【RPG制作講座】アイテムバランス@ 店の設定

2011年10月08日

 「店」とは「プレイヤーが戦闘や宝箱などで稼いだお金をアイテムと交換できるシステム」のことである。「買い物」という人間にとって身近な要素をゲームシステムとして表現したものであり、その分かりやすさからRPGに限らず多くのゲームで採用されている。

 なお、「お金」や「アイテム」という形態にこだわる必要は別にない。「魔石」を稼いで「魔法」と交換するといったシステムも店の応用といえる。この辺りはシステム編でいずれ解説したいので、この場では、上記の通り「お金」と「アイテム」で説明することにする。

 そんなわけで、店で販売するアイテムの価格とその性能について、どのようにすればよいかを考察していきたい。「戦闘バランスB 経験値とお金の設定」の内容と少し重なるところもあるので、先にそちらを読んで頂ければ。

 例えば、プレイヤーがシナリオ進行に沿って、あるダンジョンを抜けて次の町にたどり着いたとする。このプレイヤーはダンジョン内で、お金も溜まったので新しい装備を購入したいと考えている。

 条件は単純化するため以下の通りとする。

  • パーティは主人公1人。
  • 所持金は1000。
  • 購入する装備は武器と鎧の2つ。

 この場合、店で売っている武器と鎧をどのような性能や値段にすれば、よいだろうか? 下に2つの例を挙げてみた。

商品値段
強い剣500
強い鎧500

商品値段
強い剣750
強い鎧750
やや強い剣250
やや強い鎧250

 どちらがよいかと言われると、人によって意見が分かれるかもしれない。しかし、この場合は店Bが望ましいというのが僕の意見。

 店Aの場合、「強い剣」「強い鎧」の値段合計がちょうど1000であるため、悩まずして両方の装備を購入することができる。
 一見、きちんと調整されており、プレイヤーも悩む必要がない親切丁寧なゲームバランスに思える。けれど逆に言えば、選択肢が事実上一つしか用意されていない。
 新しい町に着いたら、新しい装備を買って、装備を変更する。ただそれだけの行為になってしまう。言ってみれば、買物と装備という二つのシステムがただの作業になっているということ。

 また、この場合はもし、ボスが倒せなくて詰まった場合に、買い物によるパーティの強化がそれ以上できないという問題も。

 逆に店Bの場合、「強い剣」「強い鎧」の値段合計が1500となり、所持金1000を超えてしまうため、何らかの妥協をする必要がある。
 例えば・・・

  • 「強い剣」と「やや強い鎧」を購入する。
  • 「強い鎧」と「やや強い剣」を購入する。
  • 「強い剣」を先に購入し、お金を稼いで「強い鎧」を購入する。
  • 「強い鎧」を先に購入し、お金を稼いで「強い剣」を購入する。

 4パターン例を挙げてみた。ここでプレイヤーの思考に「二つの軸」が存在していることが分かる。すなわち「武器優先か、防具優先か」「装備は完全に整えるか、適度に整えるか」の二軸となる。

 このようにプレイヤーは自分の思考で、最も最適だと思う選択肢を選ぶことになる。これこそがプレイヤーの思考が反映できるということであり、こういった考える楽しさこそが、RPGにおけるゲーム性だと言える。これは「戦略性」や「自由度」といった言葉で置き換えることもできる。

 上では話を単純にするため、簡単な例を挙げたが、実際はパーティ人数も複数となる。装備箇所に「武器」「鎧」以外も存在する場合が多く、さらに複雑になるはず。

 今回は例として店の設定について取り上げたが、このような思考の対象となる場面はいくらでも考えられる。少し脱線するけれど重要なので、他の例も挙げてみる。
 例えば・・・

  • 仲間8人中、誰を戦闘メンバー4人に抜擢するか?
  • どの敵を先に倒すか?
  • 西のダンジョンに向かうか、東のダンジョンに向かうか?
  • 選択肢で「はい」「いいえ」どちらを選ぶか?

 注意して欲しいのは、一見、選択ができるように見えるが、最適な結果が明らかで選択の意味がないという場合。上の例だと、仲間8人の内、強いキャラが4人。弱いキャラが4人とはっきり分かれていたとする。その場合は、誰もが強いキャラ4人を選ぶだけなので試行錯誤する楽しみは出せない。
(実際はキャラが強い弱い以外に容姿や性格も考慮するだろうけど、とりあえず置いときます。)

 誰がやっても同じようなプレイにしかならないゲームは、自分がやってももちろん。人がやっているのを見ても面白くない。プレイヤーの数だけプレイスタイルが生まれるゲームもなれば面白い。

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posted by 砂川赳 at 10:00 | Comment(0) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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