【RPGレビュー】タクティクスオウガ 運命の輪

2011年06月04日

タイトル機種質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
タクティクスオウガ
運命の輪
PSP100904050508090712010/12/12

 SFCの名作SRPGのリメイク。筆者はSFC版については、何度もクリアしてやり込んでいて、ゲーム史上最高傑作ぐらいに思っている。

物語


 SFC版と比較して、それほど大きく変更があるわけではないが、戦闘中のセリフなどの文章が増えている。追加された部分については若干、セリフ回しに気になる部分があったけれど、ケチを付けるほどではないし、元々の完成度の高さは保証されている。ちなみに、SFC版では手薄だったLルートが最も強化されているらしい。(※筆者はCルートしかプレイしてません。)

システム/バランス


 SFC版から、ほとんど別物といってよい規模で変更がされている。変更するのは構わないけど、気になった点がワラワラ。

クラス別レベルとレベルアップボーナス

 なぜか、キャラ毎ではなくクラス毎(職業)にレベルを共有するようになった。問題はクラスのレベルアップ時に戦闘に参加していたキャラは能力にボーナスが入ること。そのため、序盤に仲間になったキャラは能力が高くなりやすいが、後半に仲間になったキャラは相対的に能力が低く使いにくい。

同一クラスのレベルアップ

 色んなクラスのキャラを使用するより、なぜか、同じクラスをたくさん使ったほうが経験値を多くもらえてレベルアップしやすい。パーティ編成を色々考えるよりも、全員がニンジャなどの極端なプレイの方が有利なので、プレイしていて萎えてしまった。

新規クラスの初期レベルが1

 新しく手に入ったクラスのレベルは常に1からとなる。しかも、非常にレベルが上がりにくい調整となっているため、後半のクラスをまともに使えるようにするまでにはかなりの時間が必要となる。新キャラ=新クラスの場合、スキルが揃っていないため、なお大変。

 DQ6に例えると、レベルは職業で共有。全員を戦士にすると経験値が4倍に。しかも、レベルアップ時に力ボーナスが入るのでムキムキになる。
 しかし、後半バトルマスターとして加入したテリーはレべル1で貧弱。戦士に転職すれば、レベルは他の仲間と同じになるが、力はチャモロにも及ばない。
 ……というような謎な状況。

レベル制限

 装備・魔法・スキルなどを装備するにはクラスのレベルが条件となる。新しい装備が手に入っても、誰も装備できないなんてことはざら。装備の制限は入手できるタイミングや店の価格で調整すれば、十分だろうに、なしてこんな仕様に?

 DQ3に例えると、王者の剣を手に入れたけどレベル40まで装備できないみたいな。

敵が無駄に硬い

 ナイトやドラゴン、ゴーレムなどが異様に硬くて、倒すのが面倒。レベル差があったりして、攻撃力が高くない場合は、ダメージが1しか与えられないことも珍しくない。かなりレベルを上げていたのにラスボスに攻撃しても、まともにダメージを与えられる手段がほとんどなかったのには困った。
 また、ナイトには次のターンまでの間、ダメージを1/10に減らすスキルがあるけれど、これを敵側に使われた場合、非常にイライラさせられる。

スキルシステム

 有利不利なスキルがハッキリし過ぎていて、誰がやっても似たような構成になりやすいし、効果が大きすぎて、スキルを習得したタイミングでバランスが激変する。例えば、攻撃力UPというスキルは、身につけないとロクにダメージが通らない。遠隔攻撃命中率UPのスキルを付ければ、正面からでも弓が余裕で命中するので、戦略も何もあったもんじゃない。
 何より、スキルの数が多すぎて、メニュー画面で装着するのが手間になる。

アイテム共有

 SFC版ではアイテムを使用するには、戦闘前に事前にキャラに持たせる必要があった。今回は、アイテムをパーティ全体で共有するため、個別に持たせる必要はなくなった。しかし、アイテムで回復が容易にできてしまうため、クレリックの存在意義が薄れてしまった。加えて、回復魔法を使うにしても効果は固定で、能力に依存しないため、クレリックを使う意義がさらに低くなる。

AIの出来が悪い

 例えば、敵が戦闘開始時にちまちま補助魔法を掛けあったりするのだけど、効果が小さい魔法が多くテンポが悪い。敵もアイテムを使用するのだけど、少しでもHPが減っていた場合に回復アイテムでちまちま回復してくる。ボス敵ですらこちらに攻撃せずに、しょぼい回復や補助をおこなって、ターンを無駄使いしてくるのはさすがに頂けない。

 DQ3に例えると、バラモスが薬草で回復してくるみたいな。

合成

 店で合成をおこなうことで、強力なアイテムを作成できるが確率で失敗する。失敗しても、どうせロードしてやり直すだけなので作業的になってしまう。


 全体的にプレイヤーの手足を縛るような要素が多く、不自由かつ手間がかかる。ユーザインタフェースは悪くないのに、何かとひっかかる。
 そもそも、どういうプレイスタイルをとれば楽しめるのかが非常につかみ辛い。まさか、全員ニンジャみたいな、極端なプレイをして欲しかったわけではないと思うのだけど……。

 戦闘中に50手までの動作をやりなおせるCHARIOTや、クリア後にストーリー中の要所に戻ることができるWORLDについては、プレイをやり直す面倒を省けるので評価できる。
 CHARIOTに付いては、度が過ぎた初心者救済システムという気もするが、スパロボシリーズ等SRPGにありがちな、リセットとロードの繰り返しをさせられるよりは、よほどテンポが良くていさぎよい。

快適性


 ユーザインタフェースが改善され、戦闘中の行動順序が常に表示されるようになった。(FF10等の後発作品からの逆輸入といったところか。)ボタンを押した際の反応速度や、敵の思考時間なども、SFC版と比較すれば、大きく改善されていることがわかると思う。
 つくづく、システム・バランス両面に問題がなければだけど……。

美術


 不細工になったザエボス。人間離れしたザパン、ガンプなど。一部、顔グラに違和感を感じるが、ドット絵などは大体SFCと同じ。魔法エフェクトなどは大きく変更されているが、それなりにテンポも良好で綺麗。

音楽


 SFC版にあった音楽の原型を崩さずに、うまくアレンジがされている。伝説のオウガバトルから音楽が使用されているのも嬉しいところ。ただ、音楽の使用箇所にはあれ?と思う場所もいくつかあった。
posted by 砂川赳 at 10:15 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする