【RPG制作講座】町人のセリフ・配置

2013年12月28日

『町人』とはストーリー上、重要な役目を持たない登場人物のことを指す。グラフィックは使い回しで、名前も大抵はない。村人とか市民とかモブとも言われる。呼称は何でもよいが、ここでは『町人』で統一する。

町人は基本的にメインストーリーには関わってこない。プレイヤーが話しかけることで初めてセリフを返してくる。プレイヤーが存在を無視しようとすれば、一切そのセリフを聞くこともない。まさに脇役中の脇役である。

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そんな脇役たる町人の役目は以下の通り。

  • 情報を与える。
  • にぎやかし。

他にも、店などの施設を運営するのも町人の役目と言えなくもないが、この記事にはあまり関係ない。

日の当たらない存在とはいえ、世界を表現するには、そこに住む住人の存在が不可欠だ。住民がまばらにしかない上に、無味乾燥なセリフしか吐かないゴーストタウンのような町ばかりを旅していても、冒険感は得られないというもの。よって今回は、いつも軽視されがちな町人の配置とセリフの内容についてまとめてみる。


町人の人数


先立って、町人の人数について考えておきたい。

セリフを話す町人の人数(店など施設要員を除く)は小さな町で5人。大きな町で20人という程度で十分だろう。町に無駄な空白地帯ができると寂しい感じがするので、そうならないように適度に配置しておきたい。
町人の人数が多くなり過ぎないように注意。多過ぎると制作が大変なのは当然だが、プレイヤーだって話を聞くのが大変になる。それに1人当りの内容が薄れてしまって、重要な情報を見落とすことにも繋がる。

町人の人数はそこそこいるはずなのに、どうにもまばらで寂しい感じがすることもあるかもしれない。その場合は単に町が広すぎる可能性が高いので、見直すことも考えよう。

一つの町で5〜20人程度と書いたが、これが長編RPGともなると町の数も10〜20というように多くなってくる。掛け算して50〜400人。さらに、ストーリー進行で町人のセリフ内容を変化させることも考慮したい。場合によっては、1000を超えるセリフを書かなくてはならないだろう。
一セリフを60文字と考えた場合、1000×60=6万文字となる。大体、小説一冊の3分の1といった分量だろうか。これはなかなか馬鹿にできない作業量だ。

そんなわけで、町人のセリフを考えるのは地味に大変な作業なのだ。

セリフの長さ


『一セリフを60文字と考えた場合』と上で書いたが、実際のところ町人のセリフはどのような長さにすればよいのだろうか? 書き手の好きでよいと言えば、全くその通りなのだが、何か目安が欲しいという方もいるだろう。

そこで参考までに、いくつか市販RPGの町人セリフを引用してみよう。

DQ3

「ここは アリアハンの城下町。」
「北に行くと レーベの村が
 ありますわ。」

約30文字とシンプルなセリフ。

「かつて この国アリアハンは
 すべての世界を おさめて
 いたのじゃ。」
「しかし いろいろな戦争が
 あってな。多くの人々が
 戦いで 命をおとした。」
「それからは 海のむこうに
 通じる 旅のとびらを
 封じこめたと いうことじゃ。」

約100文字のやや長文。改めて見ると結構無茶な設定。アリアハン凄すぎ……。

「オレは 見まわりの兵士さ!
 町に なにか あっても
 オレがいるから だいじょうぶ!」
「安心して 旅を続けて
 くれよな!」

こんな感じでメッセージウインドウ二つ分ぐらいのセリフをしゃべる人物が多い気がする。

FF6

「ここはサウスフィガロの町。」

全体的にDQよりもかなり簡潔だが、これは特に極端な例。体言止めとは、なんてドライな……。

「えらいこっちゃね!
 帝国を敵にまわすとは……」

関西弁を喋る謎の幼女。

「君も見たかい?
 地中を走るフィガロ城の勇姿を。」
「……つってもムダか。
 地中じゃ見えないもんな。」

こういったメッセージウインドウが切り替わるセリフ自体がやや少なめ。


個人的な意見ではFF6だと簡潔過ぎるので、DQ3ぐらいの内容があったほうが好み。ただし、長過ぎるのも読むのが面倒なので、メッセージウインドウが1〜3ページ程度で収まる長さを目安にするとよいだろう。文字数で言うと30〜100文字程度といったところか。

セリフの内容


では、具体的にはどのような内容をセリフに書けばよいのか? よく使われるセリフの種類をパターン別にまとめてみた。

ストーリー進行上重要なセリフ

これがないとゲーム進行もままならないというような重要なセリフ。町人を作成する際は真っ先にここから配置していくとよいだろう。もっとも、このタイプはメインストーリー上の会話に組み込まれることも多い。

目的を示す

「魔王を倒すには伝説の聖剣が必要なのだ」
さすがにここまで重要なセリフはメインイベント上で説明してもいいかも。

目的地・場所を示す

「XXXXを探しているのか? それなら○○○○の町にあるそうだ」

「○○○○の町なら、東の橋を渡った先にあるぞい」

複数人との会話から、より詳細に分かるという風にしてもよい。特にセリフが長くなりすぎた時は分割したほうが分かりやすい。

交通手段を示す

「南の島に渡るには船が必要だ。
 船乗り達と交渉してみるがいい」

定番の乗り物イベント。

攻略上有益なセリフ

次に優先して配置したいのはこのタイプ。攻略上必須ではないが聞いておくと便利というもの。

ゲームシステムの説明

「素早さが高いと敵より先に動けるぜ」
パラメータの説明をしておく。攻撃力のようにそのまんまなパラメータはあえて説明しなくともよいかも。

「レベル20にならないと転職はできない。
 そして、転職した直後はレベルが1に戻ってしまう」

新システムを解禁したら、その説明もやっておこう。序盤から一気に説明を流されると、引かれることもあるので、小出しできるものは小出しでもよいと思う。

道具の情報

「聖水を使うと弱い敵は寄って来なくなる。
 戦いが面倒になったら使ってみな」

特に有効活用して欲しいという道具に関しては、町人に説明させてみるのも手だ。メニュー画面や買い物画面での説明だけでやるよりは印象が深まる。

仲間や職業の特性

「戦士は打たれ強くて、力も強い。
 パーティの先頭で戦える職業だぜ」

特に個性的で取っ付きにくい職業ほど説明は大事となる。

「ウチの子は魔法は得意だけど、HPはあまり高くないんだ。
 無茶させないように、守ってやっておくれ」

仲間キャラクターの家族などに語らせてみるのも、人間関係が浮かび上がって面白い。

特定の場所や敵に関する情報

「砂漠の敵は水の魔法に弱いぞ」
ザコ敵の弱点を伝える。

「バジリスクは石化の攻撃を使ってくるんだ。
 回復手段は用意しておけよ」

即死・石化といったキツい状態異常は、前もって警告しておくと理不尽感は軽減されるかも。

「四天王XXXXは毒魔法の使い手だ。
 奴の毒霧に何人もの仲間が倒れた……」

ボス敵の特徴を前もって知らせてみたり。

施設案内・道案内

「村長の家なら、一番奥にありますよ」
『ストーリー進行上重要なセリフ』との境界は微妙なところだが、対して迷わない場所にも案内を入れてみる。使える機会は多いので、セリフのネタが切れた時には地味に役立つ。

ストーリーや世界設定を深めるセリフ

必ずしも必要なセリフではないが、あると理解が深まる。『情報』と『にぎやかし』の中間的な役目。

イベント

「式典は明日、開催される予定です。
 今年も各国から著名人が集まるらしいので、楽しみですよ」

これから起こるイベントについて、事前情報を出しておく。

「楽しみにしていた式典があんな惨劇になるなんて……。
 ああ、これからどうなってしまうのか……」

もちろん、イベントが終わった後はこんな感じで。

過去・歴史

「千年前、伝説の勇者が魔王を倒したのじゃ。
 それ以来、世界は平和だったのじゃが……」

世界の歴史をオープニングテロップで一気にやるのは鬱陶しい――と思った場合は、こんな風に小出しにするとよいかも。町人じゃなくて、本棚などから情報を得られるようにしてもよい。

「君の父上はこの国で最も優れた剣士だったのだよ。
 全く惜しい人を亡くしたものだ……」

主人公〜主要人物の両親など、過去の設定も同様。


「魔物とは五百年前に突如現れた悪しき生物なのです。
 その生態はいまだ謎に包まれています」

お約束の魔物といった概念にも何か説明を加えてみてもよいかもしれない。

地理

「この世界には四つの大陸があるのです。
 どの大陸も、この島よりはるかに広大ですよ」

先の冒険への期待感をふくらませる。

科学・技術

「この鉱山で採れるミスリルは優れた金属だ。
 銅よりも軽く、鋼よりも丈夫なんだぜ」

こんな説明があると、件のミスリル武器を手に入れた時に、単なる数値以上の嬉しさが得られるというもの。

「飛行船の核には浮遊石を使っています。
 浮遊石は空気に浮かぶ不思議な石なのです」

作品によっては世界独自のエネルギー源が存在しており、ストーリーに深く関わってくる場合も。例えば、FF7の魔晄エネルギーなど。

町・国家

「ここはXXXXの町だ。
 この町は魔物から人々を守るため
 高い壁で囲まれているんだ」

とりあえず、入口に町の説明をしてくれる人を配置するのは基本。何か一言でも、町名以外の特徴を入れるとよいかと思う。

「XXXX帝国と○○○○共和国は
 既に十年間も戦争を続けている」

国際情勢も語らせてみよう。

人物

「大臣のXXXXは汚職まみれの汚い野郎だ。
 どうして陛下はあいつを首にしないんだ!」

ストーリー上の重要人物について、情報を伝えてみる。

「XXXXさんはこの国で一番の槍の達人だよ。
 強いだけじゃなく、性格も優しいんだ」

『仲間キャラクター』の人物評も入れてみよう。パーティにいる時は会話が変化しても面白い。

「あのドラゴンを倒してしまうなんて
 XXXX。お前こそ真の勇者だ!」

もちろん、主人公だって一人の人物。プレイヤーが成し遂げたことをほめてくれると嬉しいかも。

雑談

「今日の晩御飯は何にしようかしら?」
というようにストーリーにも世界設定にも関与しない雑談。純粋なるにぎやかし。
基本的には、ネタに付きた場合の苦し紛れなので、乱用は禁物。できれば『ストーリーや世界設定を深めるセリフ』に近付けたほうが望ましい。

例えば
「今日の晩御飯はXXXX名物の○○○○芋を使ったシチューよ」
という具合にその世界独自の固有名詞を入れて雰囲気作りをする。

あるいは
「今日の晩御飯は抜きよ。この国は貧しいから、
 1日3食というわけにはいかないの……」

というように経済状況を表現してみるのもよい。

もっとも
「今日の晩御飯は何にしようかしら?」
というセリフだって『平和で深刻な悩みを持たずに住める町』であるという設定を遠回しに表現していると言えなくもないけれど。

まとめ


今回の講座は実に地味だった。しかしながら、町人のセリフは地味ながら大事なもの。「町人のセリフを書きたいが思いつかない!」と思った時はこの講座を眺めてみて欲しい。例に挙げたセリフの数々はわざと簡素にしてあるので、色々と肉付けしてみるのがおすすめ。

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posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(10) | RPG制作講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【王道長編RPG】スキルシステム実装と装備品の配分

2013年12月07日

スキルシステム実装


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前回、書いた通りにスキルシステムを実装してみました。こんな感じのスキルツリーです。怒涛の勢いでアイコンも自作しました。既存のグラフィックを使い回しまくったとはいえ、さすがに数が多くて辛かったです。

この種のシステムで手間なのは、自分でポイントの溜まり具合を判断して、スキル習得をしなければならないことです。

戦闘終了 → メニューを開く → まだポイント不足 → 戦闘終了 → ……

とまあ、何ともじれったい……。この辺、放っといたら勝手に上がるレベル制は楽チンです。レベル制が古臭いと言われながらも、廃れないのはこの点で優位だからでしょう。

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というわけで、少しでもその手間を軽減すべく予約機能を付けてみました。習得したいがポイントが足らないってスキルには予約印を付けておきます。

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戦闘終了後、印を付けたスキルに必要なポイントが溜まれば、その時点で習得してくれます。ついでに、没になりそうだった閃きエフェクトもめでたく復活です。
スキル習得した時点で予約は消えるので、自動で次の予約ができるようにスキル画面を開くほうが親切かもしれませんが、そこまでやるかはまだ保留です。

装備品の配分


また、話題が変わりますが、そろそろ武器や防具の設定に入りたいなと思っています。ちょっと悩むのが、『店売りにする物』と『他の入手方にする物(宝箱など)』の配分です。調整にしくじった場合、「苦労して武器を買ったが、同じ物がダンジョン入ってすぐに落ちていた! 金を無駄にした!」なんて悲劇が起こるわけです。
以前、

【RPG制作講座】アイテムバランスA 宝箱の設定
http://newrpg.seesaa.net/article/215113242.html

なんて、記事を書いたぐらいなので大まかな方針は決まっています。武器・防具は店買いをやや重視し、宝箱での入手は質量共に程々に抑えるという感じです。それはいいのですが、それにしても細部で悩みます。特に中盤、船を手に入れてから自由度が増大するところなんてどうしたものか……。
いきなり強い装備が買える町に行けてしまう場合、あまり存在価値なく素通りされる店&装備ができてしまいそうです。かといって、順当な強さの装備しか買えないような調整にしてしまうのも、せっかくの自由度を殺してしまうというもの。

  • 強い装備が買える町にも行けるけど、高くて簡単には手を出せない。
  • 町によって、売ってる装備の種類が違う。町Aは剣。町Bは弓。
  • 町によって、特殊効果重視、攻撃力重視というように特徴が分かれる。

って辺りが無難かなという感じです。

気になったので、参考にDQ3がこの辺どうなっているか調べてみました。困った時は原点たるDQ3(FC版)を見るに限ります。
で、今回の調査対象は勇者が装備できる武器の変遷です。船を手に入れた時点の武器は「はがねのつるぎ」か「てつのオノ」といったところ。では、船を手に入れた後には、どんな武器を入手できるようになるのか見てみましょう。

■船入手前
はがねのつるぎ +33 1500G
てつのオノ   +40 2500G

■船入手後
くさなぎのけん +63 ボスの戦利品
ゾンビキラー  +65 9800G
ドラゴンキラー +77 15000G
いなづまのけん +85 宝箱

「くさなぎのけん」「いなづまのけん」はボス戦勝利が必須であり、入手が難しいので置いておきます。
意外なのは該当条件の店売り武器が「ゾンビキラー」「ドラゴンキラー」の二つしかなかったことです。もっと一気に装備品が増えるイメージを勝手に持っていました。
というか、攻略サイトを眺めていて気が付きましたが、DQ3って、中盤以降はそもそも店売りの装備品自体が少ないですね。最近のRPGは装備品多すぎなのかもしれません。

なお、「ドラゴンキラー」を売っている町は手順さえ知っていれば、船入手してから、ボス戦&ダンジョンなしで到達できます。なので、金さえ足りれば船入手直後でも買えてしまうわけです。「はがねのつるぎ」から「ドラゴンキラー」に武器交代した場合は攻撃力が一気に2倍以上。しかも、これ普通にプレイしていても、かなりありえそうなパターンです。
DQ3は無難なようで、意外ととんがったゲームバランスのようです。もしかしたら、こういうメリハリの強さが人気の秘訣なのかもしれませんね。

以上、参考になるような、ならんような調査結果でした。後はこれを踏まえて自分がどうするかです。
posted by 砂川赳 at 06:00 | Comment(15) | 開発記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする