面について解説する。
 これについては、メニュー画面に限らず戦闘画面で魔法や特技などを表示する時も全く同じ。なので、今回は例として戦闘画面を用いて魔法一覧のレイアウトについて考察する。
 具体的には、どのように項目を配置すればプレイヤーにとって、選択しやすかを例を挙げながら考えていきたい。

 以下3つの魔法一覧のレイアウトパターンを見て欲しい。
 キャラクターが習得している魔法の数は合計16個としている。ただし、いずれも一画面に表示される魔法はその内8個までである。それぞれ、魔法の並び方やページのめくり方によって、使いたい魔法を選択するのに必要なキー入力の回数が異なる。

kouza_battle_menu1.png
※画面が古いけど気にしない。昔はこんな画面だったのです。

(1)2×4左右ページ切替型(DQなど)
 表示されていない魔法を表示するには、ページの左端で←、または右端で→キーを入力し、ページ切替を行う。

  • 5番目の魔法「ジャッジメント」を選択するには↓を2回入力する。
  • 8番目の魔法「ディバインライト」を選択するには↑、→を入力。合計2回キーを入力する。
  • 10番目の魔法(別ページの2番目)を選択するには←でページをめくった後、→を入力。合計2回キーを入力する。


kouza_battle_menu2.png
(2)1×8左右ページ切替型(サガなど)
 表示されていない魔法を表示するには、←→どちらかのキーを入力し、ページ切替を行う。

  • 5番目の魔法「ジャッジメント」を選択するには↓を4回入力する。
  • 8番目の魔法「ディバインライト」を選択するには↑を1回入力する。
  • 10番目の魔法(別ページの2番目)を選択するには←でページをめくった後、↓を入力。合計2回キーを入力する。

kouza_battle_menu3.png
(3)2×4上下スクロール型(FFなど。画像はRPGツクール2000のデフォルト戦闘。)
 表示されていない魔法を表示するには、ページの上端で↑、または下端で↓キーを入力して、1行ずつスクロールさせる。

  • 5番目の魔法「フレイムII」を選択するには↓を2回入力する。
  • 8番目の魔法「アイスII」を選択するには↓×3、→を入力。合計4回キーを入力する。
  • 10番目の魔法(別ページの2番目)を選択するには↓×4と→を入力。合計5回キーを入力する。

 魔法を選択する際の操作をいくつか例に挙げてみた。本当は1番目〜16番目まで挙げるのが正しいのかも知れないけれど面倒なのでやりませぬ。結果も大して変わらないはず。

 まず「(1)2×4左右ページ切替型」
 どの場合も2回の操作で目的の魔法を選択できていることが分かる。最も操作回数が多くなる場合でも、14番目の魔法(別ページの6番目)のみの4回で足りる。さすが、安心のDQ方式。

 次「(2)1×8左右ページ切替型」
 ロマサガ以降のサガシリーズで使用されている形式だが、ページの真ん中らへんにある項目の選択が苦手。
 単純なキーの操作回数では(1)に劣るように見えるが、ページ切替が手軽という強みがある。サガシリーズでは武器や魔法の種類を切り替えながら戦うことが多く、それによってページ切替が頻繁に発生する。そのため、ゲームシステムに最適な選択であるともいえる。
 また、サガシリーズでは通常攻撃と特技が同じ枠に収まっており、特技がとても簡単に選択できる。実に優れたインターフェースである。僕も制作中の作品で真似したかったが、レイアウト等諸々の都合でうまくやることができなかった。無念。

 最後「(3)2×4上下スクロール型」
 FFシリーズの他、PCツクールシリーズの表示形式もこれ。ご覧の通り魔法の選択に必要なキー操作の回数は一番多い。特に上端で↑キーを押すと下端に飛ぶという処理が実装されていないと、魔法数が多い場合は非常に面倒。見栄えは良いかもしれないが、操作性という観点から見て上記2つに明らかに劣る。
 スクロール型の場合、2つずつしか新しい魔法を表示することができないので、目的の魔法名を探すのに時間がかかる。(1)(2)と比較すると、キー操作回数以上に使い勝手に差が出てしまうはず。
 なお、LRなどのボタンで1ページ分、一気にスクロールできるようになっている場合もあるが、←→キーと比較してLRボタンは押しにくい。というか、そもそもプレイヤーが気付かない可能性もある。やはり(1)(2)に劣るように思う。

 ついでに書いておくと、ユーザーインターフェースを考える場合のポイントの一つとして、あまり多くのボタンを使わせないという考え方がある。上記の場合(1)(2)のパターンを選んだ場合、LRキーを使用せずとも、←→キーのページ切替によって(3)に優る操作性が得られるわけだ。
 できれば、↑→↓←の「方向キー」と「決定キー」「キャンセルキー」の6つのキーだけで基本的な操作を完了できることが望ましい。その他のキーは補助的に使用させるという様にできれば理想的。

 この形式の利点を強いて挙げれば、魔法の数が中途半端でも違和感が小さいこと。例えば魔法数が1ページに8まで表示できるシステム上では魔法数が10や11の場合、中途半端な感じになるが、このパターンの場合は多少やわらぐ。

 一覧のレイアウトについては以上だけど、もう一つ忘れてはならない方法がある。
 それはキャラクターが覚える魔法や特技の数を絞ること。数が限られていれば、それだけ探すのが楽になる。ゲームバランス的観点からも無闇に技を作らないほうが、キャラクターの個性が際立つということも言える。
 また、魔法や特技の最大数がページに表示できる数の倍数以内になるように納めておくとよいかも。例えば、1ページに表示できる魔法・特技の数が8の場合、キャラクター一人が覚えられる魔法・特技の数を8、16、24……というように、8の倍数にしておくとやりやすい。
 もっとも、この方法は当然ながら、自由に技を作れなくなるという制約があるのでお好みでどうぞ。「好き放題に技を作ってしまい収拾がつかない」なんて人はあえて制約を課すほうがよいかも。

 以上。

 結論としては、多くの場合、ページ切替方式はスクロール方式よりも優位である。スクロール方式を使う意味は快適性という観点からは見出せなかった。よって、当サイトではこういった一覧を作成する場合はページ切替方式の採用を推奨したい。

 一画面に表示する項目の配置について、2×4が良いのか? 1×8が良いのか? はたまた3×4や2×5が良いのか、と言った疑問もあると思う。それは作品に合わせて考えてみて頂ければ。

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posted by 砂川赳 at 08:00 | Comment(11) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. 意外とこの手のやつで見落としがち、というか誰も考えていないのが「弱魔法が上に来ている」ことに対する問題だと思うのです。

    RPGツクールの戦闘画面で言うところでは、ファイア3を習得していればまずファイア1を使う機会なんてないはず。それならば、(ファイア3をよく使うという理屈から考えれば)ファイア3が一番上に来て然るべきではないでしょうか?
    技が4つしかないとはいえ、このあたりはポケモンが上手な気がします。良く使う技を左上に持ってこれたり、弱い技は存在自体を抹消したりと。

    とすれば、「たたかう」並に使用頻度の高い特技・魔法というのをどこか一か所にまとめる、ないしは「たたかう」と同列に扱えるシステム、なんていうのがあれば快適性の向上に大いに貢献するでしょう。

    ・・・などと思ったことを適当に書いてみる。。。
    Posted by 中性洗剤 at 2012年12月03日 19:28

  2. 「ファイア3があればファイア1なんていらない!」と言い切れるなら良いのですが、実際はそうなってないパターンも結構あるのが難しいところですね。DQで言うと、ベホイミを覚えた直後でも、MPをケチってホイミなんて事は多々ありますし。
    手整理させてもいいのですが、技数が多いとそれも負担になっちゃいそう。

    というわけで今の所は、魔法欄を開いた時のカーソル位置を記憶させるという無難な方法で手を打っています。

    >「たたかう」と同列に扱えるシステム
    通常攻撃と特技が同じページに収まっているロマサガ形式が理想に近いと思っています。レイアウト上にうまくウインドウを収めるのが困難なのが玉に瑕ですが・・・。
    Posted by 砂川赳 at 2012年12月03日 23:43

  3. 確かに、ホイミなど回復技に関してはそうであると言えそうです。
    往々にして単位MP当たりの回復量は下級魔法ほど良いはずですから、フィールドマップで連打したりする分にはそちらの方が有利なわけで、私は回復魔法に関して言えばそれを否定するつもりはありません。

    私がそのように言い切りたいのは攻撃魔法の側で、こちらは単位MP当たりの攻撃力云々とはまた別、言うまでもないですがターンをかければかけるほど敵の攻撃を受けるので、多少MP効率が悪かろうと必然的に火力の高い魔法を使いにいくわけですから、どう考えても「ファイア3があればファイア1はいらない」と言いきってしまって問題ない気がするのです。
    ファイア1で十分なような敵であれば「たたかう」連打で事足りそうですし。。。
    ファイア1を消せ、とは言いませんが、ファイア3→2→1の順番に標準で並べておくのが一番適当ではないかと思った次第。
    (ただしファイア3でも1でもカンスト打点が出るようなら別ですが、それはもはやゲームバランスが狂っているので別問題です。また、FF8のような魔法を使うのに別のリソースが必要だったりする場合では必ずしもこれが正しいとはとても言えませんが、、、)

    直近8つぐらいをまとめて「行動履歴」とかして一つ枠を作ってもいいかもしれません。ポケモンが既に先行しており(道具の使用に当たっては最後に使ったアイテムを使うコマンドがある)、ポケモンはこの辺りの快適性がとても進んでいる印象があります。
    Posted by 中性洗剤 at 2012年12月04日 03:25

  4. >>3
    >「ファイア3があればファイア1はいらない」
    DQのメラ、メラミ、メラゾーマぐらい性能に差があれば、確かにそれでいい気がします。個人的には初期魔法を後半まで使える調整の方が好きなので、そっちの発想はありませんでしたが・・・。

    そう言えば、下位魔法を上位魔法で強制上書きするDQモンスターズみたいのもありますね。(メラミを覚えたらメラを上書き)見た目はすっきりしますが、時々困るので、左右で下位魔法に切替できるようにすれば、良さげな気がします。
    Posted by 砂川赳 at 2012年12月04日 21:47

  5. テイルズオブシリーズみたいに、魔法に詠唱時間のあるゲームであれば
    上級魔法を使う敵を中、下級魔法を中心に手数で攻めるという手段も
    あります。
    というわけで、「上級術を覚えたら下級術は不要」というのは
    コマンド式RPGの欠点といえるかもしれませんね。
    Posted by シュプール at 2014年03月02日 10:21

  6. >>5
    コマンド式RPGの欠点というか、個別作品のゲームバランスの問題のような気もします。DQみたいに初期魔法が後半は通常攻撃にも劣るのではそりゃ使えなくなるよなあと。
    英雄伝説6空の軌跡みたいに、詠唱時間が長すぎて後半魔法が初期魔法にほぼ劣る困った例もあったりしますが。
    Posted by 砂川赳 at 2014年03月02日 21:46

  7. 初めて書き込みさせていただきます。

    道具一覧についての質問ですが、例えば
    ハイポーション、エーテル、ポーションの順でアイテムを取得したとして、
    「ポーション→ハイポーション→エーテル」と自動で整頓される場合と
    「ハイポーション→エーテル→ポーション」と取得順そのままで表示、任意で整頓可能という場合ではどちらが快適だと思われますか?

    前者のメリットは整頓の手間が省ける点や、メニューが散らばらない点。
    後者のメリットは最後に取得したアイテムがわかりやすい点でしょうか。
    Posted by syu at 2014年05月16日 17:40

  8. >>7
    僕の感覚でも
    >前者のメリットは整頓の手間が省ける点や、メニューが散らばらない点。
    >後者のメリットは最後に取得したアイテムがわかりやすい点でしょうか。
    という通り一長一短なので好みで良いと思います。整頓方法を選択させてもよいですし。

    僕なら実装が楽そうな前者にするかなという感じです。ただ、新しいアイテムが次々と入るような作品なら、分かりやすいように後者にするという考え方もいいですね。
    Posted by 砂川赳 at 2014年05月17日 20:07

  9. 確かに、どちらのタイプが優れているかを決めるよりも、
    作品の仕様に合ったメニューを作るのが一番大事ですね。

    回答ありがとうございました。
    Posted by syu at 2014年05月18日 16:33

  10. ファイアT、ファイアU、ファイアVとあるなら、
    ファイアを押して威力をT、U、Vと選べるようにしておくとすっきりしますね。
    探す手間も省けますし。

    確かガリバーボーイがこの方式でした。
    PCエンジンなので、やったことがない人が多いでしょうが、シンボルエンカウントだったし、ボスがアニメーションだったり、当時としてはいろいろな意味で前衛的だったな、と思います。
    Posted by 緑化事業団 at 2014年06月29日 00:41

  11. >>10
    確かアークザラッド2がその形式でしたね。あれは消費MPと威力が釣り合っていなかったりでやや不安定でしたが、インタフェースとしては結構良かったと思っています。

    さすがにPCEのゲームは分かりませんが、ガリバーボーイは昔Vジャンプで押していたのを思い出しました。
    Posted by 砂川赳 at 2014年06月29日 19:20