【RPGレビュー】ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて

2017年08月08日


発売元スクウェア・エニックス(公式)
機種PS4
発売日2017/07/29
質量物語システムバランス快適性美術音楽平均クリア日
1009080807010080862017/08/07

 3DS版との同時発売だが、筆者はPS4版でプレイ。ちなみに、前作に当たるオンラインのDQ10は未プレイで書いているので、前提として注意を。

質量/物語


 クエストを全てこなしながら、本編クリアまで66時間。
 さらには裏ボス撃破まで90時間と、シリーズではDQ7以来のプレイ時間だった。サブイベントを全てこなせば、100時間は遊べるかもしれない。マップが広大ということもあるけれど、同系統のDQ8を凌駕する質量がある。
 本編が呆気なく終わったDQ9と比較して、その倍ぐらいの規模はあるかも。正直言って、ここまで作り込んでくるとは思わなかった。

 ストーリーとしては、久々となる主人公が勇者のドラクエ。それも今回は、序盤から主人公が勇者であることが明示されている。この種の設定は何気にファミコンのDQ4以来となる。

 DQ6以降、起伏の控えめなストーリーが続いていた本シリーズだけど、今回は印象の強いイベントが多かった。
 特に仲間達に関わるイベントが充実しており、魅力的な仲間達との冒険を演出してくれている。主人公の頼れる相棒カミュ、それぞれ重要な役割を果たすベロニカとセーニャの姉妹、ちょっとキモいが芯の強いところを見せるシルビア。
 ……などなど、キャラクター性は過去のドラクエのどれよりも高い。王道のドラクエにしては珍しく、先が気になるストーリーになっている。

 ネタバレを徹底的に避けていた甲斐もあって、本編後半の展開には驚かされた。本作ではこの辺りのストーリーが最も強く印象に残った。

 クリア後の裏面も相当な量がある。物語的に大きな伏線回収がなされるため、クリア後も実質的な本編と言えるかもしれない。
 ただし、そこからは急激に水で薄めたような内容になるのが難点。一度クリアしたダンジョンを再度もぐらせるようなものが多く、イベント内容も急に味気なくなる。
 ネタバレになるので詳しく書けないけれど、充実した本編との落差で少しばかり寂しい気分になった。裏面突入時は展開の壮大さもあって、ワクワクしたのだけど……。

 何はともあれ、真エンドの演出はシリーズファンをうならせるものがある。性質上、今回は裏ボスまで倒さない限りストーリーを終えたことにはならない。

システム/バランス/快適性


戦闘

 進化してはいるけれど、いつものドラクエ。昔ながらのコマンド式。
 古臭いという意見もあるけれど、ドラクエはこれでよいと思う。

 例えば、アクション式だと主人公一人しか操作できないことが多い。
 対して、コマンド式は仲間全員へ指示できるため、細かい戦術も可能となる。仲間を操作するために、愛着が湧きやすいことも利点となる。
 また、リアルタイム性がないため、気を抜いて気楽にできることも大きい。作戦を指示してAIに任せるも、自分で操作するも、プレイスタイルは自由。
 そう考えてみれば、古典的でありながら、意外と今の時代に合っているような気もしないでもない。
 ……というように、コマンド式を愛好する側から擁護してみた。

 変わったところでは、コマンド入力と行動がターンでまとめてではなく、一人ずつ実行されるようになった。
 どうやらPS4版だけの仕様らしく、最初はこれにとまどった。
「まさか、CTBか何かになって、ターン制ではなくなったのか?」
 と、疑って検証してみたけれど、やっぱり行動順序はターン制のままだった。
 相変わらず行動順序にランダム性があるため、運が悪いと連続でボスの攻撃を喰らってしまうことも。この辺りのルールは少し分かりにくいと感じた。

 また、ダメージを受けてターンが回ってくると、確率でキャラが『ゾーン』という強化状態になる。
 さらに複数人がゾーン状態になれば『れんけい』が使える。……が、これらはランダム性が高く戦術に組み込みにくい。ボス戦のような過酷な場面で狙って発動するのは至難の業。戦術に組み込めるとしても、かなり終盤になるのではないだろうか。

 今回からは、レベルアップ時にHPMPが全快する仕様になっている。
 また、フィールドやダンジョンの要所にはキャンプ地点があり、そこでも回復が可能になっている。キャンプではセーブなどの施設も使用できるのでとても便利。
 そのため、パーティの消耗は今までのシリーズ作品よりかなりゆるい。ありがたいといえばありがたいけれど、戦闘の度に大技をぶっ放すような大味なプレイになる傾向も。

 DQ8の錬金に代わって今作には『不思議な鍛冶』がある。それで装備を作成できることもあって、お金も不足しにくい。

 それらもあって、序盤〜中盤と難易度は低め。今回はボス戦の経験値が多めなので、レベル上げをせずとも問題なく進めた。
 もっとも、難易度は比較的低いという程度でSFC版DQ3やDQ9よりは難しいはず。
 さらには、本編後半からはボス敵の攻撃が激しくなってくる。三回攻撃や全体状態異常を当たり前に繰り出してくるためなかなか厳しい。特にドラクエの場合、異常を完全に防ぐことは難しいので運ゲーになることも。

 今作の不満点の一つとして、戦闘テンポが挙げられる。
 今時のRPGにしては戦闘がゆったりしていて、DQ8の時代から余り進歩が見られない。

  • 戦闘開始まで7秒。PS3以降のRPGとしてはやや長い。
  • 敵と距離があると、攻撃する度にノロノロと敵へ近づく。
  • 呪文や特技には微妙な溜めのモーションがある。特に『ぶんまわし』のような単純な技にまで、数秒程度の溜めモーションは過剰では?
  • 防御して次ターンが回ってきた時にいちいち「守りをといた」のメッセージ。
  • HP・MP自動回復だと毎ターンメッセージを待たされる。
  • 全体的に、いちいち行動が終わるまで待つのは時代遅れ感が否めない。

 例えば、通常攻撃の速度を比較すると、こんな感じ。

  • SFC版DQ3 :1.5秒
  • PS2版DQ5 :1.0秒
  • PS2版DQ8 :3.0秒
  • PS4版DQ11:2.5秒

 システムは古いままでよいと言ったけれど、ここは頑張って欲しかった。今はグラフィックの綺麗なRPGでも、これよりテンポの優れたものはいくらでもある。
 というか、PS2版DQ5の時点ではテンポ良すぎて気持ち悪いレベルだったのに、なんで退化してるんでしょうか……。

 余談。ここまで検証していて気づいたけれど『フリー移動バトル』モードのほうがテンポが若干早いような気がする……。なぜか「守りをといた」や「HP・MP自動回復」のメッセージが飛ばせるようになった。並行して処理を行うようにプログラムされているせいかもしれない。

 ともあれ、昨今のゲームはあれこれと複雑なシステムを組み込んだ結果、逆に面白さが迷子になっていることが多い印象がある。それと比較すれば、ドラクエの面白さはとても明快。本作ももちろん堅実に楽しめる仕上がりになっている。

 その他ゲームバランスについて細かいこと。

  • メラ・ヒャド系呪文が微妙に弱い。敵の耐性の関係もあってか、単体攻撃のメラゾーマより全体攻撃のイオナズンのほうが期待値が高い気がする。消費MPは大差ないのに……。
  • 敵の強さと経験値が釣り合ってないことが多い。基本的に少数で出現する巨大な強敵より、群れを作るザコを狙ったほうが効率がよい。これは今までのシリーズにもあったことだけど、今回は大型の強敵が多いので特に気になった。
  • 主人公の最強剣技が案外弱く、中盤で覚えられる技にすら負けているのはどうなのか。
  • ボス戦の経験値が多めなのはよいけど、死んでいるキャラは経験値が入らない。控えのキャラのほうがレベルが上がりやすい逆転現象も。

成長システム

 選んだスキルと隣接したスキルが解放されていくパネル形式。
 DQ8のスキルマスターの発展系だが、それよりもスキルの数は豊富。FF10のスフィア板などと似たものになっている。
 例えば、カミュは『片手剣』『短剣』『ブーメラン』『かみわざ』の四通りのスキルがある。

  • 単体攻撃が強力だが、全体攻撃ができない『片手剣』
  • 強力な全体攻撃が可能だが、硬い敵が苦手な『ブーメラン』

 というように選んだスキルによって、成長の方向性が変わってくる。パーティ編成とスキル次第で、DQ8よりもプレイヤーごとの個性を出しやすい。

 スキルは中盤〜後半辺りからリセットも可能。
 DQ8ではやり直しができなかったため、地雷スキルを選ぶと大きく不利になったが、今回はその心配は少ない。リセットにはわずかなお金(G)が取られるだけなのは助かる。

その他

 色々と快適にプレイさせるための工夫がされている。

  • メニューを開いて□ボタンを押すだけで、『ほぼまんたん』で自動的に回復してくれる。
  • 地図画面や仲間との会話で、行き先を逐一教えてくれる。
  • シンボルエンカウントなので敵を避けやすい。
  • メニュー画面の操作が洗練されていて動作も軽快。

 特に『ほぼまんたん』は非常に便利。既存シリーズの『まんたん』よりも賢くやってくれるので、MP消費の心配は薄い。RPGお決まりの回復作業から一気に解放してくれる。

 気になるロード時間だが、これはDQ8の時代より悪化している。ゲーム機は二世代も進化したはずなのに、いまだロード地獄からプレイヤーは解放してもらえないらしい……。

  • マップ切り替えに10〜20秒程度。
  • ルーラに25秒。
  • 空の乗り物へ乗るには25秒、降りるのに十数秒。

 ただし、マップ内へ一度入ってしまえば細かいロードは少ない。少なくとも、民家の出入りだけでロードが発生するようなことはない。数十分の町探索中、一度もロードがないこともあるので、良心的な部類かも。
 ロード回数を軽減するためか、ルーラがダンジョン内でも使用可能になっている。(PS4版限定とか)また、各地のキャンプ地点まで直接ルーラ可能になっているのは便利。

 また、マップは広めだが、DQ8よりは全体的に抑えられている。ただし、移動速度は遅めだし、町の構造は複雑なので、疲れを感じる人は多いと思う。フィールド上では乗り物も使えるのでさして問題ないが、町中はそれなりに大変。
 特に今回はメダル王に当たる施設が微妙に遠い。メダルを渡しに行くのにルーラから合算して、一分もかかったりするのは何とかして欲しかった。

 今作もDQ9から引き続きクエストが存在する。
 内容としては、DQ9のように目立って面倒なものは控えめ。攻略情報なしでも大半はどうにかなった。……が、数点面倒になって攻略に頼った。マップが広いため、捜し物を見落とすとかなり面倒なことになる。
 それ以外だと……

  • 『れんけい』によって特定の敵を倒せ
  • 同じ敵を何度も倒せば登場する転生モンスターを倒せ
  • カジノのルーレットでジャックポットを当てろ

 この三種類は特に面倒だった。いずれも運の要素が絡んでくるため、当たりを引くまで繰り返さなければならない。戦闘関連もテンポがあまりよくないため面倒になってしまう。

 その他、気になった点としては……

  • マップ上で○ボタンで魔物にアタックすると有利になるが、乗り物上からできない。
  • 魔物に対して遠距離から○ボタンを押せば、ボウガンで敵をおびき寄せることができる。……が、これがアタックの誤操作などで頻繁に暴発する。そもそも、ボウガン自体が不要な気がする。
  • 明らかに格下のザコに対しても逃走に失敗する。
  • 船だけは旧来のランダムエンカウント。しかも出現率が高め。

 後はストーリーに関しても書いたけれど、クリア後の密度の低さは如何ともしがたい。
 イベントの密度、ほどほどの敵の強さ、新しい敵とダンジョン……。そういったものが合わさって、ドラクエの面白さは構成されているのだと思う。
 本編に関してはそれらが申し分なく発揮されていた。
 ところが裏面においては……

  • イベントは呆気なく終わる
  • 急激に強くなる敵に苦しめられる
  • 見たことのある敵やダンジョンが再登場する

 というように、どうしてもモチベーションが下がってしまう。
 今回は裏面が明確にストーリーへ組み込まれているため、ストーリー重視のプレイヤーも無視はできない。
 本編と同じような勢いのまま、終われたら理想だったのに――と、個人的には思ってしまった。

美術


 事前情報の段階だと、キャラはパッとしない印象があったのだけど、実際に動いているところを見れば、思った以上に魅力的。ベロニカなんかは、とても表情豊かで細かい顔芸が楽しい。

 大ガラス、フロッガー、リップス、おばけキノコ、ドロル、ももんじゃ、マムーとモンスターのチョイスがなつかしい。
 モンスターズなどの外伝を除けば、単一作品にしか登場しない魔物の再登場が多い。
 2以来の再登場となるスモークなんかは、今の技術で表現したらこうなるんだというのを見せてくれた。
 ドラゴンやクラーゴンなど、旧作では小さなドットだったモンスターが迫力ある姿になったのは嬉しい。

 一説によると、DQ10からの流用が多いらしいけれど、初見の身にとっては大いに感激させられた。
 もっとも、本作オリジナルモンスターは乏しいし、後半は同じ魔物の使い回しが目立つのが難点なのだけど……。

 西洋風、和風、琉球風――と町の種類も様々。
 今時、これよりグラフィックの質が高い作品はいくらでもあるけれど、こちらはバリエーションの豊かさが強み。何より、温かみのあるドラクエ世界を良質なグラフィックで遊べることが嬉しい。
 以前プレイした某洋ゲ―はグラフィックは綺麗なのだけど、雰囲気は暗いし、同じような敵や地形ばかりで飽きてしまった覚えがある。こういうJRPGの強みは今後とも大事にして欲しい。

音楽


 フィールド曲、戦闘曲、町の曲、ダンジョン曲と、無難なすぎやま節といった感じ。強い印象はないのだけど安定している。
 その中では、シルビアのテーマとして流れるパレード曲だけが、悪目立ちしていてちょっとしつこいかもしれない。

 新曲で最もよかったのは、要所で流れるハープ曲。特にセーニャに関わるシーンが印象深い。中盤までは「姉妹の影が薄いほう」という印象だったけど、思ったよりヒロインしていてよかった。

 ただ、今作は音楽の使い回しが多くて、新曲の印象がとにかく薄い。集大成ということもあってか、本作は過去作からの音楽の流用がとても多いのが特徴になっている。
 なつかしさは感じられるし、場面に合っていることが多いのも確か。久しぶりに聞いた人なら感激できることも多いはず。

 そこまではいいのだけど、まさかゲームの要となる箇所までも、過去作の流用ばかりだとは思わなかった。
 一例を挙げれば、本作の船の曲『海図を広げて』は元々DQ4に使われていた曲。DQ9にも使われているので、二作連続で独自の船曲が存在しないことになる。名曲かもしれないけれど、『DQ11の船の曲』が存在しないという事実はもったいない。
 ※ちなみにDQ10はそもそも船がないらしいです。
 流用はこれに留まらず、クリア後はさらに重要な箇所を流用曲に頼ってしまっている。

 ストーリー、システム、グラフィック――と、本作には各方面で過去作を超える意気込みが感じられた。その中で音楽だけが白旗を上げているように思えて仕方なかった。
 DQ8がそうしていたように、せめて、アレンジぐらいはして欲しかったなあ……と、個人的には思った。

総評


 元々、斬新さよりも手堅い造りに定評があるシリーズで、今作はその期待に応えられる出来だと思う。
 作品の雰囲気は、グラフィックや演出力の高さもあってDQ8の正当後継といった印象を受けた。「DQ8は楽しかったけど、DQ9は物足りない」という人には間違いなくオススメできる。
 正直、安定して面白い作品になるだろうとは予想していたけど、それよりもずっと楽しめた。特に本編のストーリーがお気に入りで、今になってドラクエにこれだけ熱中できるとは予想外だった。

 ドラクエの最高傑作論争は3が優勢で、4や5がそれに追随しているのが一般的な評価だろうか。けれど、本作はそれらにも立派に肩を並べられる水準だと思う。
 個人的には『ロードや戦闘テンポの悪さ』『音楽』『クリア後のイベントの薄さ』辺りの不満がなければ、迷いなくシリーズ最高傑作と断言していた。

 話を聞く限り、おまけ要素や快適性では3DS版に軍配が上がるらしい。プレイ時間も3DS版(特に2Dモード)のほうが大幅に減るはず。
 ただPS4版のグラフィックや演出は素晴らしいものがあるので、それだけでもこちらを選んだことに満足できた。
 ……と言いながら、3DS版もやってみたいという気持ちもあったりする。長い作品なので大変かもしれないけれど。
posted by 砂川赳 at 17:04 | RPGレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【コラム】自由な時間を求めて(週休三日)

2017年05月27日

 今日はちょっと趣向を変えて、仕事の話をしてみます。直接関係はありませんが、これも一応創作活動に関わる大事な部分です。

 何といっても、創作に専念するには、時間の確保が必須だからです。
 毎日7時に起きて出社、帰宅するのは22時過ぎ――みたいな生活をしていては、時間を作るのは、困難でしょう。これは趣味が生きがいの社会人にとって死活問題でもあります。
 酷くなれば、「生きるために働いている」のか「働くために生きている」のか、分からなくなってきます。こうなればまさに社畜の完成です。

 そしてそこで「お金を稼ぐのが大変なのは当然だ」「人生なんてそんなものだ」と諦めるのは簡単です。
 けれど、そこで終わっていては始まりません。真にやりたいことがあるのなら、工夫をして時間を作るところから勝負というわけです。

 そんなわけで、僕も日々時間を確保するために戦っています。
 具体的には週休三日で就職してみました。大の男がやることでないのは承知の上ですが、一度やってみたかったのです。

 仕事内容はプログラマです。「週休三日となれば、安めのバイトしかないのかな?」と漠然と考えていましたが、派遣会社に駄目元で頼んでみたら、わりとあっさり見つけてきてくれました。
 給与水準も特に問題なく、フルタイム時代と大差ありません。少なくとも、IT業界については柔軟な会社も多いようです。
「短時間労働でまともな給料を得られるのは欧米の話であって、日本では無理」
 というのは、働く側の固定観念も大きいかもしれませんね。

 ところで、「週休三日で生活できるのか?」と疑問に思われたかもしれませんが、わりと余裕です。
 僕の場合、独身貴族の上に、PCとネットと僅かな費用があれば完結できる趣味がほとんど。浪費とは全くの無縁。普通にやっていれば、手取りの大半が貯金に回るレベルです。
 さらには、その貯金を運用すれば、働かなくとも多少の収入を得ることもできるというわけです。不労所得バンザイ。

 そうして、

・正社員

・派遣社員(フルタイム)

・派遣社員(週休三日)  ←今ここ

・早期リタイアしてニート ←最終目標

 という感じで順調(?)にステップダウンしています。だんだん社会のレールから外れている気がしますが、これも自分で決めたこと。会社にずっと勤めねばならないなんて、強迫観念を捨てて楽になりました。今は適度に仕事を辞めて、失業保険でバカンスを取れるのが最高です。


 というわけで念願の週休三日
 ――だったのですが、落とし穴がありました。

 はい。実際に入った会社が少しばかりブラックな職場だったのです。

  • 社内の雰囲気が暗く重苦しい。仕事中から昼休みまで一切の私語が皆無。
  • 従業員のほとんどが小声。わずか2m離れた人の声が聞き取れない。もしかして、元気がない人を選んで採用しているのだろうかと疑うレベル。
  • リーダーが恐ろしく無愛想・高圧的。この人も小声なので、何度も聞き返さないと会話が成り立たない。上2つは我慢できても、これだけは無理だった。

 納得の時給がもらえて、週休三日。サービス残業はおろか、残業もほとんどありません。それだけ聞けば、どうみたってホワイトです。
 しかしながら、そんな利点を全て吹き飛ばす程の居心地の悪さ。この会社、今まで勤めてきた職場とは次元が違う――と初日に直感できるレベルでした。
 なんだかんだ言って、今までの職場はまともだったんだなあ――ということを嫌というほど思い知ったわけです。いくら時間があっても、精神力が削がれる職場では本末転倒。創作にはやはり精神的な余裕もないといけません。
 もちろん、退職(契約終了)の旨をこちらから伝えました。今月末には脱出できる見込みです。

 そんなわけで、僕の週休三日計画の船出はあえなく失敗しました。
 とはいえ、これで諦めるつもりはありません。週休三日だろうが二日だろうが、ブラックな会社はブラックという当たり前のことを痛感しただけです。
 幸い、週休三〜四日の案件は他にもあるそうなので、再度チャレンジしたいと思います。次はまともな会社であることを願いながら……。


 今回はちょっと生々しいことを交えてみましたがどうでしょう? ある意味では時間の確保こそ創作における最大の壁なので、あえて身も蓋もなく書いてみました。
「社会人=懲役四十年」なんて酷い自虐もありますが、そうネガティブにならず、色々と考えてみれば抜け道はあるように思います。
 というか創作とか関係なく、「生活より仕事を優先するような本末転倒な社会は、そろそろ終わったほうがいいんじゃね?」と、日本社会に対してわりと本気で憂えています。
 まあ、現実にはやむを得ないことがあるのも重々承知。それでも、せめて自分だけでもあがいてみるつもりです。
posted by 砂川赳 at 15:37 | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【コラム】市販RPGのクリア率

2017年01月13日

 皆さんはどれぐらいのプレイヤーがRPGをクリアしているか、ご存じでしょうか?
 アマチュアRPG作家としては気になるところですが、今までは調べようがありませんでした。……が、実はPS3以降の市販ゲームに限り、それを確認する方法があったりします。
 どうするかといえば、トロフィー機能を参照するだけです。

 ※PS3以降を持ってない方のために説明すると、トロフィーというのは各ゲームで達成した出来事を記録するための機能です。「とあるボスを倒した」「レアアイテムを手に入れた」「とあるイベントをクリアした」などといったものがあります。

 PS4(Vitaも?)ではネット接続しているプレイヤーを対象に、各トロフィー毎の達成率が表示されるようになっています。
 大抵のゲームにはクリアによるトロフィーが存在しているので、クリア率も確認可能――というわけです。
 ※細かいことを言うと、PS3には達成率の表示はありませんが、PS4からPS3のゲームも確認できます。
 そんなわけで興味本位を発揮して、自分が持っているタイトルを確認してみました。PS3以降のゲームはさほどやれてないので、サンプル数がやや少なめです。

PS3〜4におけるRPGのクリア率



タイトルクリア率参考クリア時間
FF1327.7%40時間
FF1538.2%30時間
テイルズオブヴェスペリア54.8%70時間
テイルズオブグレイセスf(+追加編)63.8%(47.4%)55(+15)時間
テイルズオブベルセリア44.3%50時間
ペルソナ547.9%80時間
英雄伝説 閃の軌跡45.8%70時間
英雄伝説 閃の軌跡2(+追加編)53.3%(42.7%)50(+10)時間
ウィッチャー329.4%70時間?
デモンズソウル36.7%30時間?

※注意書き
  • 2017/1/12調べ。FF15は発売間もないので、まだ多少は上がるかも。
  • クリア時間はあくまで筆者による参考値です。
    自分でクリアしてないものは?をつけています。
  • 本編とは別に後日談的なものがある場合は()で追記しています。
  • PS+のフリープレイ対象である場合は、率が下がると考えられます。「無料なのでインストールしたけど、すぐ止めた」というパターンがあるので。
    この中では、閃の軌跡1〜2やデモンズソウルがそれに該当。

 さて、どうでしょうか? 個人的には驚くほど低いですね。
 見る限り、プレイヤーの半分程度クリアしていればマシなほうです。
 自分の場合、お金を出して買ったゲームの九割はクリアするようにしています。そのため、他のプレイヤーについても、標準的なRPGならば、八割ぐらいはクリアするだろう――と勝手に想像していました。
 今の時代、ネット上で簡単に攻略が見れますので、クリアできないゲームというのはさほど多くないはず――という見立てもありました。
 それでもご覧の有様。

 またこれは、ゲーム機一台辺りに対する判定であることも注意してください。実際には、家族で一台を共有しているようなパターンが大半でしょう。
「兄ちゃんはクリアしたけど、弟は飽きてやめた」などのパターンであっても、トロフィーは達成とカウントされます。
 一人当たりのクリア率は、もう少し低いと考えたほうがよいかもしれません。

低すぎるFF13のクリア率


 個別の例に言及すると、目に見えて低いFF13(27.7%)が際立ちます。
 クリアしたプレイヤーは全体の三割にも満たないのが現実。他のRPGと比較して、半分近いクリア率と表現してよいでしょう。
 ストーリー的な評判があまりよくないのは周知の通りですし、難易度も高めです。ただプレイ時間(筆者で40時間)がさほど長くないので、そこまでクリア難度が高いという印象はありません。
 なんだかんだで「手応えがあって面白い」と楽しんでいる声も聞こえたため、ここまでの実態は予想外でした。

 そんなわけで、投げ出されやすい理由を考えてみます。

  1. 基本的な難易度が高い。
    ※後日、イージーモードが搭載されたようだが、時既に遅し。
  2. 後半、自由度が急激に上がる。それ自体は長所とも言えるが、サブイベントをこなしているうちに飽きる場合も。
  3. ゲーム進行によって成長の上限がある。
    レベルを上げてのゴリ押しが難しい。
  4. 敵がしぶとく、回復が容易でなかなか全滅しない。
    結果、戦闘が長ったるく長時間戦ってからの全滅がプレイヤーの心を折る。
  5. 売上が多いためユーザ層が広い。相対的にライトユーザの比率が高い。

 こんなところでしょうか。
 特に3,4はこのゲーム特有の要素なので、影響が大きかったのではないかと思います。

 察するに、FF13という作品は想像以上に敷居が高く、マニアックなゲームになっていたのではないでしょうか。
 http://www.psmk2.net/index.php?r=site/title&title_id=519&db=1
 事実、レビューサイトの点数分布が特徴的で、高得点から低得点へ満遍なく広がっています。これは人を選ぶゲームに見られる特徴です。
 多くのユーザはゲームをクリアして批判するような段階にも至らず、『このゲームは難しい』『雰囲気が合わない』『つまらない』などといって去っていったのではないかと。

 さすがに「クリア困難なゲーム=悪いゲーム」と決めつけるのは短絡的かと思います。デモンズソウルのようなヘビーユーザ向けなら、そうでなくては面白くないというファンも多いでしょう。
 ただ、ミリオン級の大衆向けRPGとしては致命的です。プレイヤーの七割が放り出すゲームが、売上百万を維持できるかというとそりゃ無理です。
 特にFFのようなストーリーが重視される作品ではなおさらです。なんせ、最後までやらなければ真に堪能できたとは言い難いですから。
 そして、堪能できなかった作品の次回作を買う動機は薄いです。FF13→FF13−2のように物語の繋がった続編なら、前作をクリアしなければ意味不明になります。

売上データ

  • FF13  :初週151万 累計193万
  • FF13−2:       累計84万
  • FF13LR:       累計28万
  • FF15  :初週69万  累計100万?(未確定)
 ※FF14はネトゲで性質が違うため省きます。

続編のものとして参考

  • FF10  :累計250万
  • FF10−2:累計200万

 こうしてみれば、FF13−2およびFF15の売上激減も納得できようというものです。
 一般的なRPGの半分程度しかクリアされていないFF13の次回作。ゆえに、前作の半分しか売れなかった。ちょっと強引かもしれませんが、こういう見方もできるかなと。

 というか、宣伝や話題性ではポケモンサンムーン(累計300万超え)にも負けないレベルだったのに、売上は天と地の差です。本格的にユーザーから愛想を尽かされているのだな――と、かつてのFF信者スクエニ信者としては悲しい気分です。
 今のところ、FF15のクリア率(38.2%)も厳しいところですね。ペルソナ5(47.9%)の数分の一の時間でクリアできることを考えると、やはり低いです。

その他トロフィーを眺めて気づいた点



クリア率は半分が標準

 クリア率が50%程度あれば標準的。
 プレイヤーの半分しかクリアしてないのでは、次回作で売上激減するんじゃ――と、心配になりそうですが、わりと大丈夫なようです。
 それだけあれば、次回作も同等程度の売上が見込める模様。もちろん、内容と評判がまともなことが前提です。

 上の表で言えば、テイルズオブグレイセスfの本編クリア率(63.8%)が優秀ですが、次回作の売上にも結びついているようです。

  • テイルズオブグレイセス:初週36万本 累計55万本(PS3+Wii)
  • テイルズオブエクシリア:初週52万本 累計67万本(PS3のみ)

 エクシリア以降で評判と売上を落としたのが、つくづくもったいないですね。この調子ならFF15(初週69万)の背中も見えていたのでは……。

 こうなると「難易度が低くクリア時間も短いが、つまらないRPG」だとクリア率や次回作売上がどうなるのか――とか、気になりますが、データがないので語りません。

超序盤の脱落者

 開始一時間など、超序盤での脱落者が5〜10%程度どのゲームにも存在する。
 合わないと見て、速攻で中古に売り払っているとかでしょうか?

脱落率はプレイ時間に比例

 多くのゲームでは、シナリオの区切りによってトロフィーを獲得できるようになっています。つまり、プレイヤーがどの段階でどの程度脱落したかも一目瞭然です。
 当然、難所になるほど達成率が下がるはず。……そう考えていたのですが、思ったほど差が出ませんでした。
 例えば、FF15の悪名高い十三章ですが、達成率の変化は47%→43%というように、精々が一割程度に過ぎません。
 他の章と比較しても大差はありません。単純に時間のかかる章で、脱落者が多い傾向があったぐらいです。特に三章(83%→71%)のように、自由度が上がるタイミングでの脱落者が目立ちました。

 まとめると……
 プレイヤーの脱落は最初から最後までわりと満遍なく存在する。
 もう少し言うと、プレイ時間が伸びるごとに、脱落者が発生している。
 評価が良いゲームであっても、1時間伸びるごとに1%ぐらいは脱落。
 100%→99%→98.01%→97.03%→96.06%→95.10%という感じです。

  •  25時間で、77.78%
  •  50時間で、60.5%
  •  75時間で、47.06%
  • 100時間で、36.6%

 クリア率の表とどことなく一致しています。
 しかも、これは良作として評価される作品、および敷居の低い作品の場合です。
 FF13に至っては1時間ごとに3%前後脱落している計算になります。

 こうしてみると、プレイ時間稼ぎって本当に必要なのか疑問に感じます。
「プレイ時間を稼いで、中古に売られないようにしている」なんて俗説を聞きますが、本当だとしたら危うい発想ですね。プレイヤーが投げ出して、次回作を買ってもらえなくなる危険のほうが大きいのではないでしょうか。

クリア後プレイヤーはさほど多くない

 クリア後のおまけ要素まで手を出すプレイヤーは、クリア者のさらに半分未満。
 トロフィーのコンプリートまでやるプレイヤーは、難易度にもよるが数%程度。

 どうしてもこういったヘビーユーザの声は目立ちますが、基本的には少数派と考えたほうがよさそうです。しっかりやり込む根強いファンも、それはそれで大事にしたいでしょうけれど。

洋ゲ―RPGの時代は遠そう

 ウィッチャー3のクリア率も30%と低め。追加DLC(無情なる心)のクリア率に至っては全プレイヤーの11%。
 評判のいい作品でも、やはり敷居の高さはいかんともし難い模様。日本でこの種の洋ゲ―RPGが流行る日は遠そうです。
 逆に言えば、FFシリーズは海外で売上を維持できる可能性も……?


まとめ


 みんな意外とRPGをクリアせずに投げ出していたという驚愕の事実。
 色々と書きましたが、作品を評価する上で、クリア率は客観的な指標として使えるんじゃないでしょうか。
 例えば、レビューサイトの評価だと、どうしてもクリアしたユーザの声が中心になります。
 ですが、多くのゲームではプレイヤーの半数以上が未クリア――というのが現実なわけで、そっちの半分の実態を知ることも大事なんじゃないかなと。

 ともあれ、最近のRPGは相当敷居が高いんじゃないか――と、思わせるようなデータでした。

  • 全般的にプレイ時間が長くて初心者や社会人プレイヤーには厳しい。
  • FF13、15は程々のプレイ時間だが、すっかり人を選ぶゲームに。
  • その他のゲームも色んな要素が盛り沢山で、疲れてしまうのかも。

 そう言えば、PS3以降で敷居の低いRPGを見た記憶がほとんどありません。
 今時のRPG初心者はどうやって入ってるんでしょうかね? やっぱり、携帯機のドラクエやポケモンになるんでしょうか。
 ドラクエのリメイクとかなら、遊びやすくて入りやすいでしょうけど。新作でライトユーザを取り込める作品がないとすれば、大いに問題だなと思います。

 ドラクエやポケモンの売上が安定しているのは、ゲームデザインがシンプルかつプレイ時間が程々で、クリア率が高いから――とも考えられます。……ドラクエ7みたいな例外もありますけれど。

 そんなわけで勝手ながらドラクエ11には、売上的にも内容的にも大いに期待しておきます。
posted by 砂川赳 at 06:00 | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする