【アイデア】CTBとターン制の夢の融合

2017年10月06日

 前回の記事で予告した通り、新しい行動順序システムを閃きました。アイデアだけですが、書くだけ書いてみます。

 参考:戦闘システム@ 行動順序システム

 以前も書きましたが、新しい行動順序システムを作るのは難しいのが現実です。
 そのため、『リアルタイム制』を除いたコマンド式RPGの戦闘システムとしては、『ターン制』『CTB』のどちらかに類するものを使うのが、一般的でした。
 世に出回るフリゲも市販RPGも、大半がこのどちらかを採用している状況です。
 しかしながら、それだけでは戦闘システムの幅は狭まってしまいます。RPGの歴史の中では『プレスターン』などの新しい試みがされてきましたが、もっと色々とあっていいはず。

 そこで『ターン制』と『CTB』のいいとこ取りができないかと考えました。

  • 同時に多人数の行動を決める緊張感あるターン制
  • 素早さの重要性が高いCTB

 このような特徴を融合できないか――というわけです。

 素早さの価値を高めたターン制といえば、ブレスオブファイア3のEXターンが挙げられます。
 これは『素早さが敵平均より二倍高いキャラ』に限り二回行動できるというものです。ただ極端過ぎる嫌いはありますし、逆に条件を満たさない限りはシステムとして空気です。
 あれよりも明確にシステムとして組み込みたいところです。

試案


 ではどうするのか――というと、具体的にはCTBを『何らかの行動回数』で区切って、ターン制のような挙動にします。
 ※CTBの実装については、前回の記事を参照

 まず思いついたのは『戦闘に参加している人数』で区切ることです。

20171006.png

 画像は既存のCTBをいじったイメージです。緑の矢印から上がそのターン内での行動者です。
 味方3人、敵3体なので1ターンの行動回数は全員合わせて6回となります。
 遅い敵はそのターン中は行動できなくなる代わりに、2回行動できる味方が発生します。遅いキャラの出番を速いキャラが奪い取るようなイメージですね。

 これで一応の形ができました。
 ターン制とCTBの特徴を併せ持った行動順序システムが設計できたような気がしないでもありません。

 ……が、問題もありました。
 遅いキャラの行動を速いキャラが乗っ取るという仕様上、遅いキャラが想定以上に足を引っ張ることになります。

 例を挙げると、CTB(4人参加)で以下の順番であった場合……

 A→B→C→AD→B→C→A
 ※アルファベットがキャラクターに該当します。

 新システムでは……

  • 1ターン目:A→B→C→A
  • 2ターン目:D→B→C→A

 という行動ターンになります。
 素早さの低いDの1ターン目が、Aによって奪われていることが分かります。
 Aが敵でB〜Dが味方ならば、1ターン目に2回の攻撃をされてしまうわけです。

  • 1ターン目:A→B→C
  • 2ターン目:A→B→C

 上記のように、Dを除いた3人の戦いならば、2回攻撃は発生しません。下手すれば、鈍足のDを戦闘不能にしておくような戦術が有利になってしまいます。
 遅いキャラが不利なのはCTBの宿命とはいえ、これはやり過ぎでしょう。何だかいびつなシステムに思えてしまいます。

改良案


「1ターンの行動を限定する」という方向性は悪くないように思いますが、どうにもしっくりきません。
 ならば、その条件を変えてはどうでしょうか?
 思いついたのは、『最も速いキャラ』を基準にすることです。
 具体的には『同じキャラ』の順番が2回来たら、その手前でターンを区切ります。
 ※大抵は『最も速いキャラ』が対象になりますが、補助・異常などで複雑に変化することもありえます。そのため『同じキャラの順番が2回』を条件にしたほうが汎用的です。

 A→B→CA→D→B→C

  • 1ターン目:A→B→C
  • 2ターン目:A→D→B→C

 というようにAを基準に区切ります。
 1ターン目だけ最も遅いキャラ――すなわちDが脱落していることが分かるでしょう。
 ターン毎に参加人数が可変になるという点が特徴的ですね。

 他の例も考えてみます。
 A→B→CA→D→B→CA→B→C→D

  • 1ターン目:A→B→C
  • 2ターン目:A→D→B→C
  • 3ターン目:
  • 4ターン目:A→B→C→D

 見ての通り、毎ターン行動するキャラと順序が流動的に変わっていきます。
 順序については、ターン内で再び素早さで並び替えるのもよいかもしれません。かなり雰囲気がターン制に近づくと思います。
 CTBにおけるキャラの連続行動は、そのキャラ単独のターンとなります。この場合では3ターン目のAが該当します。単独ターンではなく、前後のターンと合併して2回行動にするのも面白そうです。

 このルールならば、鈍足のDが大きく足を引っ張ることもないので、不公平感はなさそうですね。

 A→B→CA→D→BA→CA→B→D

  • 1ターン目:A→B→C
  • 2ターン目:A→D→B
  • 3ターン目:A→C
  • 4ターン目:A→B→D

 一つ気になるとすれば、このパターンです。
 2ターン目に『鈍足のD』は動けるのに『Dより速いC』が動けない逆転現象が発生しています。3ターン目も同様で、Bは動けないのに『Bより遅いC』は動ける状況になっています。
 もっとも、場合によっては遅いキャラが有利なのは、ターン制時点からの伝統です。あまり気にする必要はないかもしれませんが。

 ……というわけで、ここに新しい行動順序システムが完成しました。プログラムとして実装したわけではありませんが、ここまで設計できれば十分だと思います。
 特に調べてはいませんが、アイデアとしては自分が初めてのはず。
 というか、CTBだけでもわりと面倒なのに、その上で細工しようと考える人はあまりないと思います。

 命名はカウントターンバトル――にしようかと思いましたが、略称がかぶるので思い留まりました。
 カウントタイムターンバトル――略してCTTBとしておきます。

CTTBまとめ


利点

  • 素早さの価値が高い。
  • ターン制独自の緊張感や戦術性を持ち込める。
  • サガシリーズの連携など、ターン制向きのシステムも使える。
  • ターン毎に状況が流動的に変わっていくので刺激的。
  • 今までにないシステムなので新鮮さがある。
  • それでいて感覚はターン制に近いので馴染みやすい。

 まんま、いいとこ取りですね。まさに夢の融合!

 欠点としては、実装がCTBよりもさらに大変なことです。プログラミングの問題もありますし、ターンの区切りを明確にしたUIも考える必要があります。
 何より、最大の強敵は「別にCTBでよくね?」というツッコミかもしれません。
 ターン制に関しては『素早さ』という明確な差別化ができるので心配いりませんが、問題はCTBを相手にした場合でしょう。
 ターン制的な面白さを持ち込めないなら、わざわざCTBを余計な劣化させただけになりかねません。夢の融合どころか下手すりゃ中途半端の誕生です。

 これを書いた当人も、CTBより面白いかと言われると確信はありません。面白いかどうかは、実際には調理次第といったところでしょう。
 とはいえ、新システムというのはゲームデザイナーのロマンです。機会があれば挑戦してみたいと思います。
 ※絶対にやるとは断言しません。やってみてつまらなかったら意味がないので。

 そんなわけで、ターン制とCTBの両方が好きで、プログラミング技能に自信があるという方は、CTTBに挑戦してみてはいかがでしょうか?
 ※微妙にハードル高くてすみません……。
posted by 砂川赳 at 22:41 | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする