【RPG制作講座】戦闘バランス@ 味方の能力設定

2011年07月09日

 さて、ここでようやく戦闘自体のゲームバランスに入ることにする。先に断っておくと良い戦闘バランスとは、『戦闘が楽しいと思えるバランス』のことを指す。

 良いゲームバランスとは?の項で説明した内容と重なるが「敵と味方の戦力差が小さく、それなりに苦戦するが何とか勝てるバランス」が常に良いというわけではないことに注意して欲しい。

 では本題、主人公とその仲間達の能力の設定について解説する。戦闘を楽しくするためには、キャラクターの能力は多彩かつ、全員がそれなりに役立つようにしたい。そうすることで、プレイヤーが試行錯誤する面白みが生まれるからだ。

 一般的なRPGならば、キャラクターの強さ・特徴とは……

  1. 最大HP、攻撃力、魔法耐性等の能力値
  2. 装備品の性能
  3. 魔法・特技等、保有する技能の性能

 の3点から決定される。

 1.の能力値の設定にはExcelなどを使用して表を作成し、キャラクター同士の最高レベルでの能力を比較しながら、数値を調整すると良いだろう。

 以下は普通のターン制戦闘のRPGを意識して、キャラクターの能力を設定した例である。

キャラクター HP MP 特徴
勇者 500 200 250 100 200 200 戦士並の力を持ち、それ以外の能力も平均以上
戦士 600 100 250 100 100 100 攻撃力、HPが高い。MP、魔力、素早さが低い。
武道家 450 100 300 90 100 250 やや打たれ弱いが、力が非常に高く、素早さも高い
盗賊 400 150 200 90 150 300 素早さが高いが、全体的に能力が低い。
魔道士 350 300 100 90 300 200 攻撃力、HPが低い。MP、魔力が高い
僧侶 360 300 120 90 280 180 攻撃力、HPが低い。MP、魔力が高い
詩人 400 150 130 100 150 150 全体的に能力が低い。

 注意して欲しいのはHPと守備力の2つ。どちらも、耐久力を表すパラメータであるため、キャラクターによって両方の値に大きな差を付けると、予想以上に耐久力に差が付いてしまうことがある。
 お勧めの調整法は守備力を装備品の性能に強く依存させること。キャラクター毎による守備力の差は微量に留めておいて、その上で、HPにはっきりと差を付けておけば耐久力の差は十分表現できるはず。

※余談だけど、SFCのRPGツクール1,2は守備力が最大HPの半分という妙な仕様だった。HPが高いキャラほど固くなるので、耐久力が想定以上に差がついてしまうので苦労した。上の調整法はそういう経験からできていたりする。

 ともかく、以上の表である程度の個性をつけることができた。だが、これでは魔道士と僧侶に違いがないし、盗賊や詩人があまり役に立つとは思えない。そこは魔法・特技を設定することで調整しよう。

キャラクター 技能
勇者 回復魔法
盗賊 盗む、素早さ依存の攻撃技
魔道士 攻撃魔法
僧侶 回復魔法
詩人 補助魔法

 ポイントを挙げて解説すると、以下のようになる。

  • 主人公である勇者には回復魔法を付けると、どんな編成をしても(僧侶抜きでも)パーティが安定する。序盤の1人旅も安心である。
  • 盗賊は敵からアイテムを盗むことができる。それだけだと、ボス戦ではお役御免になるので、素早さで威力が上昇する技も覚えさせて、攻撃役としても使えるようにする。
  • もちろん、魔道士は攻撃魔法、僧侶は回復魔法を覚える。
  • 詩人は補助魔法を覚えるため、使い方次第では他のキャラクター以上の活躍をする。

 特に回復を行う魔法・特技・道具は戦闘バランスを取る上で、重要な要素となるので注意したい。中でも全体回復や蘇生が存在すると、格段に全滅の危険性が低下する。全員が簡単に全体回復や蘇生の魔法を使えるようなバランスだと、戦闘が単調かつ簡単すぎてつまらなくなる可能性も高い。回復が使えるキャラ、使えないキャラは明確に意識して設定しよう。

 また、全体攻撃についても無闇に作らないほうがよい。単体攻撃の場合は、どの敵を優先して倒すかを考えなければならず、自然と戦略性が生まれることになる。対して、全体攻撃の場合、対象を選択する必要がないため、戦略性がなくなり、戦いが単調になってしまう懸念がある。もっとも、全体攻撃で敵を一掃する爽快感は捨てがたいのも事実であるため、この辺のサジ加減は悩ましいところである。

 ここまで、キャラクターのバランス設定について解説したが、今までの例は飽くまでもお勧めの一つである。例えば、FFの青魔道士(敵から受けた魔法を覚える)のように特技の習得方法に個性を見出す方法もある。キャラクターの特徴の付け方はまだまだ考えられるので、色々と研究してみて欲しい。

 最後にストーリーとの関連も忘れてはいけない。キャラクターがいつ仲間になるのかも重要な要素である。回復魔法が使えるキャラクターは早い時期に仲間にしたいところだし、戦士・魔道士のような基本的な職業も、早めに仲間にした方が戦略の幅が広がる。また、後半、仲間になるキャラクターは扱いにくいので、強めでもいいかもしれない。

 「後半、期待されて仲間になったが役に立たない」といえば、DQ6の青い人が有名である。こういうキャラはプレイヤーの期待に応えるために、少し強すぎるくらいでもいいかもしれない。

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posted by 砂川赳 at 11:50 | Comment(0) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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