【RPGレビュー】テイルズオブヴェスペリア

2011年08月20日

タイトル機種質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
テイルズオブヴェスペリアPS3100908080709080842009/10

 XBOX360からの移植。移植とは言ったものの、PS3版の方が仲間キャラクターの追加を初めとして、色々と要素が追加されているので、PS3を持っているならば、こちらを選んでおけば間違いない。(というかXBOX360版は未完成版という噂がちらほら・・・)

質量/物語


 文章量とボイスの量はテイルズシリーズの中でも最大レベル。今の時代は世界中を巡る様な王道RPGが少なくなってしまったが、このシリーズは今でも古き良き時代のRPGの面影を残しているのが嬉しいところだ。

 本編、サブイベント共に、豊富で個性豊かなキャラクター達が話を盛り上げる。同じ開発チームの前作アビスと比べても、パーティメンバー達は負けずに魅力的。特に主人公のユーリが大人なので、他のシリーズ作品の様に子供っぽい主人公の言動にイライラさせられる様なこともないはず。

 不満点としてはアビスの六神将の様に、何度も主人公達の前に立ち塞がる様な印象強い敵キャラクターが少ないことが挙げられる。イエガー、ゴーシュ&ドロワット、ティソン、ナンなどOPアニメに出てくるキャラはもっと出番が欲しかった。ゴーシュ&ドロワットに至っては、結局サブイベントでしか戦闘が無い。

 アビスの時も思ったが、エンディングをもっと長くして欲しいところだ。あれだけ濃い話なのに、アニメーション+イラスト&スタッフロールだけで、片付けてしまうのは実にもったいない。

システム


 基本的なシステムはアビスと大きく変わることが無い。3Dフィールドを自在に動くことができるアクション性の強い戦闘システムが前作と同じ特徴で、前作経験者ならば、目新しさは無いが、安定した面白さがある。

 今作、独自の特徴としては武器を装備して戦うことによって、技能を習得できるスキルシステムが第一に上げられる。とはいえ、FF9に酷似しておりそれほど目新しいものでもない。

バランス/快適性


 初期段階では難易度は三段階から選択できる。とりあえず、僕はノーマルでプレイしたが、難しすぎず簡単すぎず、そこそこの難易度だと感じた。ただ、序盤の犬型のボスがシナリオ上どうでもいい割に妙に強いのはどうかと思った。裏ボスを除いて、一番苦戦したほどである。

 ダンジョンは過度に面倒なものは無く長さや仕掛けの難しさなども丁度いい具合である。

 アビスと同様、仲間キャラクターは戦闘でも個性的で、操作していて楽しめる。主人公のユーリにこだわらず、色々と使ってみると面白いだろう。

 毎回、このシリーズでは気になるのだが、今回も武器、スキル、サブイベントなどが多すぎる。多くのスキルを覚えさせるためには、スキルを習得しつくした武器を次々と取り替えていく必要があるのだが、最終的にパーティが9人ともなると、武器の交換が毎回の戦闘ごとに発生する勢いなので、面倒だと感じた。

 また、効果があまり実感できないスキルも多く、必要なスキルを探すのが面倒だ。武器とそれに付属するスキルの数は必要なものに限定し、半分程度に絞った方が良かったのではないだろうか? その方が、開発時間とかも削減できてお得だと思う。(調べてみたら、なんと!武器だけで500種類近くもあるようだ。SFCのRPGなんて、アイテム全体で250程度なんて作品も珍しくないのに・・・)

 サブイベントについては、攻略情報をみないと条件が分からないようなものが非常に多い。この作品を十分に楽しむためには、必要なイベントも少なくないとも思うのだが……。また、ラストダンジョン突入前などの終盤以降にしか、発生しないサブイベントが多いのは困りもの。(もっと中盤から色々できても良いはず。)

 前作アビスの最大の問題点であったロード時間は大幅に短縮されている。1マップが広いため、ロード回数自体もかなり減っている。

 少し気になったのはシンボルエンカウント制にしては、狭い道が多く敵と接触しやすい点。最も、戦闘テンポは非常に良いので、そこまで気にならないし、ホーリーボトルを使えば、敵が寄って来なくなるので、快適になる。

美術


 秘奥義など、戦闘面の演出はとても派手で、見た目にも楽しい。見た目の派手さとテンポの両立もしっかりできている。

 前作同様、サブイベントや店などで手に入れた称号やアタッチメントを変更することによって、キャラクターの姿を変更することができる。(2週目ではシリアスなシーンでお馬鹿な格好をさせてみたり……)

音楽


 主旋律のはっきりしない上に、メリハリが弱い曲が多く、全体的に印象が薄い。特にラスボス戦は形態毎に曲が変わるのだけど、変化に乏しくもったいない感じ。戦闘曲は数多くあるのに、気に入ったのはフレン戦の1曲だけだった。ただ、重要な場面で、主題歌の「鐘を鳴らして」のオーケストラアレンジを流す演出はベタながらもグッと来るものがある。

まとめ


 上の方には細かい欠点を色々と書いているが、ストーリー性、ゲーム性の他、その他おまけ要素も充実している上にロードが長いなどの致命的な欠点もない。「あちらを立てればこちらが立たず」の作品が多いテイルズシリーズの中では、最もお勧めの作品と言っていいのではないだろうか?

 しかし、何でもかんでも詰め込みすぎな気はするので、そろそろ、このシリーズはスリム化を覚えた方が良いと思う。これだけ、贅肉だらけでも、DQやFFより、ずっと開発費用が少ないらしいと言うのはちょっと不思議である。
posted by 砂川赳 at 11:00 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする